※ちょっと長い話です。
電動車の話が出てくると
CO2コストが~
エゴだ~
とかいう話が出るんですよね。
じゃあ自分で納得できるように
数値で出しちゃえばいいじゃんという感じで調べて書いてみました。
独学なので違ってたらゴメンよと。
今回は走行距離だけの電気とCO2とお金のお話。
数値の元ネタは資源庁の試算とかです。
平成30年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2019)
第2部 エネルギー動向 / 第1章 国内エネルギー動向 / 第4節 二次エネルギーの動向 / 1.電力(2)供給の動向
図.発電電力量の推移
資料から
日本の2017年発電総量は10580億kwh。
発電種別の割合は水力8.0% 石炭32.3% 石油8.7% LNG39.8% 原子力3.1% 新エネ8.1%。
ここから発電種別の発電総量が出せます。
単位(億kwh)
水力846.4 石炭3417.3 石油920.46 LNG4210.8 原子力328.0 新エネ857.0
ネットで更に調べると
1kwhの発電に使用するCO2の量が分かります。
水力11g 石炭943g 石油738g LNG複合518g 原子力20g 新エネ38g
※LNGの換算はちょっと面倒らしい。
※なので色々とやった結果LNG複合として518gとしました。
CO2総量は 6131443億g
内訳(億g)
水力9310 石炭3222514 石油679299 LNG2181194 原子力6560 新エネ32566
※CO2ベースになると石炭が突出。
※小泉Jrで話題になった石炭のCO2比率のネタ
※CO2排出(%)水力0.15 石炭52.56 石油11.08 LNG35.57 原子力0.11 新エネ0.53
※石炭 発電比率 32.3% → CO2排出比率 52.26
1kwh発電に必要なCO2総量は
6131443億g / 10580億kwh = 579.5g
1kwh発電 = 579.5g-co2が必要という感じになります。
実際は最新発電設備の比率増とかCO2排出取引とかで1kwhのCO2数値が下がるらしい。
国内大手電力会社の最新の値は500g-co2未満とかもう少しいい数値とか。
こんな感じで算出するらしいです。
とりあえず1kwh=500g-co2で色々と計算してみる。
※追記
※ユーザーが電気を受け取るまでの送電網のロスが4%くらいあるそうです。
※送電側で1kwh=480g-co2でもユーザー側で0.96kwh=480g-co2とか。
※なので1kwh=500g-co2と考えてみました。
※EVの充電器が発熱としてロスするエネルギーについてはよくわからないので送電側ロスに入れとく・・・。
※ちなみにWell to Whell(井戸からホイールまでの)の考えだと
※エネルギー源の産出~輸入~精製までのCO2排出量が大体計算外なんですよね・・・。
※特に大型船舶輸送のCO2排出量といったら・・・。
新型プリウスPHV
8.8kwh電池で68.2km EV自走する性能なので
EVとしての性能
1km辺り何kwh必要か?
8.8kwh / 68.2km = 0.129kwh
1km辺り0.129kwh必要な計算になります。
逆に
1kwh辺り何km走れるかという電費は
68.2km / 8.8kwh = 7.75km
1kwh辺り7.75km走れるという電費になります。
外部商用電源(1kwh辺り500g-co2排出)で充電したら
1km=0.129kwh
0.129kwh→(0.129kwh*500g-co2)=64.5g
1km辺り64.5gのCO2を排出する計算に。
CO2の量が固定されたので
CO2の量からガソリンによる燃費相当に変換ができます。
ガソリン1Lが燃焼すると約2322gのCO2が排出されて1km走る
という決まり事が。
2322gを燃費で割ると1km走行時のCO2の量が出て
2322gをCO2の量で割ると1L走行時の燃費が出るとか。
2322g-co2 / 64.5g-co2 = 36 km/L
新型プリウスPHVのEVモードの燃費は理論上36km/Lくらいに?。
新型プリウスPHVを外部充電無しのHVで走らせた場合は30km/Lくらいらしいです。
8.8kwhの電池なので燃費いいですね。
参考として
HONDA eの場合・・・
35.5kwhで220km EV自走する性能なので
EVとしての性能
1km辺り何kwh必要か?
35.5kwh / 220km = 0.161kwh
1km辺り0.161kwh必要な計算になります。
逆に
1kwh辺り何km走れるかという電費は
220km / 35.5kwh = 6.20km
1kwh辺り6.20km走れるという電費になります。
トヨタにEV技術負けとるがな。
計算上290kmEV自走しないとプリウスPHVに太刀打ちが。
honda eは燃費スペシャル車じゃないけど頑張ってほしい。
以下はリアルなお金のお話
プリウスPHVを
外部商用電源で充電してみる。
1kwh=29円(従量制)して電池8.8kwhをフル充電すると
8.8kwh*29円=255.2円
EVモードで68.2km走ったら255.2円のコストが。
外部充電無しHVモードだと燃費30km/Lくらいらしいので
ガソリン使用量 68.2km/30km=2.27L
ガソリン1Lを140円で換算
2.27L*140円=317.8円
外部充電無しHVモードで68.2km走ると317.8円のコストが。
68.2km走行したら317.8円-255.2円=62.6円お得
1km辺りでは62.6/68.2=0.92円お得。
大体1kmあたり約1円お得!というEVモードの目安ができます。
・・・
なんですがここまで書いていて思い出しました。
EV否定派が主張する重大なカラクリが。
ガソリン燃料には無料道路の維持費名目で52円/Lの道路財源税が含まれてるんです。
ガソリン車より重いEVが無料道路の維持費を払わないとか不公平だ~とかいう話があるんですわ。
EVも消費したエネルギーに見合った維持費の税金を払えよ~とEV否定派の主張も解る。
EV向けに電源1kwh辺り3円程度の道路財源税で帳消し?
とりあえずは
電池や車体の製造廃棄CO2コストを除いた電動車とCO2とお金のお話でした。