いや~、毎日暑いですね! 皆様は如何おすごしでしょうか?
実は今年で14年になる『黒い36くーぺ2号』の空調パネルが壊れ、いよいよ廃車か?と覚悟したのですが、コソ練仲間の
名古屋の仙人さんが格安で修理してくれたのでこの夏は何とか乗り切れそうでが、今度何か壊れたら直すお金も無いので宝くじに当たるか何処かのお金持ちの人が使ってない2ペダルの車をくれないかな~と願っている(笑)今日この頃です。
この暑さでは人間も車も耐えれそうにないので大人しくしてたので大したブログネタも無く更新しておりませんでしたが、このままでは皆様に忘れられてしまいそうなので「ドラテク」ネタでもしようかと思います。
とは言っても皆様ご存知のようにワタクシは250馬力のコーナリングマシーンで走ってもNAの軽自動車に負けてしまう
ど素人なのでそんなテクニックなど有る筈がありません。(苦笑)
そこでワタクシが高額な授業料を支払って教えていただいた『門外不出の秘伝』の一つをこのブログを見てくださる貴方だけに無料でコッソリお伝えしたいと思います。

『菰田塾』での1コマ
ワタクシの車載動画を見ればお気づきかと思いますが、ワタクシの運転の欠点の一つに突っ込み過ぎと運転操作が雑であるという事です。
以前、『菰田塾』で
指摘されて以来、特にこの点に気をつけて練習しているのですが、ステアリング操作については日頃の運転で丁寧に操作するように心掛けてはいるものの、いざ走り出すと悪い癖が抜け切れず『えい、やー』と力任せにスパッと切ってしまいます。(反省)
先日の『
Sweets&MotorSports DrivingLesson Rd.9』でのスラローム練習の際にも、全日本ジムカーナ選手権であの山野哲也選手を破り何度も優勝されている若杉選手に添乗してもらい、ステアリング操作の切り遅れの指摘とステアリングワークについてアドバイスがありました。
◇ 迎えハンドル
その時若杉選手からは「迎えハンドル」でのステアリング操作を勧められました。
「迎えハンドル」式ステアリング操作は確か
中谷明彦氏も某ビデオマガジンの中で推奨しておられましたが、皆様はどのようにステアリング操作をされておられるのでしょうか?
ハンドルの回し方には俗に言う「クロスハンドル」,「送りハンドル」,「迎えハンドル」,「内掛けハンドル」などいろいろな方法がありますが、私が実践しているハンドル操作は『
BMW M 社』が推奨しているステアリングワークを基本にしています。
その方法とは、ハンドルを握る位置は、ステアリングリム上の9時15分付近の位置で、持ちかえる場合でも基本的に他の部分は握りません。
そしてハンドルの回し方は両手でステアリングを持ってそのまま切っていき、下になった片方の手が太ももの上まできたらその手は握らずその場で滑らせておき、反対側の手でステアリングを押し上げるようにして切って行き、滑らせておいたほうの手の上あたりまで回します。
(ワンアクションで最大240°角位まで切ることが可能)
さらにそれ以上の大舵角を切る場合には、太ももの上で滑らせていた手をステアリング上で腕を交差(クロス)させ当所握っていた部分に持ちかえ切りながら、もう一方の手も握り直しさらに切り込むようにします。
戻す場合はこの逆の操作をします。
この方法のメリットは、
- ①ハンドルを見てなくても手の位置で今タイヤはどれだけ切れているのかが常に分かる。(視覚からでなく感覚で操舵角量を判断しやすい)
- ②少ないアクション(操作)で大きく切ることができる。(→素早い操作が可能)
- ③自分の力で直進状態に素早く戻せる。
- ④「ステアリングを押し上げる」という動作はシートバック(背もたれ)に体を押さえ付ける力にもなになるので体が安定する。
- ⑤ステアリングを引くより押す動作の方が力が要って辛いが微妙なハンドルからの手応えの変化を感じやすい。
などと言ったことが挙げられます。
