
3回目の車検を機に、購入当初は全く想定すらしていなかった「ローダウン」という足回りモディファイに踏み切ることになった、我が家のオレンジビアンテ。
その目的は、膝を悪くした小柄な母が乗降に苦労している現状を打開することであり、それ即ち、我が家随一の快適ピープルムーバー・ビアンテの存在価値をしっかり取り戻すこと。つまり、日常の通院や買い物のサポート時はもちろん、三列ミニバンが真価を発揮する三世代同乗時などでも、従来のように気兼ねなく登板させられるようにしたかったわけですね。
そういう意味で、第1回の「外観(見映え)」、第2回の「走行性能(乗り心地)」と続いた一連のローダウン検証も、いわば壮大なまでの序章に過ぎません。
第3回となる今回、注目の乗降性も含めた「実用性」を検証することによって、私なりのファーストインプレッションもグンと完成形に近付き、満7年を以て決行した足回りモディファイの是非についても、ようやく全体像が見えてくることになります。
え?
そんな重要項目なのに、何故ここまで検証を後回しにしたのかって?
そりゃあ・・・仕方ありませんよ。
主役の母に乗ってもらう機会がなかったんですもの(笑)。
あ、でもここには自称・孝行息子なりのポリシーというか美学がありまして・・・
もちろん、ローダウン直後にすぐさま実家に立ち寄って、
「ホラホラ、母さんのためにクルマを低くしたから、ちょっと乗ってみて!」
なんて、性急に結果を求めることはできましたよ。
でも、そんな親切の押し売りは、私の親孝行のスタイルに非ず。
あくまでも自然にその機会を創り、さり気なく反応を窺ってみる・・・その点に是非こだわりたかったのですね。
そんな理想的なチャンスが訪れたのが、ローダウンから25日が経過した昨日でした^m^。
この日は母の検査予約が15時だったので、総合病院への往復と、父が趣味の畑で野良仕事に興じる時間帯とが見事にバッティング。そこで私はこれぞ千載一遇のチャンスとばかりに
「今日はアクセラが使えないから、ビアンテで行くよ~」
と母に予告した上で、お迎え時には最もフロア高の低い(=最も乗降性改善が見込まれる)助手席へと誘ったのです(^^)。
さぁ、気になる検証結果は・・・
最後にとっておくとして(笑)、それよりも先に、我が家における様々な実用面での気付きから述べておきたいと思いますが、ここではあらためて、人間の感覚の鋭さを思い知ることになりました。
なぜって・・・
決して毎日利用しているわけでもなく、週末のたびに平均で1時間くらいステアリングを握る程度という私とビアンテの関係ながら、僅か3センチの車高ダウンを、あらゆる場面で如実に感じ取るという展開が待ち受けていたから。
まずはディーラーでの初対面の瞬間。
正面方向からクルマに少しずつ近付いている最中、
「うわっ、低ぅ!」との印象が早くも襲来(笑)。
次に・・・クルマの傍らに立つ、ドアハンドルに手をかける、サイドシルをまたぐ、シートに腰を下ろす・・・一連の動作のすべての瞬間に
「うわっ、低ぅ!」の連発(笑)。
まぁとにかく、過去7年間で十分に見慣れているはずのオレンジ色の大きな三次元の物体が、少しだけ俯瞰する角度が変わっただけで、かなりの違和感を伴うことにビックリ。
そして、極め付けは運転席から降りるとき。
従来の感覚で降ろした右足が、幾分早いタイミングで地面に着いてしまうので、思わずズッコケそうになること、毎回の如し(爆)。
もうね、僅か3センチと高を括っていたのに、ニュービアンテの目線の違い、新しい相対位置に慣れるまで数週間を要しました(^^;)。
それだけに、実用性の変化代もハッキリと感じ取れるわけで、幸いにも今回のローダウン、家族の乗降時にも荷物の積み下ろし時にも、基本的には有利な方向に作用してくれていて、これといったデメリットを感じずに済んでいます(^^)v。
実際、私の腰の高さ(=足の長さ 苦笑)では従来、運転席に乗り込む際にほんの少しだけ伸び上がる必要があったのですが、今回の3cmダウンで見事に座面高さとの位置関係が逆転。僅かながら、他のマイカーと同じく「上から下方向」への楽チンな乗り込みスタイルが実現(^^)v。
そうそう、初めて後席に乗り込んだ長女なんか、私が事前に知らせてなかったのに「わぁー、低くて乗りやすくなった!」と素直に声を上げてましたしね~。
無論、リアラゲッジもそれ相応に低くなったので、三列目シートバック越しに座面のチップアップ操作をする際も、随分と手が届きやすくなった気がします。
ついでに洗車も楽になった!・・・というと、さすがにちょっと言い過ぎですが(爆)。
但し、全てが良いこと尽くめだったわけではなく、自宅車庫ではこんな意外な実害が発生・・・。
従来は高さ方向に余裕をもってかわせていたカーポートのL字雨樋が、右ドアミラーと干渉(-_-;)。
こればっかりは全く予期してなくて、完全に意表を突かれてしまいましたね・・・。
ちなみにこの写真は・・・干渉の発生を受けて急遽パイプの下端部を数cmカットし、雨樋全体の位置を下げる対策をした後のShotです(^^;)。
その他、現時点ではまだアクシデントにこそ至っていませんが、今回のローダウンでアプローチアングルやデパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングルが一気に減少したのは明白なので、これまで一切気を遣わなくて良かった分、急傾斜への乗り入れ時などは余計に注意をしておかないといけなさそうですね。
ということで、我が家においては概ねポジティブな評価となった「実用性」。
さてさて、今回のローダウンの主目的である、母の乗降性改善は一体どうだったのか。
お待たせしました
気になる検証結果は・・・
「バッチグー!」
(いけね、死語だった・・・爆)
フロア高や座面高が低く、最も有利な条件下にある助手席限定の話ではありますが、私がサポートをしなくても容易に1人で乗り降りができる感じとなり、従来のように、地面との高低差と苦闘しながら「ひと仕事」しているような大変さは消え失せました。
とくに、今までは座面の端に身体を預けて滑り降りるように降車していた母を見て何度も心を痛めていたので、スッと自然に降りてくれたのを横目で見た瞬間には、「チャレンジして正解だった!」と強く確信したし、思わず涙が出そうにもなりましたよ(^^;)。
いやホント、ローダウン実施から1ヶ月近く経った今頃になって、ようやくホッと胸を撫で下ろした気分です。
前回までの検証報告の通り、「外観(見映え)」こそ”可も不可もなく”とニュートラルながら、「走行性能(乗り心地)」は完全にネガティブ。もしここで「実用性」において、肝心の母の乗降性改善が認められなかったら、一体何のためにローダウンしたのかわからなくなるところでしたから・・・(汗)
幸いにも最悪の展開には至らず、当初の最大の目的は果たせたので、今後はゆっくりと時間をかけて、ネガティブポイントの打開策を「心穏やかに」検討していきたいと思います。
あ・・・「走行性能(ハンドリング編)」もいつか検証しないといけませんね(^^)。