13-14（20）（21）東海北陸ブロック技術選手権大会

いよいよ東海北陸ブロックスキー技術選手権大会が始まった。
東海北陸は、愛知・岐阜・三重・静岡・富山・石川・福井の７県で構成される。
以前は全日本で活躍する選手は少なかったブロックだが、近年はかなりレベルアップしている。
現在、石水克友、高瀬慎一、石水愛、山本千絵の４人のナショナルデモ、米岡友明、簑島治明、石森忠国、佐藤健太、旭潤子の５人のＳＡＪデモ（三重の芳川デモは長野に移籍(T_T)）、その他にも三重の南谷など昨年の全日本の決勝で活躍した選手もいる。

今回は役員ということで、スタートの係。
選手のコール担当だ。
スタート前の選手の雰囲気も味わえる、とても良い係だ。
天候は、あいにくの雪。
関東でも大雪だということだが、ここほおのき平スキー場でも降雪。
気温はさほど低くないが、一日立っていると寒いだろう。
オーバージャケットを買って良かった。


２コート体制で進行するが、私の担当は下部の総合斜面。
１種目目は総合斜面フリー。
早朝からピステンが入っているが、降り続く雪で重めの新雪状態だ。
各班の前に、次の班の選手でデラがけするが、すぐに荒れた状態になる。

このコースは幅が狭く、上部１／２程が急斜面、その下に棚があり、短い中急斜面の先が緩斜面という構成。
僕を含め、県の技術選では上部で大回り、棚でリズム変化を入れてその先は縦目の大回りというのが一般的。
各県トップレベルの選手はどのように攻めるのか？

（191番は山本千絵ナショナルデモ）

やや重めの新雪が乗ってスピードが出にくい状況とはいえ、多くの上位選手は棚の所までクローチングで滑っていく。
かなり滑走性が悪いのか、クローチングをほどいてから、再び組み直す選手もいる。
（この斜度では、普通は考えられない・・・）
クローチングの最中に手を広げてバランスを取る選手もいる。
（よほど荒れているのか・・・）
視界が悪く、上部はジャッジから見えないと判断し、下部の３～４ターンで勝負を掛けているのだろう。
それにしても、恐ろしい世界だ・・・
昼食時にこのコースを降りたら、僕のレベルではとても直滑降で行けるような状態ではなかった。


１種目目が終わり、一度ピステン（圧雪）が入る。
午後は総合斜面フリー規制だ。
昨年の全日本種目でもあった、短い方の板（選手が使用できる板は２本以下。大回り用と小回り用を使用するのが一般的）で滑る総滑だ。

ピステンが入って滑りやすい状況になってるとはいえ、高速で安定しにくいショートの板なので、トップ選手でも上部の２／３程でクローチングを解く。

選手の滑りを確認するＴＤ（技術代表）。

前スキー教程での中心的人物で、ハイブリッドスキー等で物議を醸し出したＩ教授だ。
（デモ等を含め、彼の理論については概ね高い評価が出ているようだ。僕も基本的には正しいと思っている。）

初日を終え、男子は石水、高瀬、米丘、簑島のデモに続き、三重の南谷が５位、女子はＳＡＪデモの旭をナショナルデモの石水が追う展開だ。


２日目は、雪が上がりまずまずの天候。
ピステンがしっかり入った大回りバーンは、言い訳のできないコンディション。
僕の担当は不整地小回り、すなわちコブだ。
アイスバーンの上に新雪が積もった状態だが、ウオーミングアップの時点でアイスバーンが出てきた模様。

一つのバーンをセパレートしているので、整地大回り規制と不整地小回りの両方を見られるおいしいポジション。

大回りはここからスピードを載せ、そのあと急斜面に落ちていく。
深回りという規制なので、選手は急斜面の手前からターンを始めている。

かたや不整地小回りは、かなり深いコブになっている模様で、女子のスタート位置を下げるという指示がきた。


一昨年（だったと思う）の全日本技術選決勝のコブで１位を取った石水克友、一番ピッチが短く深いコブを降りていく。
デモレッスンのような抑えた滑りではなく、ラップを取りに行く真剣な滑りは圧巻、274点をたたき出す。
それよりも圧巻だったのが、米丘友明デモの滑り。
１０年くらい前に、全日本のコブ種目で１位を取ったことのあるコブと小回りの名手だ。
他の選手よりも５ｍほど後ろから漕いでスタート！
並の選手なら一つめで飛んでしまうのではないかと思うようなスピードでコブに入っていき、圧巻の280点！
（帰り際に会った時に、ブロックではなかなか出ない点ですね～、とサラッと言っていた）
米丘もすごいが、石水を上回る275点を出した三重の南谷もすごい。
全日本での活躍を期待したい。（昨年は仕事の都合で、決勝２日目をキャンセルしているので）








富山県、岐阜県が上位を占めるエリアであるが、今回の大会では石川県の選手の雰囲気がとても良かった。
今後のジャンプアップが期待できるのではないかと思う。