戦々恐々な話

玄関先のスロープに縦列駐車中の2台。

ビ ： 「おい、青いの。おまえ、兄貴のルーフを見たか？」

デ ： 「あぁ、あの緑色の帽子にはぶったまげたよ！」

ビ ： 「白いステッチまで入れちゃってさぁ・・・」

デ ： 「ちょっと尋常じゃないよね」

ビ ： 「まぁ・・・それは今に始まったことじゃないけどさ」

デ ： 「同感」（笑）

ビ ：　「俺なんかいつも兄貴と背中合わせだろ？　
　　　　あのアーガイル模様がこっちに伝播しやしないかと心配でさぁ」

デ ： 「大丈夫、あんたはそのオレンジ色で十ニ分に目立ってるから」

ビ ： 「まぁな・・・でもお前の派手なブルーも結構目立つよな？」

デ ： 「うん・・・ってことは、オレたちはあんな装飾とは無縁だね」

ビ ： 「そう思いたいところだけどなぁ」

デ ： 「何だよ、思いたいって？　今でも十分目立ってるじゃないか」

ビ ： 「だからお前はまだ青いんだよ！」

デ ： 「悪かったな、アクアティックブルーで！」

ビ ： 「考えてみろよ。兄貴のヴィンテージレッドだって、決して地味な色じゃないんだぜ」

デ ： 「うっ・・・たしかに」

ビ ： 「とくにお前なんて、モチーフとなる派手なマシン、世界中にいるだろうし」

デ ： 「あ・・・いや、でもオレ、そこまでオーナーの愛情を感じていないから」

ビ ： 「そうなのか？　まぁ、でもひとつだけ確実に言えることはだな・・・」

デ ： 「・・・確実に言えることは？」

ビ ： 「次の年賀状の主役は兄貴に奪われたってことだ（笑）」

デ ：　「それ、異議なし。オレたちは写真に入れてもらえるだけで有難いと思わなきゃ」

ビ　：　「そうだな、その次の年あたり、お前はきっとヤバいぜ・・・」

デ　：　「えっ、ウソだ！！　し、初回車検くらいは受けさせてもらえるさ！」

ビ　：　「さぁね、移り気なオーナーだからね、次に出てくる新車次第じゃないの？」

デ　：　「はうっ・・・(T_T)」

（この物語はフィクションです　爆）