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HighMACSのブログ一覧

2010年01月01日 イイね!

排気温度計の取付


運転席シートバック後ろのメンテナンスハッチを開けて、エキゾーストマニホールドへアクセスする為に、邪魔なものはすべて外します。
インタークーラーからのパイプ、インタークーラーへのパイプ、ブローオフバルブ、ターボチャージャーのコンプレッサ側にあるアウトエアパイプ等を外せば大丈夫だと思います。アウトエアパイプはゴムのパッキンが挟まっていますので、ボルトを緩める時は、いきなり1本目を抜かずに、最初だけ2本のボルトを少しづつ交互に緩めるとボルトの頭に無理なストレスが掛からずに済みます。(写真のガムテープの部分です)


なお、インタークーラーやターボチャージャー等のパイプ接続部の開口部分は、異物が入らないようにガムテープやウェスなどで開口部を塞いでおきます。

次に3本のボルトで取り付けてある遮熱板を外します。私の個体は向かって左側のボルトが緩むものの、錆びの為か妙なストレスが掛かっていたので、遮熱板が外せる程度までボルトが浮いたところでやめておきました。

エキゾーストマニホールドが見えたら、余計な異物がターボチャージャーに混入しないようにワイヤブラシなどでエキゾーストマニホールドのサビやホコリを取り除き、ウエスなどで拭いておきます。

そしてタービン側のフランジのボルトを3本緩めます。ここのボルトはかなり締まっていますので、レンチを掛けて硬いと判断したらCRC-556などの潤滑剤をスプレーし、しばらく放置してから緩めるとスムースに外せると思います。ここで無理をして、ボルトの頭が取れてしまうと排気温度計どころの騒ぎではなくなりますので注意してください。また、本来であればこのボルトは再使用しない方がいいようです。奥側2本が長く、手前の1本が短いです。長いボルト(スズキ品番:14119-54A50 ボルト・エキゾーストマニホールド)、短いボルト(スズキ品番:09103-08118 ボルト・8x35)です。

フランジのボルトが外れたら、ターボチャージャーとエキゾーストマニホールドの間にあるガスケット(スズキ品番:14181-54A50 ガスケット・エキゾーストマニホールド)をスライドさせて外します。私の個体はここが固着していましたので、マイナスドライバをガスケットの淵に当てて、ガスケットを傷つけないようにハンマーでコツコツを叩いてずらしました。

ガスケットが外れたら、ターボチャージャー側のフランジ部分にガムテープを張り付けて、その上からウエスを被せます。ウエスはエキゾーストマニホールドにセンサー用の穴を開け、タップでねじを切った時の切り子がターボチャージャー内に混入しないようにする為ですが、ガムテープはそのバックアップです。ウエスを引きずり出す時に切り子が落ちないとも限らないので念には念を入れます。ただし、作業が長引くようならガムテープはNGです。一週間後に剥がそうとするとかなり接着されていますので、剥がす時にガムテープが異物となって混入する危険性があります。

AZ-1/CARAで排気温度計のセンサー取付には、この方法が色々なところで紹介されていますが、この方法はかなり悪い部類に入る方法です。ターボチャージャーへ切り子は入らないのですが、エンジンの排気ポート側へは切り子が間違いなく入ります。よりベターな方法としてはエキゾーストマニホールドをエンジンから外してセンサーの穴を開けることになりますが、エキゾーストマニホールドを止めているスタッドボルト周辺はかなり錆びており、エキゾーストマニホールドを外すのはかなり苦労しそうな気配です。正しくはこれを機会に錆を落としてスタッドボルトを打ち直すのだと思いますが、私はシロートなので華麗に妥協しました。

エキゾーストマニホールドの肉厚はかなり薄いので、そもそもここへのセンサー取付はベストではないようです。よりベターな方法はサードパーティー製のエキゾーストマニホールドにセンサー取付ボルトを溶接してもらうとか、ターボチャージャーのエキゾーストハウジングに穴を開けてセンサー取付とか色々あるようです。

話が逸れたついでにもう一つ。エキゾーストマニホールドのボルトを外す際にCRC-556等の潤滑剤を使った場合は、パーツクリーナーをウエスに吹き付けて、ボルトとエキゾーストマニホールドに付着している潤滑剤を除去してください。ボルトがボルトとして機能するには、ねじ山部の斜面とねじ頭裏の座面部の摩擦が必要です。緩みがちなこれらのボルトには必要な作業だと思います。

