
自動車のガラスにはサンドブラストによって打刻マークが入っている。
そこには、どのガラスメーカーのどんなガラスなのかといった情報と合わせて自動車メーカーのマークも入っている。
自動車のガラスには、純正部品(自動車メーカーマークが入っている)と、ガラスメーカー直送のもの(自動車メーカーのマークがない)があり、一般的に言って自動車メーカーのマークの入った純正部品の方が値段が高い。
これにより、中古車の場合には、ガラスに自動車メーカーのマークが入っていない場合は、何かしらの理由によってガラスを交換している可能性がある。多くは自動車事故と想像するが、石跳ねによってひびが入ると車検には通らないので交換したのかもしれない。もちろん、すべてのクルマのガラスには必ず自動車メーカーのマークが入っているわけではないので、オリジナルの状態を知った上で判断する必要がある。なお、自動車メーカーのマークが入っているのはほとんどフロントウィンドウである。
AZ-1/CARAのガラス打刻マークは、オリジナルの状態でマツダともスズキともメーカーのマークは入っていないタイプである。
※注:何台かのAZ-1/CARAを確認しましたが、クルマの性格上(?)当たってる個体が多いのでもしかしたら間違いの可能性があります)
たとえば、フロントウィンドウはこのような打刻マークとなっている。
「LAMIPANE」は日本板硝子(株)の商品名。
その横の「H」は不明。
「DOT23」はDOT(米運輸局)及びNHTSA(米高速道路交通安全事業団)の登録番号で、日本板硝子(株)は世界で23番目に登録の意。
「JISマーク」は言わずと知れた日本工業規格のマーク。
「LP」はJIS規格の「合わせガラス」の意味。
「NIPPON SAFETY」は日本板硝子(株)のロゴ。
「AS1」のASは「American national Standard」を意味し、「AS1」は自動車のどの部位にも使用可能なガラス。
「NSG.M491」はMナンバーと呼ばれるものでガラスの色や厚さを表す(NSGは日本板硝子(株))。グリーン、ブロンズ、ブルー、グレー、クリアーなどの設定があればこの番号によって変更可能。AZ-1/CARAはおそらく色変更はできない。Mナンバーで検索すると別の車種がいくつかヒットするので車種とは結びついていないと思われる。
そしてリアウィンドウは

同じ日本板硝子(株)製であるが、商品名がフロントガラスとは異なり「THERLITE」となっており、JIS規格は「TP」なので「強化ガラス」となる。また、「AS2」なのでフロントガラス以外に使用可能なガラスを使っているのがわかる。Mナンバーは「NSG.M398」である。

サイドウィンドウ
日本板硝子(株)製、強化ガラス、Mナンバーは「NSG.M498」であり、商品名は無し。

チケットウィンドウ
日本板硝子(株)製、強化ガラス、Mナンバーは「NSG.M498」、商品名無しで、サイドウィンドウと同じMナンバーである。

リアクォーターウィンドウ
日本板硝子(株)製、強化ガラス、Mナンバーは「NSG.M31.98」、商品名無しで、写真は右側だが打刻は車内側から入っていて、右側面のガラスはすべて裏側からの打刻であり、左側は外側である。

ルーフグラス
日本板硝子(株)製、強化ガラス、Mナンバーは「NSG.M4984」、商品名無し、「AS3」なので運転視界に関係ないところに使用可能なガラス。
すべてのガラスに「日本板硝子(株)」と記載したが、クルマによってはフロントとフロントサイドは日本板硝子(株)製、リアサイドとリアは旭硝子(株)製などの他のガラスメーカー製品と混在しているクルマもある。
自動車用の強化ガラスは板ガラスを軟化温度まで加熱後に急冷することにより、表面に圧縮応力を発生させた「物理強化」ガラスである。ガラスは引っ張りに弱いが、表面を急速に冷やすことで表面を圧縮、その分、内部は引っ張りとなることで、引っ張った時の限界を超す前に圧縮した力の超えないと割れる状態に達しないようにしたものである。物理強化ガラスの利点は割れた時に破片が細かく、鋭利な破片が少ない為、自動車用ガラスに最適なわけである。
合わせガラスは、2枚の板ガラスの間にポリビニールブチラールを中間膜としてはさみこんだガラスで、衝撃をやわらげたり、破片が飛び散らないことで顔面への損傷を低減している。1987年(昭和62年)9月以降に生産された自動車のフロントガラスに装着されることが法律により義務付けられている。
運悪くガラスを交換する必要に迫られた場合、車検証から「自動車のメーカー」「車種名」「型式」「初度登録年月」「車台番号」「型式指定番号」「類別区分番号」と交換するガラス箇所と「Mナンバー」が必要となる。以下に必要な情報を記す。
自動車メーカー | ・・・ | マツダ/スズキ |
車種名 | ・・・ | AZ-1/キャラ |
型式 | ・・・ | E-PG6SA/E-PG6SS |
初年度登録年月 | ・・・ | ※車検証確認 |
車体番号 | ・・・ | PG6SA-xxxxxx/PG6SS-xxxxxx ※車検証確認 |
形式指定番号 | ・・・ | 07155/07156 |
類別区分番号 | ・・・ | 0001/0001 |
フロントウィンドウ | ・・・ | M491(ぼかし無/フィルムアンテナ無) |
サイドウィンドウ | ・・・ | M498 |
チケットウィンドウ | ・・・ | M498 |
リアクォーターウィンドウ | ・・・ | M31.98 |
ルーフグラス | ・・・ | M4984 |
リアウィンドウ | ・・・ | M398 |
この情報がすべてのAZ-1/CARAオーナーに不要な情報でありますように。
【2009年4月追記】
このクルマのガラスが入手できなくなる事態となっていたようですが、とりあえずはギリギリのところで回避できたようです。
詳細は「世界最小のスーパーカー(笑)AZ-1のページ」の
AZ-1のフロントガラスが再生産へ
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キーワード | クルマ
Posted at
2008/03/02 00:02:57