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2020年01月19日

礼には礼を。海軍藍の重巡洋艦 CA-34 USSアストリア

1925年、アメリカのエドガー・A・バングロフト駐日大使が我が国で客死し、大日本帝国は軽巡洋艦多摩でその遺骨をアメリカまで礼送しました。
1939年、時は日中戦争の最中、中華民国は欧州列強によって各地に租界を設けられることで実効支配されており、その仲間入りをしたいアメリカがそろそろ中華民国に遼東半島を始めとして進出している日本が邪魔になりだす(戦後色々アメリカ側が正当化してきたけど日米開戦の真の原因がこれ)頃でしたが、この頃はそこまで険悪でもなく、1937年にアメリカの河川砲艦パナイ他7隻が空母加賀艦載機に誤爆され、パナイを含む6隻が撃沈されるという事件の火消し(この時点ではあわや日米開戦を避けられたが、この時対応したのが悪名高きハルノートのハル国務長官 あ・・・(察し))に奔走した駐米大使斎藤博がワシントンにて客死し、1925年の恩を忘れていなかったアメリカは、その返礼として同じく軍艦にて遺骨を礼送することにしました。
その役目を引き受けたのが、ニューオーリンズ級重巡洋艦2番艦

CA-34 USSアストリア

です。アズールレーンに実装されてますがお迎えできてません。他は不明。
ニューオーリンズ級重巡洋艦は、大東亜戦争において帝国海軍艦に最もこっ酷く叩きのめされたアメリカの巡洋艦級です。7姉妹の内2隻は主に旧式重巡に撃沈され、内2隻は新鋭ながらも欠陥の多い駆逐艦に艦橋から先をもぎ取られるほどの重傷を負わされました。アストリアは前者の1隻で、元々はアストリア級重巡洋艦1番艦として起工されましたが、工事の遅れにより本来2番艦になるはずのCA-32 USSニューオーリンズが先に竣工したためにネームシップはニューオーリンズとなり、ニューオーリンズ級2番艦となってしまう残念な誕生でした。
どっかで似たような話聞いたような?

日本には、駆逐艦狭霧が先行して案内役を務め、軽巡洋艦木曾がアストリアを出迎えて礼砲を交わしました。

(左奥が暁、左奥から2番目は狭霧がいないので同型の潮に出演してもらいました。手前から2番目が響。一番手前は木曾がいないので同型の球磨に出演してもらいました。右側がアストリア)
アストリア「これが噂の特型駆逐艦(全長118m)か。ファラガット(全長104m)達より先に生まれたんだよね。すごい重武装だこと。」
斎藤博の葬儀後、アストリアの乗組員は盛大にもてなされたそうです。
この頃永久の日米友好を願った人は少なくなかったことでしょう。
ところが、アメリカ政府上層部が愚かにも欲におぼれて中華民国での植民活動で利益を得、国威を示すために大日本帝国をしつこく挑発し、あまつさえ生命線である石油を止めてしまうと言う愚の極みに達し、ついにブチ切れた大日本帝国が真珠湾攻撃でそれに応えたのです。なので太平洋戦争は決して軍の暴走によるものでも昭和天皇陛下や東条英機(むしろ反戦主義者だった。山本五十六もしかり)が我欲のために起こしたものでもないのです。
我が国同様、米軍もアメリカ国民もその大半が対日戦争には反対だったのに、このバカ共のせいで折角のアストリアの努力は水泡に帰したのです。