また潤滑剤が塗布された状態は摩擦係数が小さいので、その状態で締め込んで行くと、締付け力が過大となり、ボルトが破断する可能性が高くなりますのでやっておいて損はないです。(オイルが付いていることが全てにおいて悪いわけではありません。オイルによって摩擦係数を調整した結果の締付けトルクを記載していることもあります)


そしていよいよエキゾーストマニホールドに排気温度センサー用の穴を開けます。位置は写真を参考にしてください。Defiのセンサーは1/8PTのねじ穴を必要としますので、下穴は8.2mmの大きさが必要です。メンテナンスハッチ内は電動ドリルの収まる空間が厳しいので穴を開ける角度に注意してください。

一気に8.2mmの穴を開けるのは大変なので細いドリルから徐々に大きくして行くことをお勧めします。私は8.0mmのドリルしかなかったので、穴が開いた後にドリルで少し揉んで穴を気持ち広げました。


1/8PTはテーパーねじですから8.5mmくらいまでならセンサーはしっかり取り付けられるようですが、大きくなった穴は小さくできませんので自己責任でお願いします。また、前述のように、排気ポート側へは切り子が入りますので、気休めにしかならないですが、切り子が少し出たら、吹き飛ばすとか掃除機で吸うとか対策してください。


センサー取付用の下穴が開いたら、次はタップでねじを切ります。タップは1/8PTという規格で、ねじ部にテーパーが付いています。PTではなくPSやPF、NPTやNPSというものもありますが、別物ですので注意してください。

またタップを回すハンドルですが、私の使ったタップの全長が短いせいか、ハンドルタイプ(写真上)ではヘッドにハンドルが当たって回転させられませんでしたので、ホルダータイプ(写真左)を購入して対処しました。タップでねじを切れたらバリや落ちない切り子がないようにセンサーのフィッティングを仮止めしたり、ワイヤブラシでねじ穴周辺をさらったり、ハンマーなどでエキゾーストマニホールドを叩いて切り子が残らないようにしておきます。

そして排気温度センサーのフィッティングを取り付けます。テーパーネジですので、それなりにトルクが掛かるところまで締めつければOKです。無理に締め込んで行くとエキゾーストマニホールドにクラックが入るかもしれません。元々、何もしなくてもクラックが入るエキゾーストマニホールドですから注意してください。

フィッティングが付いたらそろばん玉の向きに注意して、フィッティング側にスパナをかけて、センサーの締付けナットを締め込んでセンサーを取り付けます。ここで最後の気休めとして、フランジのウエスを外し、ガムテープはそのままで、排気ポート側にある切り子が排出されることを願ってセルを回して一瞬でいいのでエンジンを始動し、すぐに停止させます(とても危険です)。さらにおまじないとして掃除機でフランジ辺りから吸ってみたりしてから、フランジのガムテープを外します。


次に、遮熱板にセンサー用の逃げ加工をします。目視で適当に金ノコで切り込んでいき、現物合わせでヤスリなどで調整します。遮熱板自体は固いのですが、加工しやすい素材ですので、ヤスリでの調整も苦労なくできると思います。

なお、センサー逃げ加工の上の穴は遮熱板取付用のねじ穴なのですが、私の個体は熱と振動でプレス加工の線から打ち抜かれて大穴になってました。




遮熱板の加工が済んだら、遮熱板取付の前にフランジにガスケットを挟んでエキゾーストマニホールドとターボチャージャーのボルトを締め込んで行きます。ガスケットはウエスなどでよく拭いておいてください。取付ボルトは3本ありますので、それぞれ少しづつ均等に締め込んで行きます。締付けトルクは180~280kg・cmです。

このボルトにスプリングワッシャを挟むとねじが緩まないとの噂がありますので、気になる人は付けてみるのもいいかもしれません。ただし、スプリングワッシャの役割は緩み止めではなく、緩んだ後の回り止めですので、本当に効果があるかはわかりません。そして遮熱板を取り付けて、取り外した各種配管を元通りに戻して一段落です。


あとは、センサーのハーネスを車内に引き込みますが、アウトエアパイプのボルトを利用したハーネス固定用のステー(エーモンテクノロジー採用)を追加し、センサーハーネスと延長ハーネスのコネクタをインタークーラーの穴を利用して取り付け、ハーネスに無理な力が掛からないようにする必要があります。このハーネスは重量もさることながら、熱を持つので厄介でした。ステーはいつか作り直したいところです。






