総合電機メーカーのパナソニックHDが、昨日のオンラインでの経営戦略説明会で、テレビやキッチン事業などの4つの不採算事業に関して、売却を含めた撤退・縮小を検討している事を、同社の楠見雄規社長が明らかにしました。
テレビ事業売却検討の報道について、我が家は長いことパナソニックのテレビを使ってきて、21インチテレビ→28インチワイド画王→32インチフラットブラウン管テレビ→50インチプラズマVIERA→42インチプラズマVIERA→55インチ4K液晶ビエラと、この30年来、ずっとテレビを含めて、家電の半数はパナソニック(旧松下電器時代も含む)でした。
松下電器時代から、パナソニックは「技術立国日本、ものづくり大国日本の象徴」で、品質が高く使いやすいイメージでした。
しかしながら、ここ最近、とりわけバブル崩壊後の平成不況の1990年代後半~2000年代になり、経営再建の名のもとに、企業は工場を閉鎖し、海外に拠点を移したり、従業員を解雇し、その代わりに非正規雇用や海外からの労働者を多数雇い、安い労働力でコストを削減することが善とする時代になりました。
その時点で、技術のある若者が育つ環境が減り、仕事をしたくても働く場のない人達は行き場を失い、大手のメーカーを石持て追われた有能な技術者が、中国や韓国系の電機メーカーに引き抜かれて、その高い技術力を武器に商品開発の中軸におかれて、日本メーカーの製品と遜色ないどころかそれを超える商品を、日本のメーカーよりも安く提供できるまでになり、大きく産業構造が変わりました。
そうした中、パナソニックはTV事業で当時の社長が経営危機を脱し、所謂「V字回復」を果たし、その直後の2002年以降プラズマTVの「VIERA」シリーズがヒット。
当時、人気俳優の仲間入りを果たしてた小雪さんのイメージキャラに据えたCFを積極展開し、画質の良さを売りにした「VIERA」は瞬く間にパナソニックの稼ぎ頭に成長し、当時、六本木ヒルズで開催された発表会で、複数台並んだ「VIERA」が我が世の春を謳歌してて、非正規雇用で燻ってた私的には、凄く眩しく映りました。
その後、私も生活が落ち着き、2010年に液晶ビエラ32インチを買ったときは、その画質の良さに感動感激感涙したものでした。
しかし、ココ数年は、国内外のメーカーが液晶テレビに大きくシフトし、製造コストの掛かるプラズマTVの製造販売を止めて液晶テレビにシフトしていくなかで、パナソニックは最後までプラズマVIERAを作り続けるも時流の流れに抗えず、2014年にプラズマVIERAの製造を終了。
程なく全タイプ液晶テレビに移行するも、中国や韓国系の電機メーカーとの価格競争に晒され、国内の液晶テレビ製造メーカーは、中国系メーカーの傘下に入り生き残りを図る会社と、完全にTVの製品企画・製造・販売から撤退という流れになりました。
パナソニックも有機ELテレビや4K液晶ビエラの製品企画・製造・販売を続けるも、近年の映像のネット配信時代の対応に遅れたのもあり、苦境が続いてました。
こうした中で、今回の経営判断というか戦略の見直しは、一つの時代の終わりと言うには言い過ぎかも知れないけども、「ものづくり大国日本」の象徴だったパナソニックの今後の行方が大きく変わろうとしていることを肌で感じました。
となると、今、自分の部屋のTVを含めて、次買うTVはパナソニック以外のメーカーになるのかなとも感じました。
ちょい残念だとは思いますが、先のフジテレビの件も含め、テレビのあり方が大きく変わるのかなと感じた今日この頃です。
Posted at 2025/02/05 21:50:31 | |
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