この記事は、
ブランドを残すのは「当たり前だ!!」について書いています。
昨夕、トヨタ自動車の豊田社長と、ダイハツ工業の三井社長の共同会見で、正式に決まったそうですね。

(朝日新聞 30日の朝刊経済面より)
かねてから報道されてた、トヨタのダイハツ子会社化ですが、昨日の会見で、トヨタが出資比率を100パーセントにまで高め、そのうえで、ダイハツブランドは残し、小型車、スモールカー開発のイニシアチブをダイハツに委ね、これまで苦戦していた新興国市場、特に東南アジアやインド向けの市場拡大に本格的に取り組むことが発表されました。
一部報道で、スズキとの提携交渉を検討していた件は、特にコメントされず。
これにより、順当にトヨタ・ダイハツ連合は規定路線だったことになります。
(一部では、スズキとの件はガセだったのではとの声もちらほらありますが・・・・。)
となると、スズキの今後の方向性ですね。
ダイハツ同様、消費税増税以降、軽自動車の売り上げが落ちて、主力のワゴンRも全盛期ほどの売れ行きではなく、発売以来ヒット街道を驀進し、一時はバックオーダーを抱えていたハスラーも、ダイハツ・キャストの登場以降、イマイチ元気がなく、昨年秋にキャストに販売台数を逆転され、軽の販売ランキングでも、ダイハツだけでなく、Honda、日産+三菱のライバル陣に圧倒されることが増えてきて、昨年の年間の登録台数で、ダイハツに逆転を許してから、スズキの元気のなさを感じますね。
もっとも、登録車のスイフト、新型ソリオあたりは頑張ってるけど、販売力、直営チャネル拠点数がトヨタや日産ほどではないのもあってか、なかなか厳しかったりするのが実情でしょう。
マイルドHV、S-エネチャージなどの独自の技術や、新型プラットフォームや軽量化と安全性を両立したボデイなどの技術の高さ、初代アルトやワゴンR、ジムニー、ハスラー、スイフトなどをヒットさせたり、日本のメーカーで最初に、まだまだ未開の市場だったインドに進出し、現地政府と協業で合弁会社を作り、苦難を乗り越えて、スズキをインドに定着させ、世界企業にまで育て上げた鈴木修会長の手腕は、衆目の一致するところですが、VW提携失敗などの負の遺産も残したのは事実で、息子に代替わりしたものの、その辺のところが懸念材料として横たわって、ここのところの販売台数に出てたりしています。
トヨタが会見で、スズキとの件をコメントしなかったのは、そうした事情があるのかと勘ぐってしまいました。
一部経済アナリストは、スズキの商品開発力、技術力は認めるも、国内軽自動車市場の変化と飽和状態、販売チャネルの弱さ、財務面、修会長の高齢化による健康面の不安と、修会長以後の戦略の見通しの不透明さから単体で残るのは難しいとの評価をしていて、スズキとしても他社との提携を積極的に戦略的に行ってる点に注目しています。
スズキとトヨタの関係は、創業者の地元が同じ地域だったりした縁も有り、かつてスズキが70年代中盤に排ガス規制対策に失敗して会社存亡の危機に瀕したときに、トヨタが仲介にたってダイハツ製のエンジンをスズキに供給して貰って、苦難を凌いだ逸話が有名ですが、その時代と今とでは取り巻く環境が劇的に違うし、世界的な競争の最中でこうしたウルトラCは難しいのが実感でしょう。
スズキも個人的に好きな車があるだけに、これからが厳しくなるかもですが、どうにか踏ん張って欲しいですね。
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Posted at
2016/01/30 13:47:23