先日、Webニュースを観て、驚きの報道がありました。
スバルの看板車種レガシィアウトバックが来春3月末を以て、受注の終了を発表。
これにより、1989年のデビュー以来36年間続いた「レガシィ」というブランドの歴史にピリオドを打つこととなります。
「レガシィ」と言うと、私たち世代は「ツーリングワゴン」ですかね。
1989年初め、当時、経営不振だったスバルが社運を賭けて、総力を結集して新発売したレガシィ。
まず、「セダン」から発売し、その後スポーツモデル「RS」を投入し、程なく「ツーリングワゴン」を発表。
ケレン味のないスキッとしたスタイルと、水平対向エンジンとスバルの4WD技術と高い基本性能がもたらす質感の高い走りがユーザーの心を掴み、ツーリングワゴンのイメージリーダーとなるGT・4WDの新加入で「ステーションワゴンと言えばレガシィ」というブランドイメージを確立し、日本における「ステーションワゴンブーム」の立役者になり、スバルの業績回復に大きく貢献。
特に2代目以降は「日本には、レガシィがある。」と言うキャッチコピーで、日本を代表するステーションワゴンとして定着。
その間、他社から数々のライバル車種が登場するも、毎年毎年フルモデルチェンジに匹敵するような「年次改良」で商品力を強化しライバルを圧倒。
特に1996年の2代目後期の「全性能フルモデルチェンジ」と銘打ったビッグチェンジでは、外観デザインはほとんど変えないながらも、水平対向エンジンの新エンジン「MASTERエンジン」換装、4WDシステムやシャシーを大幅に手直しする、フルモデルチェンジに匹敵する大改良を敢行し、その際に新加入されたツーリングワゴンGT-Bを中心に人気を不動のものとしました。
近年は、今や当たり前となった自動ブレーキなどを軸とした安全デバイス「アイサイト」を採用し、安全性も強化するなど高い人気を維持。
永らく「ステーションワゴンのトップランカー」として君臨しました。
「ツーリングワゴン」だけでなく、ステーションワゴン型SUVクロスオーバーの先駆けとも言える「アウトバック」、走りに拘った上級スポーツサルーン「B4」とラインナップを充実させ、これらの車種も人気でした。
CM展開も話題で、アメリカの俳優、ブルース・ウィリス、メル・ギブソン、ロバート・デ・ニーロ、ジェニファー・ロペス、イギリスの歌手のロッド・スチュワート、さらには、J・リーグにおいて今なお現役のサッカー選手でキング・カズこと三浦知良選手もイメージキャラクターとして起用されるなど、これまでの国産車にはない独特な世界観の構築、ブランドイメージの醸成にも成功しました。
しかし、5代目以降、北米市場を意識したボディサイズ拡大し、質感も大きく向上するも、国内市場のミニバン、SUVの台頭で人気が下がりだし、その後、ツーリングワゴンが2014年の新ブランドのステーションワゴン・レヴォーグの登場によりカタログ落ちし、セダンB4も上級移行するも、2020年に生産終了し、アウトバックのみに一本化。
スバルとしてはSUVのクロストレックやフォレスターなどに人気が移行したことや、ステーションワゴン型クロスオーバーSUVのレイバックの堅調な人気もあり「国内市場での役割を果たした」として、今回の決断となったようです。
今回の決断は残念だし、寂しいけども、平成の幕開けと共に登場し、「ステーションワゴン」に市民権を持たせて、定着させた功績は大きく評価されるべきだし、走りに特化したスポーツサルーンB4、ステーションワゴン型SUVの草分けアウトバックと、時流のちょっと先を見据えたラインナップを令和に至るまで続けて来た事は素晴らしいと思うんです。
新しい生活のイメージを予感させるとも言いましょうか、ツーリングワゴンは特に、平成不況以後の「アウトドアブーム」「キャンプブーム」に大きく貢献したとも言えます。
このレガシィを入り口にスバルのクルマにハマった人は多く、スバルの水平対向エンジンとAWD技術に惚れ込んだ人も多く、ユーザーの裾野を拡げた功績はこれからも語り継がれると思います。
まずは、ありがとう、そしてお疲れ様でしたと伝えたいですね。
Posted at 2024/10/26 17:25:38 | |
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