車検等でお世話になる「点検記録簿」にある点検項目の中にはAZ-1/CARAとは無関係な項目もあります。
※AZ-1/CARAの点検記録簿の点検項目と点検不要項目は
こちら。
その中でも「公害発散防止装置等」のエミッションコントロール廻りの項目は、
どれがAZ-1/CARA(F6A型原動機)に該当し、どの部品が点検箇所なのかを記載しておきます。
■下記の項目はAZ-1/CARAに搭載されていない装置ですので点検不要です。
・ メターリング・バルブの状態
・ 二次空気供給装置の機能
・ 減速時排気ガス減少装置の機能
■下記の項目はAZ-1/CARAに搭載されている装置ですので点検が必要です。
・ ブローバイ・ガス還元装置の配管の損傷
・ 燃料蒸発ガス排出抑止装置の配管の損傷
・ 燃料蒸発ガス排出抑止装置のチェック・バルブの機能
・ チャコール・キャニスタの詰まり、損傷
・ 触媒等の排出ガス減少装置の取付けの緩み、損傷
・ 排気ガス再循環装置の機能
・ 一酸化炭素等発散防止装置の配管の損傷、取付状態
■各装置の求められている点検とその方法
【ブローバイ・ガス還元装置の配管の損傷】

写真ではアクセルケーブルに目が行ってしまいますが、その奥のシリンダヘッドカバーのブリーザケースからエアクリーナー(もしくはオイルキャッチタンク)へ向かっている配管、すなわちPCV(Positive Crankcase Ventilation)ホースに亀裂やオイル滲み等がなく、取付がしっかりとされていれば問題ありません。なお、PCVバルブ(メターリングバルブ)は付いておりません。
【燃料蒸発ガス排出抑止装置の配管の損傷】

いわゆるチャコール・キャニスタへ接続されている配管に亀裂等がなければ問題ありません。なお、ガソリン臭がすればフューエルシステムに問題があることになり、大変危険ですのですべての経路を確認しましょう。(ディーラーにお願いするべき)
【燃料蒸発ガス排出抑止装置のチェック・バルブの機能】
チャコールキャニスタの上部にある垂直方向へ出ている口からスロットルボディへ向かっている配管の途中にチェック・バルブがあります。チェックバルブを外しますが、ガソリンを取り扱う装置ですので注意して取り扱ってください(ガソリンタンクのキャップを外して減圧しておく。バッテリーの(-)端子を外す。喫煙はしないなど)。
私の個体では緑と白の部品でした(緑側がキャニスタ側、白側がスロットルボディに接続)。スロットルボディ側(白)からキャニスタ側(緑)へ息を強く吹いた時に通気し、キャニスタ側(緑)からスロットルボディ側(白)へ軽く息を吹いた時に通気するか確認する。この時、絶対に息を吸わないこと(内部に有毒ガス)。
【チャコール・キャニスタの詰まり、損傷】
チャコール・キャニスタを外しますが、ガソリンを扱う装置ですので注意して取り外してください。
写真のチャコール・キャニスタ下部から右方向へ向かっている配管(大気吸排口)から息を強く吹いて、チャコール・キャニスタの上部にある水平方向に出ている口(写真ではぐるっとキャニスタに巻きついてる配管。ストラットタワー下部にある金属の配管と接合しているパイプ)から通気があることを確認します。次に水平方向に出ている口を指で塞いだ状態で、大気吸排口から息を強く吹いた時に、垂直方向に出ている口(スロットルボディへ接続されている配管)から通気があることを確認します。通気がない場合は交換します。
【触媒等の排出ガス減少装置の取付けの緩み、損傷】

写真では右下の赤茶色っぽい部分とマフラーの間にある部分となります(写真には写っていません)。リフトアップして、下からゆさぶったりして緩み等の異常がないか、マフラーと接合するフランジ部分に取り付けてある「サーモフューズ」に緩みがないか確認します。
【排気ガス再循環装置の機能】

これがEGRバルブです。バルブとスロットルボディとの配管を外してバキュームゲージを取り付け、エンジン回転を上げた時に60mmHg以上の負圧が発生することを確認します。つぎに、この配管からEGRバルブに向かってバキュームポンプで120mmHgの負圧を発生させた時に、アイドリングが不安定になるか、エンジンが停止することを確認します。合わせて配管に亀裂等がないかも確認します。
【一酸化炭素等発散防止装置の配管の損傷、取付状態】
ここで言う「配管」は二つ前の写真で赤茶色っぽい部分です(触媒とターボチャージャーの間)。これも揺さぶったりして緩み等の異常がないか、「O2(オーツー)センサー」に緩みがないか確認します。二つ前の写真の赤茶色っぽい所に突き刺さっている黄色い配線のセンサー部分がO2センサーです。
以上がAZ-1/CARAの点検記録簿にある「公害発散防止装置等」の点検方法です。目視や揺さぶってみる、息を吹きかけるなどはちょっとの努力で可能ですが、バキュームゲージやバキュームポンプまで用意するとなるとハードルが高いです。排気ガス廻りは車検でも検査しますので予備検査等で確認するのも一つの方法だと思います。
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キーワード | クルマ
Posted at
2012/02/19 19:39:56