開戦後は、南西太平洋にて空母ヨークタウンが率いる第17任務部隊に参加し、珊瑚海海戦に参戦。五航戦の猛攻に対空弾幕で対抗し奮戦もむなしく戦友の空母レキシントンが空母翔鶴艦載機によって撃沈されてしまい、ヨークタウンも250kg爆弾の直撃弾1発、至近弾3発を受けて大損害を受けます。
ヨークタウンは突貫工事にてとりあえずの応急修理を終え、本調子ではないもののミッドウェー海戦に参戦。そこにアストリアも加わっていました。
エンタープライズ及びヨークタウン艦載機の奮戦により、空母赤城加賀蒼龍を仕留めて数的不利を覆したものの、ヨークタウンも九九艦爆の爆撃を3発直撃されて炎上。ここからアストリアが旗艦になります。ヨークタウンの応急修理が終わったのもつかの間、今度は空母飛龍が単艦にて決死の反撃をはじめ、友永丈市率いる九七艦攻隊がヨークタウンに襲い掛かります。ヨークタウンを護る為、懸命の対空戦闘虚しくヨークタウンは友永隊によって大破し、翌日伊168の雷撃により、戦友の駆逐艦ハムマン共々撃沈されてしまいました。
最期は第一次ソロモン海戦に参戦。姉妹艦のクインシーヴィンセンスと行動を共にし、二手に分かれた内のオーストラリア海軍が壊滅したことも知らず、帝国海軍に挟撃されてしまいます。始めは味方かもしれないと思ってサーチライトでモールス信号を送ると、アストリアは重巡衣笠に砲撃で返答を受けます。まず、クインシーがアストリアを実質的に庇って集中攻撃を受けのたうち回り、アストリアはクインシーを追い越してしまったがために反撃の余地なく攻撃を受け、その援護に来たヴィンセンスも被弾炎上。クインシーは重巡青葉からのとどめの雷撃が致命傷となり、アストリアも主に衣笠の砲撃で65発も被弾し、ついにソロモンの海に沈んでいきました。

アストリアは竣工時は典型的なアメリカ海軍色の淡いグレイでしたが、1942年の改装でネイビーブルー一色に塗装されました。後にも先にもこれがCA-34アストリアの特徴となりました。
本作はその最終仕様です。制作期間は4日ほど、制作時間は12時間ほどです。
特に甲板周りの色分けの手間が省けたことが制作時間を大きく削減しました。

艦首側から

10000tを超える重巡だけに迫力がありますね。非常に美しい艦形です。
エセックス級空母CV-16レキシントンⅡの渾名が「ブルーゴースト」でしたが、アストリアの深いブルーは何を意味したのでしょうか。ネイビーブルーなので自由な空ではないのは確かです。多くの戦友を失った哀しみ?壮大な海?それとも長女になれなかったことからの憂鬱?

艦尾側から

後ろ姿も良いですね。プリッとしたクルーザースターンがまたそそります。
ここから見ても真っ青です。

右舷正横から

横から見ても真っ青ですね。青くない部分なんてあるの?と言いたくなるほどに。あくまで推測ですが、夜間行動時に敵に発見されにくい保護色としての意味でしょう。衣笠には通用しなかったようですが。
パッと見は同じに見えても、ニューオーリンズ7姉妹はそれぞれ個性があり、実は船上構造物がそれぞれ違います。勿論迷彩模様もそれぞれ違います。

クインシーと並べてみました。

クインシーは兵装こそ最終時で塗装が竣工時という差がありますが、艦橋の形状が大きく異なり、対空機銃の配置も、艦載艇の配置も異なります。また、アストリアが次女でクインシーが7女であることからか、アストリアにはないがクインシーには前部マストにレーダーが搭載されています。

太平洋戦争は日本が一方的に叩きのめされて負けた戦争だと習った人が圧倒的多数でしょうが、それはあくまで1943年以降の話であり、1942年までは多くの優秀な米海軍艦船が帝国海軍によって撃破、撃沈されています。
米軍で最も多くの撃沈記録を持つ最強空母、グレイゴーストの渾名で知られるエンタープライズも、17度の大損害を被り、最後は特攻機によって撃破されて戦線から退いてます。アストリアも衣笠に撃沈されているのです。
アストリアにとっても、木曾、暁、響、狭霧にとっても救いだったのが、お互いに戦場で対峙することがなかったことでしょう。

ある人が言ってました。
「戦争の勝敗なんて、損害の大小の差でしかない」

ちなみに、アストリアは恐らく正義の女神アストライアが語源だと思いますが、名前の由来であるオレゴン州アストリア市は映画「グーニーズ」や「ザ・リング」「ザ・リング2」の舞台になったそうです。
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Posted at 2020/01/19 14:52:27

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