日産の新型マーチでは、発進時にタイヤの向きがわかったり駐車時に前進とバックを繰り返してタイヤの向きがわかりづらくなったときなどの為に、15km/h 以下時にメーター内のディスプレイにタイヤの向きやステアリングの切れ角、進行方向を表示する
タイヤアングルインジケーターという装備が有るそうであるがそんな装備が無くても運転の仕方(ハンドルはいつも同じ位置を握り、駐車時には必ずタイヤを真っすぐにして停める)で対処できるのです。
とは言え、
タイヤのグリップ限界を超えない普通の運転をしている限り特に上記③~⑤の事柄はメリットとして感じられないと思いますが、タイヤのスベリ量(スリップアングル)が多くなってきたのを感じたり、クルマの挙動が乱れて立て直すときにタイヤの向きを意とする方向に向けて行く、といった場面では大きく物を言います。
ハンドルは切れば切るほど曲がると思いがちですが、実際にはフロントタイヤの向きとクルマの進む方向にはズレがあり、(そのズレの角度を
スリップアングルと言います)
このスリップアングルがある程度以上大きくなると、コーナリングフォースが低下してしまうという特性をタイヤは持っています。つまり、曲がろうとしてステアリングを切れば切るほど曲がりにくくなるという現象が起きるのです。
中谷氏のようなプロドライバーや若杉選手のような上級者はハンドルの切り過ぎやフルカウンターを当てるような下手な運転はしないのでよいのですが、ワタクシのような
ど素人ドライバーが氷上のような低ミュー路を走行しているとスピードを抑えているつもりでもついオーバースピードになりがちで、ハンドルを切っても曲がらず更にハンドルを切り足してしまい余計に曲がり難くなるということがよくあります。
そうならない為にも操舵角量を常に意識してハンドルを切っても曲がらない時は、ハンドルを切り足すのではなく踏んでいるアクセルやブレーキを戻すかブレーキを踏むといった発想に転換する事が安全運転のためにも重要なことなのです。
また、クルマの挙動が乱れた際にカウンターステアをあて遅れスピンすることがありますが、カウンターを早く正確に当てることができればスピン回避することもできます。
◇ 送りハンドル&しゅるしゅるカウンター
通常フロントサスペンションにはキャスター角がつけられているので右の動画のように手を離せば勝手にカウンターがあたりますが、フラットで路面ミューが一定な路面ならまだよいのですが、轍ができやすいグラベルや雪道で手を離すのは危険です。
カウンターをもどすときの事も重要です。カウンターはあてたものの御釣りをもらって事故ったなんてことになりかねません。
そんな時少ない操作で大きくハンドルをきることができ、両手を9時15分の位置にもどすだけで直進状態にすることができるこのステアリングワークが生きてくるのです。
WRCドライバーの車載映像を見ていてもハンドルを細かく持ち替えて切っていったり、両手を離してカウンターを当てる人はいないですよね。
「送りハンドル」や「迎えハンドル」はサーキットのようにあらかじめどちらへどれだけステアリングを切り込むのか判断できるような所ではいいのですが、ブラインドコーナーや路面ミューが一定でないような場所では万が一の事を考え素早く対応できるこのBMW式クロスハンドルの方が安全で合理的と思いワタクシはこの方法を取り入れています。
余談ですが最近スポーツカーにもパドルシフトの車が増えてきています。フェラーリやレクサス LFA,日産GT-Rなどはパドルスイッチ式シフトレバーがステアリングコラム側に固定されていてハンドルとは一緒に回らない仕様になっていますが、BMWなどのドイツ車ではパドルがハンドルと一緒に回るタイプを採用しています。これはこのようなステアリング操作を前提としているからだと思われます。
↓の動画はPorsche A.G. で一番速い?テストドライバーTimo Kluckさんがドリフトする動画です。ステアリングワークに注目!