世の中っていう物は無情なもので、100の努力が1の成果を上げられないこともあれば、活躍して結果を出したのに正当な評価を受けられないことが多いことでしょう。
そもそも日本の社会常識自体が、有力者のご都合主義で成り立っているのが問題で、(上層部目線のの)経験則に囚われやすい日本人に対し、(現場からの)経験から学ぶアメリカ人と言った思考の違いも大きいでしょう。
個人的な意見ですが、将棋やチェスもろくに指せないような経営者や幹部の指示は従う価値がないと思ってます。
アメリカの戦艦、ソースタコだじゃなくて、
BB-57 USS-サウスダコタ

も、しっかり武勲を残した割には正当な評価を受けられるどころか、艦隊の疫病神というレッテルを貼られました。それには、あまりにもタコなことをしたからですけど、サウスダコタが活躍したのは、
第三次ソロモン海戦第二夜戦と
南太平洋海戦です。
南太平洋海戦では、空母エンタープライズを護衛し、敵機を26機撃墜し、エンタープライズをしっかり守り抜きました。将棋で言えば、日本は戦艦を王将、空母はあくまで飛車か角の扱いでしたが(これがそもそもの間違い。空母は脆弱で、やられたら元も子もない)、アメリカは逆に空母を王将、戦艦は金将、飛車角は攻撃機と爆撃機と言ったような位置づけだったのが大きな差でしょう。
珊瑚海海戦で空母
祥鳳が撃沈され、空母
翔鶴が大破した戦訓を終戦まで全く生かせてなかったのが「量でも質でもアメリカに負けた」と言わざるを得ない事情でしょう。その最たるものが、レイテ沖海戦での囮機動部隊です。空母機動部隊を囮にするとか正気か!?わざわざ負けに行ったのか?って話です。
第三次ソロモン海戦は、大惨事ソロモン海戦でした。帝国海軍にとっては戦艦
比叡と
霧島、駆逐艦
綾波、
夕立、
暁、重巡
衣笠を失って惨敗し、アメリカにとっても苦い勝利となりました。
サウスダコタは、第二夜戦で後年「ソロモンの鬼神」としてその武勲を評されている綾波を撃沈し、旧式の霧島に深手を負わせた(結局自沈には追い込んだけど撃沈には至ってない)が、自身も42発もの砲撃を受けて中破戦闘不能、あわや撃沈される事態に陥りました(注:艦これWikiでは霧島は大した痛手を負わせてないとあるが、それはあくまで結果論)。霧島の徹甲弾はサウスダコタの第3砲塔下の居住区を貫通してバーベットの装甲を割る深手を負わせた上で第3砲塔を使用不能にし、更には僚艦である高雄か愛宕の20cm砲の徹甲弾がサウスダコタの横っ腹喫水線部を貫通し、若干の浸水を与えています。ハセガワの考証では舷側装甲の厚みは457mmと戦艦大和より厚いと説明していますが、もしそれが本当なら20cm砲で抜くことは不可能です。主砲部はそうですが、舷側装甲は実際には扶桑型と殆ど変わらない310mmです。WorldofWarshipsでも、古鷹型の説明で、
古鷹の主砲の徹甲弾ですら、戦艦の装甲を撃ち抜く貫通力があったといったような記述がある位で、見方を変えれば帝国海軍の重巡ズってスペック以上に優秀だったことがわかります。綾波も撃沈される直前に砲撃でサウスダコタの測距儀を破壊して戦闘不能に至らしめました。
さて、作戦時にはサウスダコタは戦艦ワシントンを伴っていたはずなのですが、日本艦隊と遭遇した時、何故かワシントンはいなくなってました。そのため、もし水雷戦隊の追撃を受けていれば深手を負ったサウスダコタの命運は尽きていたでしょう。
ここで運はサウスダコタの味方をしました。ここでようやくいなくなっていたワシントンが合流し、砲撃で霧島を航行不能(後に自沈処分)にして日本艦隊が混乱したことで、難を逃れました。
逆に日本艦隊はと言うと、サウスダコタが小柄なせいか、サウスダコタを巡洋艦と誤認したため、油断したようです。主砲の大きさと幅の広さで判別できなかったのか?と思いますけど、もし誤認しなかったらm霧島は1917年進水で14インチ砲4基8門、サウスダコタは1939年進水で16インチ砲3基9門とスペックだけを見ればサウスダコタの圧勝(注:実力は別の話。???「旧型ですって?バカね、駆逐艦の実力は、スペックじゃないのよ!」)なので、正面から殴り合うなんて愚は犯さず、霧島轟沈は免れていた可能性はあるでしょう。
さて、これをサウスダコタから見たワシントンはどう映ったでしょう?窮地に陥ったところを助けてくれたと言う見方も出来なくはないですが、常識的に考えて、肝心な時にいなくなって美味しい所だけ持って行ったってなるでしょう?
その後、帰投し修理を受けたサウスダコタですが、「あんにゃろ、見捨てて逃げやがった!あいつのせいでタコられた!ダコタだからって!!」とサウスダコタの乗組員は思ったようで、本土帰投後、留置場が満員になるほどサウスダコタVSワシントンの盛大な大喧嘩があったそうな。38人も死んでいれば当然か。
余談ですが、戦艦少女Rでは、霧島からは名前を切り取って「サダコさん」って呼ばれてます。
艦隊の疫病神と評されるのには、
1.1939年9月6日に、ラハイ水道で海図にない囲い柵に激突して損傷(目視で確認すれば防げたのでは?)
2.南太平洋海戦で爆撃を被弾して司令部が混乱し、一時操艦不能に陥る。その際、空母エンタープライズに突っ込んで行ってしまい、エンタープライズ側が気付いて間一髪で避けたため、惨事は免れた。その時を表現したのが先ほどの戦艦少女Rのサウスダコタのセリフです(笑)
等々、中々のやらかし屋ぶりを発揮したため。
満載排水量44374t、機関出力13万馬力と、大和より3万tも少なく2万馬力しか違わない(大和は15万馬力)割には、最大速力は27.8knotと、大和より若干速い程度に留まってます。アメリカ車もそうですが、動力伝達効率はあまり良くないようです。スペックだけ見れば
戦艦長門よりやや上ですが、実力を見れば水爆にすら耐えた頑強な長門相手にタイマン勝負したら勝てるのか???20cm砲にすら撃ち抜かれた装甲で、長門の41cm砲の徹甲弾を食らったら一堪りもないのではないか?と思います。やはり個々の品質では日本の方が良く、スペックはあくまで参考値に過ぎないってことです。
正直不細工な戦艦ですが、作りました。制作時間は丸半日ほど。どこか憎めないダコタちゃんが出来上がりました。
艦首側から

