2007年03月18日
三回連続シリーズの第二段として、LED ZEPPELINについて触れてみたいと思います。このバンドの功績に関しては至る所で充分に語り尽くされているので、これより先はごく個人的な感想として述べることにします。
私がツェッペリンの存在を知ったのは高校生の頃でした。ロック系の雑誌を読んでいれば必ずその名が出てくるので、ロックの古典としていつかは聴いてみるべきバンドとして認識していたのですが、当時の私はガンズやLAメタルに嵌っていたので、あまり積極的に手を出そうとしませんでした。洋楽仲間の一人がツェッッペリンに嵌っていましたが、私は「渋い趣味してるね」くらいにしか思っていませんでした。本当はその時に彼から4枚組のセットを借りてツェッペリンの曲の殆どを聴いていたはずなのですけどね…。正直、地味な感じがしてあまり良い印象はありませんでした。
やがて大学に進んだ私は、ロック系を中心としつつ他のジャンルの洋楽にも興味を持つようになりました。前にも書いた通り、ニルバーナ以降のロックシーンにはあまり関心が無かったので、時代に逆行する形でCDを漁っていたのですが、そんなある日のこと、運転途中のカーラジオからとても美しい旋律が聞こえてきたのが一つの大きな転機となりました。約8分にも及ぶその楽曲は、それまでに聴いたどの曲よりも重層的かつ物語的であり、全く新鮮な刺激を与えてくれました。私は運転のために視線を前へ向けつつも、全神経はスピーカーに集中していました。そして、演奏が終わり、DJから「LED ZEPPELIN」の名が告げられた時、私はこのバンドを過小評価していたことを悔やみ、そのままCDショップへ向かったのでした。人の好みなどは年齢と共に変わってゆくものですが、あの時は本当に「もっと早くから真剣に聴いていれば良かった」と思いましたね。
それからはツェッペリンのアルバムを次々と購入し始めました。「 IV 」 が一番最初で、後はリリースされた順に揃えていきました。結局、最後の「 CODA 」も含めて買って損したと思う作品は一つもありませんでした。ありきたりな表現ですが、聴けば聴くほど味が出てくる…本当にそんなバンド・楽曲群だと思います。
今回はそれらのアルバムの中から、特に気に入っている三枚を取り上げてみることにします。まず第一回目は、ロック色の濃い「 II 」からです。「 II 」を聴くにあたって事前に仕入れていた情報によると、このアルバムでは「WHOLE LOTTA LOVE (胸いっぱいの愛を)」が代表曲であるとのことだったのですが、今も昔もビルボードのトップ10に入るロックバンドの楽曲は殆どの場合がバラードばかりであるため、私は「胸いっぱいの愛を」という邦題から推察して、この曲をラブソングだと勝手に思い込んでいました。ところがいざ再生してみると、初っ端からダークなリフが聴こえてくるではありませんか。しかも、サビにいたっては「アウォナホラロラウ」と呟くだけ…。一体どこが甘いラブソングなんだと、その時の私は思わず笑ってしまいましたね。そういった意味で、私にとって「 II 」はとても衝撃的なアルバムでした。
このアルバムには他にも「HEART BREAKER」や「LIVING LOVING MAID」などシンプルで格好良い曲が集まっています。他のアルバムに比べると、ギターのリフを主軸に据えた曲が多いような気がします。単なる古典的ロックというよりは、現代の基準からしてもよりソリッドなロックといったほうが相応しいのかもしれません。ツェッペリンのアルバムとしては「 IV 」と同じくらいわかりやすい内容なので、入門用としてはベストの一枚だと言えるでしょう。レンタルよりも新品で手に入れるべき作品だと思います。
Posted at 2007/04/06 02:51:56 | |
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趣味 | 日記
2007年03月17日
VW ・ゴルフの総生産台数が2500万台に達したそうです。1974年のデビュー以来、33年間に渡ってFFハッチバックのベンチマークであり続けたゴルフは、今やブランドと呼べる存在にまで立派に成長しました。これからも実用的かつ先進的な車の代表であり続けることを願いたいと思います。