車内への引き込みは他のメーター類のセンサーハーネスと同じところにまとめて通してあります。この穴はドリルで穴を開けました。エンジンルーム側から、Defiのコントローラ側のコネクタをこの穴に通して、ゴムブッシュにも通して完了です。

引き込んだ延長ハーネスは、コルゲートチューブに納めてDefiのメーターコントローラまへ取り付け、他のメーターからのデイジーチェーン接続で排気温度計を取り付けてほぼ完了ですので、エンジンを始動してメーターが動作するか、排気漏れはないか、他に異常を感じることがないか確認して、メンテナンスハッチを閉じ、シートを取り付けて終了です。

なお、取付直後はセンサーハーネスから焼けた臭いがしますが、しばらくすると治まります。


助手席の前にAUTOGIANO製のグローブボックスを加工したものを取付けているので、そこへメーターを固定しました。

ダッシュボードにマジックで円が書いてあるのが見える人は今年はきっといいことがあると思います。

異常がなくても一か月後くらいには、各部の増し締めや点検のためにもう一度エキゾーストマニホールド周辺を確認することをお勧めします。




【2010年1月23日:追記】
エキマニにクラックがあり、排気漏れを起こしていましたので、応急処置としてマフラーパテにて補修。ついでにセンサー周りにもパテを盛っておきました。このままでは気持ち悪いので新品のエキマニとその周辺パーツを購入しました。近いうちに交換しますが、原型をとどめていないスタッドボルト辺りをどうやって外すのか悩み中。








該当パーツレビューはこちら⇒(排気温度計)
Posted at 2010/01/01 22:00:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | パーツレビュー補足 | クルマ
2009年12月06日 イイね!

クラッチペダルからの異音 ~リベンジ~

2008年10月26日に「クラッチペダルからの異音」と題して、アルミ板をクラッチケーブル保持部分に当てるコンテンツを書いてみたものの根本的な解決には至らなかった。

前回、アルミ板を当ててみたのは、クラッチケーブルの軌跡が円を描いていて、バルクヘッドもしくはクラッチケーブル取付ボルトが生えているステーの強度が足りないことが原因との仮説に基づいた施策だった。

従来より行われているワッシャ使う方法は、ケーブルの軌跡を緩やかな方向へ向ける為に、クラッチケーブル取付角度を変更することで、バルクヘッドへ無理な力が掛からなくなる方法となるが、雨水の侵入と力の掛かる部分を2点だけで支持している部分の面接触面積を減らしてしまうことを考えると不安が残る方法である。

よって、スラントした板材を使うことで角度を変更することにした。これで角度は変わるし、バルクヘッドへの接触面が増えるので強度も増すだろうとの予想だった。


一番左が、最初の「当て板、もといスタビライザー」で、中央のものがスラントした板である。素材はポリプロピレンで、原型はダイソーで購入したヘラであるが、結論から言うと角度が足りないのか効果はなかった。
そこで、さらにスラント角の大きな板を使ってみたのが右側のもの。原型はダイソーで購入した地震対策グッズである。クラッチケーブルに掛かるストレスは弱く、クラッチペダルがスムースに動作することは確認できた。しかし、これも「コキコキ病」には効果はなかった。そのうえ、これだけの厚みの板材をクラッチケーブル取付部に挟むとほとんどボルトにナットが掛からず、締めこんで行けばボルトを舐める可能性が高く、ナットがいつか脱落する危険があった。


角度法はクラッチケーブルのバルクヘッドへのストレスを減らすことで「コキコキ病」を治す方法であるが、結局、私の個体では効果がなかった。よって、クラッチケーブル取付ボルトが生えているステーとバルクヘッドのスポット溶接に問題があると仮説を立てた。


そしてついに、バルクヘッドに穴をあけて、バルクヘッドとクラッチケーブル取付ステーをボルトとナットで締結することにした。ここに穴を開けるのは勇気が必要だったが、これで治れば誰かの役に立つだろうとのモチベーションだけでチャレンジしてみた。

結果は「まったく」効果がなかった。「まったく」だ。穴の位置が悪いのかもしれないと思ったが、さらに穴を開ける元気は持ち合わせていなかった。







30分ほど、フットスペースに頭を突っ込んで、クラッチペダルを手で押したり離したりして穴を開けたことを後悔していたが、力の掛かり方を色々と想像してみたところ、こんな結論に達した。

