(毎日新聞 10日朝刊より)
今週は、福岡は、この話題で持ちきりでしたね。
福岡市の中心地、天神に位置する、地上14階地下4階建ての商業ビル「イムズ」が、2021年を目処に閉館、建て替えすることになったと言うニュースが報じられました。
福岡市が、天神周辺の商業ビルなどの建て替え等を促進した都市の再開発「天神ビッグバン」を推し進めていて、高度成長期に建設され、福岡の象徴として親しまれた天神コア、福岡ビルなどの商業ビルが建物の老朽化を理由に建て替えを発表していましたが、個人的には、イムズの閉館には驚いてます。
1989年春、私が丁度、田舎の小学校6年生の春。
成績が悪く、親から地元の私塾に通うよう命じられて、キツい時代を(今でもキツいけど)送ってた頃、福岡天神のど真ん中に、まったく新しいファッションビルが出来ました。
その名は「イムズ~IMS~」です。
「Inter Media Station」の頭文字を取ったネーミングのこのビルは、西鉄福岡天神駅の真向かいに出来た、まさに金色(こんじき)の塔。
中央の吹き抜けの形状の周囲を、アパレル、ファッション系を軸とした数々の専門店街が取り囲むカタチで軒を連ね、建物のほぼ中央に位置する、円筒状の巨大エレベーターと、地下にあるイベントスペースにもなる広場は、待ち合わせの定番スポットにもなってました。

4階には、トヨタ、日産、三菱、スバルの地元の販売会社がそれぞれに運営するオートガーデンなる常設ショールームがあり、オープン当初は、トヨタのガレリアに、あの「007」のポンドカーにも使われたトヨタ2000GTが期間限定で展示されてた記憶があります。
私が、初めて「イムズ」に行ったのは、オープンから3年ほどした、1991年の年末。
西鉄福岡駅の改札を降り立ち、見えるは、巨大な金色(こんじき)の塔。
その、猛々しくも神々しさを頌えた様に、感動しました。
そして、巨大な中央のエレベーターと、吹き抜けの形状を活かした、独特な作りに度肝を抜かれて、さらには、絶対行きたかったオートガーデンにも行き、当時、地元の三菱Dが運営の「オートガーデンすりーだいや」のショールームの都会的な雰囲気に圧倒されたものです。

以来、福岡に行く際は、必ず「イムズ」に行くのが定番になり、14階のビュッフェレストラン(今はなくなったが)で、福岡の景色を見ながらたまに食べるバイキングランチ(ドリンクも飲み放題)が楽しみでした。
個人的には、「イムズ」のオープンで、「福岡天神=おしゃれな街」のイメージを強力に持ったものです。
しかし、ここ数年は、イムズのはす向かいに「PARCO」が進出したり、2011年のJR博多駅ビル完成とともに開業した「JR博多シテイ」とその数年後に開業の「KITTE博多」に客足を奪われた事により、以前に比べて勢いが落ちてきたこと、さらには、スバル→トヨタ→三菱のオートガーデンが、2000年代に相次いで撤退して、日産ギャラリーだけが残ってたのですが、数年前に惜しまれながらも閉館し、その後「イムズ」に行くことが減りましたね。
何より、決定打になったのは、昨年末に完成した「Mark IS 福岡ももち」の存在が大きかったのかもしれないですね。
バブル華やかりし時代の平成の幕開けと共に産声をあげ、平成不況の中でも福岡を代表するファッション系商業ビルとして存在感を放ってきたイムズが、平成の終わりと共に幕を閉じようとしてる現実には、私的には何とも寂しい限りです。
しかしながら、私の人生の少年期~青春時代~大人という3代を、このイムズと共に歩めたことは、福岡県民として誇りに思うし、そして「イムズ」が天神にあって、とてもおしゃれなビルだったと言う事実を、後世に伝えたいと思います。
閉館まではまだ時間はありますが、もう一度、行きたいと思ってます。
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Posted at
2019/01/12 21:27:53