新型トゥーランにTSIエンジンが搭載されたことにより、VWの長期戦略がいよいよ形となって表れ始めました。いずれVWの全モデルにTSIとDSGを搭載したグレードが出現することになるでしょう。それはつまり、VWの商品が他メーカーのそれに対して明確なアドバンテージを持つということになります。もちろん、TSIとDSGだけで車の評価が決まるわけではないし、現代における消費者の嗜好の多様性を考えれば絶対的にメリットがあるとも断言できないのですが、少なくともTSIやDSGに替わる何かをアピールできなければ、他メーカーの競合モデルは引き分けることはできても勝利を得るのは厳しいでしょう。定番の人気車種であるゴルフだけでなく、パサートやポロにもTSI・DSGが標準装備され始めたら、特に我が国においてVWの地位はより磐石のものになるかと思われます。豪華さ・ステータス性という点でVWがメルセデスやBMW、アウディに打ち勝つことはありえません。しかし、たとえ大衆車といえども過剰なほどのコストパフォーマンスを発揮するモデルであれば、それはそれで「高級」と呼べるのではないでしょうか。
アウトバーンのヒエラルキーを破壊したと言われる初代ゴルフGTIで示された精神は、今もVWの内部で脈々と受け継がれているようです。実はそれこそが、VWというメーカーの一番の魅力ではないかと、最近思う次第であります。
Posted at 2007/04/01 01:07:19 | |
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車 | 日記
2007年03月16日
先日、本屋で二冊のムックを衝動買いしてしまいました。一つは「機動戦士ガンダム 一年戦争全史(上)」というもので、どこぞの出版社が出している歴史本のような真面目な作りと、極力アニメ色を排して現実味を帯びさせようとするリアルなグラフィックが少々笑いを誘う一冊です。ガンダムに関しては「公式年表」というとても分厚くて内容が堅苦しい本もありますが、個人的にはこの「一年戦争全史」のように真摯にパロディを貫くほうが、作品本来のテイストに合っていると思います。膨大なる設定の後付け、つまり業界内外のファンによって創られた仮想世界、それがガンダムというジャンルの一番の魅力です。一通り目を通しましたが、書いている内容よりも、こういう本を出版したこと自体に敬意を表したいですね。もちろん、下巻も購入するつもりです。
そして、もう一冊の方は「伝説巨神イデオン 公式設定資料集」という3000円近くもする本です。中には本当に設定資料しか掲載されていないので、プラスアルファを期待すると肩透かしを食らうことになるでしょう。イデオンマニアの方には必須のアイテムかと思われます。
この「伝説巨神イデオン」という作品、特に劇場版の第二部にあたる「発動篇」は、日本アニメ史上において間違いなく最高レベルの傑作(あるいは最大の問題作)だと言えます。凄惨なシーンの多用や破滅に向かって突き進むストーリーなど、万人にお薦めできる内容ではありませんが、作者の主義主張が一切の遠慮無く叩き込まれた物語には、やはり見る人の心を打つものがあります。世界中で認められた宮崎駿ですら描ききることが出来ない究極の「救い」が、「発動篇」では圧倒的なテンションによって表現されています。最後のカンタータ・オルビスまで聴き終えたなら、爽やかな疲労感を味わうことが出来るでしょう。ロボットアニメに嫌悪感を持たない人であれば、一生に一度は観ておくべき作品ですね。
しかし、ここまで人間の業に満ちた作品は、恐らく今後二度と出現することがないでしょう。幼い頃に初めて買ってもらった超合金の玩具がイデオンであった(変形・合体する)ことも、今にして思えば偶然にして貴重な体験だったと思います。
Posted at 2007/03/31 04:28:33 | |
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趣味 | 日記
2007年03月15日
