終戦記念特別企画第7弾は、今までと打って変わってアメリカ海軍艦です。
第1次ソロモン海戦で帝国海軍第六戦隊相手に果敢に戦い散って行ったニューオリンズ級重巡洋艦3姉妹の1隻、
CA-39 USSクインシー
です。すでにこのアカウントで制作公開しているので詳細は省きます。
学校教育でも教わらない、NHKも恐らく番組化しないであろう第1次ソロモン海戦。帝国海軍が戦力的不利ながら大勝した海戦で、クインシーは次々と仲間が倒れる中、姉妹を庇いながら数十発もの砲弾を被弾して火だるまにされ、最期は
重巡青葉の雷撃で撃沈されました。クインシーは一矢報いるべく最期の砲撃を放ちます。その砲弾は重巡鳥海に見事命中し小破させました。
8インチ砲3連装3基9門と、雷撃能力は皆無で妙高型、高雄型、最上型には敵わず、すべての帝国海軍重巡に対して劣速で取り回しも悪く(そのため接敵すれば逃げられない)、型遅れの古鷹型、青葉型には3門多い砲で遠距離ならクインシー有利、近距離は九三式魚雷を片舷4射線撃てる古鷹型、青葉型有利と言ったところで、重巡としては平均的な戦闘力でした。敵がソ連だったら見せ場は往々にしてあったことでしょう。
完成時はこちら
艦橋周りはこんな感じに

信号灯のみならず、国際信号旗も追加しました。この旗が示している意味わかる人いますか?ちなみに、以前制作した駆逐艦雷はオスカー旗を掲げ、「溺者あり」という救助中を意味しており、スラバヤ沖海戦後の英国兵救助を再現しています。
艦首側から

空中線は、ニューオリンズ級を制作している人自体が少ないのか、資料があまりにも少ないので、WorldofWarshipsの
重巡ニューオリンズを参考に張りました。
それでも前後艦橋の形状も、対空兵装や細かい装備が全然違うので考証は難航し、一部は想像で張りました。
やはり迷彩は入れていません。ない方がすっきりしていて、美しい艦体のラインが崩れないのです。
艦尾側から

後部マストにもびっしりと空中線を張りました。
右舷正横から

日本艦に比べるとあっさりした空中線の配置です。恐らく被弾した時を考慮して内部電路にしてあるのでしょう。実際被弾した際に停電した記録は日本艦に多い気がします。空中線が少なければそれだけ被弾時における艦上火災発生率も下がりますしね。航空機にしてもそうですが、アメリカに学ぶべきは、万が一の安全性や安定性を重視するということです。と言っても昨今の日本車の安全装備は、正直”NOOB"向けです。教習所で学んだことに忠実に運転していればまず起こさない事故が大多数ですから。
例えば、煽り運転なんてどこで学んだんですかね?教習所では、やるな、車間距離は余裕を持って取れと学ぶでしょ?
それでもクインシーは沈みました。帝国海軍の指揮系統の稚拙さばかり槍玉にあげられますが、アメリカ海軍も結構稚拙な指揮で損害を出しています。日本国内では表立つことはありませんけど、日本が弱小で愚かだったから戦争に負けたなどと習ったなら、クインシーたちに謝れ!彼女たちも決して弱くはなかったし、連携を取っていたオーストラリア海軍と言えばまだ大英帝国の植民地だったから真面目に戦ってくれるわけがなくて艦隊は烏合の衆、その時にできる最善策を講じてなお帝国海軍の方が強かったためにやられてしまったのですから。
第1次ソロモン海戦はクインシーたちの完敗は決まっていたのだから無理に沈めず鹵獲してその防空能力を生かせばアメリカにとってはさらに脅威だったことでしょう。それによって作戦が変わり、重巡
古鷹や
加古、駆逐艦
吹雪なども沈むことはなかったかもしれません。
私がチェスを嫌い将棋を好む理由はこの考えから。
ある意味、第二次世界大戦の本当の勝者って、すぐ降参するイタリアだったかもしれませんね。
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2019/08/25 20:56:34