「これってこのステーがボルトの頭に押されてバルクヘッドと擦れてるんじゃね?」

※クリックすると大きな画像になります。






摺動部へのストレス軽減には潤滑油の塗布を試す価値が大いにあるということで、呉工業のCRC-556をクラッチケーブル取付ステーとバルクヘッドの間に噴いてみた。

塗布直後は「コキコキ」言っていたが、しばらくすると音が消えた・・・。








※この部分にCRC-556を吹いてから二か月以上経過していますが、異音は再発していません。ただし、サンプル数が私の個体だけなので、例によって「今は反省している」になる可能性があります。

【2010年7月4日追記】
再発しました。CRC-556の塗布後、しばらくペダルをコキコキしてたら音が消えたので、少しドライブに出かけたら返って音が酷くなりました・・・orz。
Posted at 2009/12/06 22:37:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | パーツレビュー補足 | クルマ
2009年11月29日 イイね!

カバー・カムシャフトハウジング

プラグカバー

クリックで大きな画像を見ることができます。

F6Aエンジンのカムシャフトハウジングにあるカバーです。
一般的には「プラグカバー」と言った方が通りがいいようです。

スズキ部品番号:11170-80F00

カムシャフトハウジングカバーシールの張り替えの時に、サイズを計測してみました。

FRPなり、カーボンなり、アルミなり、ステンなり、パイン材なりの半端な材料が手元にあって、「これでプラグカバー作れないかな?」と思った時に、わざわざシートを外してメンテハッチを開いて、カバーにアクセスする為の各種配管を外して確認するのも面倒な時にでもご利用ください。

265mm × 86mm以上のサイズがあれば作成する為の第一関門突破です。

なお、ねじ穴や細かい形状の加工は、この図の寸法は利用せずに現物合わせでお願いいたします。
計測物は熱で歪んでいましたし、1mm以下は計測できていません。また記載ミスもあるかもしれません。

個人的にはAZ-1/CARAにとって、このカバーは必須だと思っていますので、作るより純正品を利用した方がいいと思います。

カムシャフトハウジングの側面からプラグコードが進入しますが、その部分をふさげないですし、ただの板では、オイル交換時にオイルフィラーから漏れたオイルの侵入を防げないです。一度中に入ってしまうとヘッドを外さない限りきれいにすることはできないと思います。
この辺りをクリアできれば作るのもいいかもしれません。
Posted at 2009/11/29 22:06:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | パーツレビュー補足 | クルマ
2009年11月15日 イイね!

プッシュンRのオーバーホール

冷間時からのエンジンの始動後の走行時に音がしなくなったので、呉工業のドライファーストルブを吹いて凌いていましたが、だいぶ汚れていたのでオーバーホールしました。

TAKE OFFからスプリング、ピストン、ヘキサゴンレンチ、パーツクリーナーがセットになったオーバホールキットが販売されていますが、ピストン部へのオイル潤滑は不要とのことでしたので、分解して汚れを落としてみました。


大気解放されるファンネルの外径は39.75mmでした。「何か」の参考にしてください。写真に細いゴムパイプが付いたままですが、固着していてドライバーでコジってみてもペンチで回してみても外せませんでした。









本体の分解は、3mmのヘキサゴンレンチで4つのボルトを外すだけで分解できます。この4つのボルトで止まっているヘッド部分は、バネの力が掛っていますので、4本を均等に緩めて行き、最後はフタを押さえ付けてボルトを外します。









これが全パーツです。左からシリンダ本体、シリンダヘッド、バルブスプリングリテーナー、バルブスプリング、ピストンです。

パーツクリーナーですべてのパーツを洗浄します。パーツクリーナーを直接吹きかけてバシャバシャとやると無駄も多いので、一通り吹きかけたあとはウエスで汚れを拭き取っていきます。







こちらが洗浄後のピストン表面です。写真写りが悪いので分かりにくいですが、艶の無い部分が傷です。オーバーホールキットにもピストンが付いているくらいですから、シリンダとピストンでは真鍮製のピストンの方が材質の硬度は低くく、摩耗するようになっていると思います。








こちらも写真写りが悪いですが、洗浄後のシリンダー内部です。かなり傷だらけになっていました。横着してドライファーストルブで誤魔化していた結果がこれです。ブースト漏れするかもしれません。

汚れがすべて落ちましたら分解手順と逆に組んでいけばOKです。






ブローオフバルブを外したついでに、一緒に外したゴムホース類を呉工業のラバープロテクタントで汚れを落としました。

オーバーホール後は、エンジン始動直後でも音がするようになりました。幸いなことにブースト漏れはしてないようです。

【2012年7月4日】
またエンジン始動直後からしばらく音がしなくなったので清掃しました。
ピストンやシリンダ内の傷は増えていました。
Posted at 2009/11/15 23:09:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | パーツレビュー補足 | クルマ
2009年08月25日 イイね!

