MINI原人のNew RINDO TREK 番外編：　南留萌林道概説（13）

林道、それは最後のフロンティア。そこには原人の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない。これは原人最初の試みとして、調査旅行に飛び出した中古車 ジムニさん号の驚異に満ちた物語である。　

現在留萌地域の林道は雪で覆われ、RINDO TREKは不可能だ。来年春に向け、全国のオフローダー・ジムニストのために留萌南部（苫前町・小平町・留萌市・増毛町）の林道について概説するこのシリーズ。第13回目はひきつづき小平町にある国有林の林道の一部について述べる。


南留萌林道概説　第３章　小平町　第３節　国有林道　その２

　図１

今回概説するのは小平町達布（たっぷ）地区にある、鷲の巣沢（わしのすさわ）川、一線沢川、三線沢川沿いにそれぞれある、鷲の巣沢林道、一線沢林道、知布志内（ちぷしない）・三線沢林道である。

　図２a
鷲の巣沢川、一線沢川、三線沢川を示す。
　図２b
それぞれ、鷲の巣沢林道、一線沢林道、知布志内林道を示す。知布志内林道は図の「―」部から三線沢林道と名前を変える。一線沢林道、三線沢林道には、後述するように「×」で示す位置に道路の決壊場所があり、転落しないよう注意が必要である。
図3
「鷲の巣」という名前は鷲の巣山（293m)に、「知布志内」は苫前町と小平町の境界にある知布志内山(487.3m)にも現れる。鷲の巣川は「ワシノス川」とカタカナで呼ばれていたらしい。知布志内の語源はアイヌ語の「チプウシナイ」（魚のたくさんいる川）である。三線沢川はもとはチプシナイ川とよばれ、後に開拓の区分けに名前を転じたらしい。登山家は「ちぶしない」と読むようだが、語源からは誤りである。

小平町の国有林道にはほとんどゲートがあり、4桁のダイヤル錠で施錠されている。その鍵番号は留萌南部森林管理署(tel. 0164-42-2515)に連絡し、入林許可をもらえば教えてもらえる。番号は単純で「1234」から関係を崩さず1つずつ回していくとどこかで開いちゃうが(笑)、ちゃんと許可をとったほうがいいでしょう。管理署の皆さんはとても親切です。鍵をあけたらちゃんと元にもどしましょう。ましてやゲートを壊すなどは決してしてはいけません。

クマさん出没注意 なお、小平町国有林にはヒグマが生息する。山菜取りなどで地元の人が目撃することも多く、「クマがいるのはあたりまえでしょ」として警察に通報しないことも多い。スタックリカバリーの道具や対ヒグマ用武器を携行しない車は単独行は避けるべきである。危険な林道に入る場合、行動計画を家族や友人に知らせておくことをお勧めします。

（１）　鷲の巣沢林道
　図４
図２bに示した「×」のマークの決壊場所の詳細を示す。2本目の支流が合流する個所での決壊である。

鷲の巣沢林道 林道の様子を示す。幅員が広く、走りやすい林道だ。倒木などもあるが、特段危険はない。1193、1194林班に伸びる右方向への新規支線「鷲の巣沢支線林道」はまだGoogle Map上同定できない。 通行規制情報 （１）林道ゲート位置 （２）種別：ダイヤル錠

決壊部位 ところが突然あやしいクレバスが前方に出現。草ボウボウなら気付かず、転落の危険がある。 通行止情報 （３）通行止位置 （４）理由：伏流決壊 （５）最終確認：2020.08.22

決壊部分 元々は本流に流れ込む支流を土管で通して伏流としていたところが決壊したものと思われる。 本林道は、2020年9月1日まで林道改良工事予定であり、確認が必要。

（２）　一線沢林道
　図５

一線沢林道は、鷲の巣沢川と三線沢川の中間にある小平蘂川にそそぐ細い川である。一線沢川沿いに敷設された一線沢林道は地理院地図に記載の長さ（図５左）より、新規工事により図右のように延長されている。

延長部の起点 延長された林道の起点はGoogle Earthで近接してみると広場状になっており、最近工事が行われたことを示している。

一線沢支線林道 上記の延長部起点の広場から、1192林班に向かって伸びている林道がある。新規に設置された一線沢支線林道である。

一線沢林道 林道ゲートは坂を上ってカーブを曲がったところにあります。 通行規制情報 （１）林道ゲート位置 （２）種別：ダイヤル錠

一線沢林道 一線沢林道はこのように比較的整備された幅員の広い林道です。

一線沢支線林道 2019年10月22日橋がかけられ、一線沢支線林道はほぼ完成しておりました。

一線沢支線林道 2020年2月までの工事予定である一線沢支線林道は2019年10月22日にはもうほぼ完成状態でした。総延長740 ｍの非常に短い林道です。往復走行の様子を示します。

道路決壊 一線沢川の氾濫により道路が決壊し、ここで通行止めです。 通行止情報 （３）通行止位置 （４）理由：河川氾濫による道路決壊 （５）最終確認：2018.09.22

（3）　知布志内（ちぷしない）・三線沢林道
　図６
知布志内林道から三線沢林道に変わった後の決壊部位を示す。こちらは流れ込む支流の水位上昇のため地面が流されたらしい。

知布志内林道 特に困難は感じない林道である。緑のトンネルも豊富で美しい林道だ。 通行規制情報 （１）林道ゲート位置 （２）種別：ダイヤル錠

三線沢林道 知布志内林道に比べるとやや草深く、道もせまくなる。

決壊部位 道路の裂け目がある。目立たないので草が茂っていたら、転落の危険がある。 通行止情報 （３）通行止位置 （４）理由：道路決壊 （５）最終確認：2017.09.23

決壊の様子 かなりの量の土砂崩れである。道路が４mほどなくなっている。決壊した斜面に草が生えているので古いものである。

KMLファイル：　(13) 道道126号北側林道.kml

改訂記録：
2018.01.29　小改訂
2018.06.09　小改訂　索引リンク
2018.06.29　中改訂　図訂正、林道名訂正
2018.09.25　中改訂　図追加
2019.10.22　中改訂　図・動画追加

南留萌林道概説目次
南留萌林道概説はクロカン・ドライブ・登山・自然観察・野鳥観察・化石採集・渓流釣り・昆虫採集など様々な目的のため山に入るひとたちのために作成しています。原人の実地探査などにより訂正・補遺が必要な場合、予告なくその都度改訂していき、最善のガイドとなるよう心掛けていきます。

(1) 南留萌林道の分布概観		(2) 増毛山道周辺の林道		(3a) 増毛民有林道 その１
(3b) 増毛民有林道 その２		(4) 増毛国有林道		(5a) 留萌市道有林道
(5b) 留萌市民有林道		(6) 留萌市国有林道 その１		(7) 留萌市国有林道 その２
(8a) 留萌市国有林道その３		(8b) 留萌市国有林道その４		(9) 小平町道有林道 その１
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