確かに巡洋艦と見紛うほど、戦艦にしては貫禄がありませんね。金剛型の方が圧倒的に立派な外観です。前述の通り、主砲の大きさと幅広さで見分けがつくくらいですね。
全長は207mと、金剛型より10m以上短く、逆に全幅は33mと、寸胴な船体です。どっかのバカが戦艦大和をデブ呼ばわりしてますが、縦横比で言えばサウスダコタの方がよっぽどデブです。ただ、船体の形は小さくした上で下膨れした大和って印象です。16インチ3連装砲に負けずに目を引くのは対空機関砲の多さでしょう。エリコン20mm単装機関砲は合計76挺、ボフォース40mm4連装機関砲は17基68門。これで対空弾幕を張られたら、爆撃機にとっては近寄りたくないですね。
艦尾側から

戦艦の分際でプリ尻です。しかしでっちりです。日本の駆逐艦ズと違って可愛さはありません(笑)どこか大和っぽい艦尾周りではありますが、大和の様な色気もありません。アメリカ艦ってアイオワ級が代表するように余裕がある印象ですが、ダコタは詰め込み感が強いです。その辺は重巡
足柄に通じるものを感じます。全体的に愛嬌はありますけどね。
霧島たちが巡洋艦と見間違えた理由を実証してみました。

手前から、重巡三隈、重巡プリンツ・オイゲン、戦艦サウスダコタ、戦艦金剛(霧島の姉妹艦)と並べてみました。
前述の通り、金剛の方が立派に見えます。ダコタはオイゲンより短く、三隈よりやや長い程度で、スレンダーでも自己主張の強いオイゲンや三隈に溶け込んでますね。しかしやはり主砲の大きさが歴然としているから、夜の闇のせいで判らなかったのかな?とは思えます。見比べてみると、やはりでっぷりしてますね。
WorldofWarshipsでは姉妹艦の
マサチューセッツが実装され、現在も記念艦保存されているのが姉妹艦の
アラバマと、割と名高い艦級ではあります。
次に作るとしたら
アリゾナでアメリカ戦艦制作は最後の予定です。アメリカ空母と重巡はあと数隻の予定です。
その前に、溜まってきた買い置きの方から先に作っていきます。
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Posted at
2018/08/26 18:41:10