点火時期の調整

(画像をクリックすると大きな画像へ遷移します)

AZ-1/CARAの点火時期を調整するには、エンジンを十分に暖機して、全ての電気負荷が掛っていないことを確認します。この電気負荷にはヘッドランプやエアコンはもちろんのことリアデフォッガやオーディオも停止する必要があります。また、電動ファンが停止している時に作業を行ってください。そしてアイドリングが基準値内(950±50rpm)であることを確認します。

次にダイアグノーシス用のモニタカプラをショートさせる必要があります。これによりイニシャル点火時期(基準となる点火時期)の設定を行います。


カプラはリアからエンジンルームに向かって左側のフードのヒンジ辺りにあると思います。このカプラは防水コネクタとなっており、コネクタのカバーを外すのですが、カバーが二重になっており、どこがカバーの爪なのか戸惑うと思いますが、カバーは左図のようになっていますので爪を間違わないようにしてください。何故、こんな事まで記載するのかといえば私が間違えたからです。







カプラのショートはC端子とD端子を接続します。適当な線材で繋いでください。












タイミングライトを1番のハイテンションコードに繋ぎます。1番とはクランクプーリー側(クルマの後ろ側からエンジンルームに向かって一番右側)のプラグに接続されているハイテンションコードとなります。ディストリビュータの位置で言うと一番上に位置するものです。ハイテンションコードで言うとカムカバーに入るところで縦に三本並んでいますが、正しく取り付けてあるならば、一番上となります。







さて、問題はタイミングライトをどこに当てるのかということになりますが、整備マニュアルには右図のような絵が書いてあります。整備マニュアルにはこの絵以外には記述がなく、具体的な場所は示されていません。しかし、点火時期調整の為のゲージはタイミングベルトカバーに記載してあります。







リアのボンネット裏には点火時期調整方法が記載されているのですが、ここにはタイミングベルトカバーのゲージを使うと記載されています。この部分はAZ-1/CARAでは目視できるのか微妙なところです。










整備マニュアルに指示されている場所を覗き込んでみると、不自然な造形の場所があり、ここがそうなのかと思うこともできなくないですが、明示されていないので不安が残ります。ネット上にもここで合わせるといった情報がヒットしないので困りました。










そこでこのようなツールを作りました。円分度器がないのでそこら辺に転がってた丸い板です。裏には冷蔵庫などにメモを挟んで貼り付けるマグネットをセロファンテープで取り付けて、これをクランクプーリーのボルトに貼り付けることで、この不自然な場所はどこを指しているのかをはっきりさせる算段です。









クルマをジャッキアップして少しクルマが傾いているところをそのまま撮影したので、垂直線には見えませんが、右側がフロント側、左側がリア側で、リア側をジャッキアップしていますので右に傾いています。その垂直な線に対して、右回りでちょうど240度の位置にあることがわかりました。









これは円分度器の位置を動かさないで別の角度から撮影したものです。
そうなるとクランクシャフトが上死点(BTDC)の時に、この不自然な場所は240度を指すことになります。(エンジンを下して計測したわけではないので若干の誤差があるかもしれません)









プーリー自体はリブが中心部に6本入っており、そこから外周部にはひとつ置きにリブが伸びています。外周部分にあるリブは120度毎にあることになります(実際に計測して確認しました)。このリブの外周部分に▲の出っ張りがありますがこれは合いマークではありません。何故、こんな事まで記載するのかといえば私が間違えたからです。








クランクプーリーの合いマークは、小さい方のプーリー(オルタネータ側)の外周にとても小さな切り欠きが2か所あります。一つ目はリブと同じ位置にあり、これを合いマーク①とします。とても小さな切り欠きですので、プーリーの淵を指で撫でて確認してください。








二つ目の合いマークは、リブと同じ位置ではなく、若干ズレた場所にあります。①と同じく指で撫でて確認してください。これを合いマーク②とします。AZ-1/CARAの点火時期調整に使うのはこちらの②の方ですのでペイントしておくことをお勧めします。リブと同じだとか違うとか面倒であればどちらもペイントしておけば問題ありません。調整時に正しくない方を示すことは、BTDC120度となり、エンジンが掛らないことを意味しますのであり得ないはずです。