先日帰宅途中で信号待ちをしていた時に、オレンジ色の見慣れない車に遭遇しました。夜道で街灯も少く輪郭が判然としなかったため、「改造したS14か、マイナーなアメ車かな」と推測していたのですが、横を通り過ぎるときに目を凝らしてみると、それはあのアルシオーネSVXでした。貴重なものが見られたおかげで、リフレッシュした気分で家路に着くことができました。
スバル・アルシオーネSVXといえば、ユーノスコスモと共にバブル時代を象徴する徒花的モデルとして、今も憧憬と皮肉を込めて語り継がれています。ジウジアーロのデザインを忠実に再現したエクステリアは、クーペらしくスマートなスタイルながらも、他では真似できないほど意匠が奇抜であり、現在の感覚で見ても賛否両論が起こるような個性的な魅力を具えています。中身もプレミアムな6気筒の水平対向エンジンと、当時としては最新式の可変式4輪駆動システムが採用されるなど、スバルのアイデンティティーと気合を如実に反映するものでした。実際には全く売れなかったモデルなのですが、それは性能的な理由からではなく、耐久消費財としてのコストパフォーマンスが蔑ろにされていたからでした(この点はコスモも同じ)。孤高、あるいは極北とさえ言えるようなこのモデルは、たとえこれからも再評価されることがないとしても、ずっと記憶に留めておくべきでしょう。
ただし、コスモが復活する可能性が限りなく低いのに対し、スバルのクーペモデルが復活する可能性は幾分現実味があるかと思います。単なるレガシィの2ドア版ではなく、専用設計のボディにあの滑らかな水平対向6気筒エンジンとスバルの最新技術の粋が結集されたモデルが出現すれば、いわゆるスバリストだけでなく、世のクーペ好きから諸手を挙げて歓迎されるはずです。たとえば、そのモデルに「アルシオーネ」という名前を付けたなら、その時こそかつての理想は達成されるのではないでしょうか。
Posted at 2007/03/28 01:38:01 | |
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車 | 日記
2007年03月14日
フィアットが新型チンクエチェント(フィアット500)を今年7月に発売するそうです。初代チンクエチェントが第一級のノスタルジックカーであることはよく耳にするのですが、今まで私は実物を見たことが一度しかなく、エンスーが趣味で弄るだけの車だと思っていました。しかしある時期に色々調べてみると、イタリア本国では単に過去の名車というだけでなく、当時の風俗・文化の象徴でもあり、イタリア自動車史上において何物にも替え難い存在であることが幾分わかるようになりました。それゆえ、ここ数年「チンクエチェント復活」が実しやかに囁かれるようになってからは、「苦境のフィアットが起死回生のヒットを狙っているんだろうなぁ」という認識でいました。
ところが、現在のフィアットは明らかに上り調子であり、そういう流れの中で最近発表された新型チンクエチェントは、先達へのオマージュをふんだんに盛り込みながら、現在の基準からしても超絶にプリティーなモデルとしてデザインされています。偉大な歴史を背負った車種であるのは間違いないのですが、それとは無関係にこの新型は売れることでしょう。価格次第では我が国でもそれなりに人気が出るのではないでしょうか。ただし、一番のネックはこういうデザイン・サイズの車を気に入ってくれそうな女性層が、イタリア車であることに拒絶反応を示さないかどうかという点にあると思います。プジョーの206がある程度ヒットしたことから、私のような古めかしい偏見(ラテン系の車は電装関係に弱い)を持っている人は案外少なくなっているようなのですが、デザインに関してだけでなく経済観念にも厳しい女性陣の目を考えると、やはりBMWミニと同等くらいの完成度でなければ、ファンカーとして立脚することは不可能だと言えるでしょう。フィアットがこの先も好調を維持できるかどうかは、偏に新型チンクエチェントの信頼性に掛かっていると思います。こんなに愛くるしいスタイルをしているのだから、中身もきちんと仕上げてもらいたいですね。
Posted at 2007/03/25 03:50:49 | |
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車 | 日記