撮影日:2023.5.4
GW、地元に帰省した友人の庵に遊びに行ったときの話です。
村外れの限界集落に住むH君が、どこかのワゴンセールで100円で売られていたという、オフコースの「I LOVE YOU」というアルバムのレコードをかけてくれました。
オフコースといえば、そのメンバー二人(大間ジロー、松尾和彦)が秋田県人という、地元のゆかりの伝説のバンドです。
私は中学生の頃、小田和正の美しい声に魅了され、いつも聴いておりました。
針を盤面に落とし、1曲目「YES-YES-YES」から聴きはじめます。
♪君が思うよりきっと、僕は君が好きで…
ああ、懐かしい。現代にレコードの音が聴けるなんて思いませんでした。
スピーカーは中古の当時モノで、暖かく自然な音色を鳴らし、心をときめかせます。
青春時代を懐かしみつつボーッと鑑賞しておりますと、謎の物体が流星のように飛来しました。
プレーヤーに近づいて、よ〜く見ますと…
外周部に何か…
流されて、流されて、僕のところへ〜…
1分当たり33回転している盤面をよ〜く見ますと…そこにはジャニーズ事務所所属、KAT-TUNの主要メンバーの名字のような虫が付着しておりました。
遠心力で飛ばされることもなく、マイペースで気ままに動いております。
せつないね、あなたの、茶色い肌〜…
観察を続けておりますと、やがて姿が消えました。同時に、レコードの針が飛びました。
なんと彼はカートリッジ部に侵入し、DJとなり、スクラッチを始めたではありませんか!
アイ、アイ、アイ、アイ、アイシカダネ…
しかしすぐに飽きたのか、回転ベッドを去り、アームの付け根で休憩しはじめました。
正直、あまり見たくない…そう思っておりますと、彼を注視していたH君がおもむろにガムテープを取り出しました。
それを見た私は、アームの上の彼に向かって「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」と冨岡義勇の如く叫びましたが、時すでに遅し、もはや手遅れでした。
H君は彼を粘着面で包み込み、その自由を奪いつつ、ゴミ箱に放り込んだのでありました。
すると彼は「もうダメかもしれない、ミ・アミーゴ」と断末魔の異臭を放ち、小さなリスニングルームは得も言われぬ臭いに包まれ、二人の鼻は曲がったのでありました。
地元で初めて負けを知った、秋田の修二と彰。そんな、穏やかな午後のひとときでした…。
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2023/05/27 06:32:19