さて、この二つの合いマークは、何を意味しているのかを確認する為に、また円分度器を作りました。今度はそこら辺に転がっていた焼き損じたプリンタブルなDVD-Rディスクです。これの中央にサイズ19のラチェットレンチのソケットをはめて、クランクプーリーのボルトに差し込んでプーリーの合いマーク位置を確認しました。








右の写真が計測結果です。上に2本線が引いてあるのは右側が間違いです。ソケットとボルトのクリアランスを考慮にいれずにマーキングしたらズレました。その間違いの線を除いて上から左回りに何を指しているかというと、上が合いマーク①です。次が240度、その隣が合いマーク②の位置からプラス10度した235度、そして225度の合いマーク②、最後に合いマーク②にマイナス10度した215度となっています。要は合いマーク①を基準とした場合、合いマーク②は225度の位置にあることになります。


それでは、ある合いマークが頂点にある時に、クランクシャフトは上死点を示しているかというと、実は合いマークは20度オフセットしています。これはタイミングベルトカバーを見たことがある人ならばわかると思いますが、上死点位置は20度で、右側に0度が振ってあります。また、クランクプーリー中央のクランクに取り付ける穴にはキーの為の溝があります。ここを0度とすると合いマーク(リブ延長線)は20度のところにあります。もちろん、クランクシャフトのキー溝は、1番シリンダの上死点と同じ位置にあります。


段々とややこしくなってきましたが、結果として「不自然な造形の場所」は、上死点から右回りで240度の位置にあり、クランクを上死点0度とした時に、プーリーの合いマーク①は頂点から20度の位置にあり、そこの合いマーク①を基準とすると合いマーク②は225度のところにあります。すなわち、頂点0度を基準に考えると、合いマーク②は245度のところを指すことになります。「不自然な造形の場所」は頂点0度から240度の場所にありますから、5度オーバーしています。ということは、合いマーク①を5度(BTDC5度)とすると、必然的に合いマーク②は「不自然な造形の場所」を指すことになります。言い換えると、「不自然な造形の場所」を合いマーク②が指している時、合いマーク①はタイミングベルトカバーのBTDC5度を指すことになります。

よって、「不自然な造形の場所」に合いマーク②を合わせることが点火時期調整方法ということになります。ちなみ「不自然な造形の場所」の中央の線から上下幅は10度です。中央の線から下方向へ合いマークを動かすと進角、上に動かすと遅角です。なお、確認時にダイアグのカプラを短絡していない場合(イニシャルセットスイッチOFF/アイドルスイッチON)はBTDC8度くらいなようです。








話がそれましたが、次にディストリビューターを固定しているT40のトルクスボルト(2ヵ所)をゆるめて置きます。エクステンションを付けたラチェットレンチやT字レンチが必要です。写真は奥のボルトです。










次に調整方法ですが、クルマの後ろからエンジンルームに向かってディスビ上部を奥に向かって回すと遅角方向、手前に向かって回すと進角方向です。別の言い方をすると、クルマの後ろからみて左側側面に立って、左に回すと遅角方向、右に回すと進角方向です。さらに別の言い方をすると合いマークを動かしたい方向と同じ方向にディストリビュータを回せばOKです。ちなみに私の場合は、かなり硬かったので、大きなマイナスドライバーをディスビに当てて金槌でトントン叩いて動かしました。



なお、混乱するのですが、進角方向は上死点から手前方向、遅角方向はより上死点に近い、もしくは上死点を超えた方向です。右回りのクランクを想像した場合、上死点より左側方向が進角、右側方向が遅角です。「進角」という字面だけみると点火するタイミングをどんどん進める、今よりも後で点火するように捕えてしまいますが、逆ですので注意してください。何故、こんな事まで記載するのかといえば私が間違えたからです。

以上で調整完了です。ディスビのトルクスを締めて、タイミングライトを外し、ダイアグの短絡した線を外して元に戻しましょう。あとはテスト走行で異常がないことを確認すれば整備完了です。


というわけで、これからドライブ日和の秋に向けて点火時期を点検してみてはどうですか?

クランクプーリー品番
マツダ品番:AZ29-11-401
スズキ品番:95131-60F00


P.S
【2009年8月30日】記事の間違いの修正が完了しました。にっしゃさんありがとうございました。
Posted at 2009/08/25 23:42:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | キーワード | クルマ

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