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2024年02月23日 イイね!

「女神湖氷上」の歴史

先月の八千穂レイク氷上走行会の時に、ある方から女神湖について質問され、返答している途中で話が中断してしまったので、あらためて詳しくお話したいと思います。

(ワタクシが初めて氷上走行体験をしたのは、1996年1月に女神湖で開催された「日産 DRIVING PARK ウィンター」というイベントで、それ以降、女神湖を51回走りました。年平均にすると、約1.8回なので makatoさんに比べたら大したことありませんし😁、90年代からワタクシより多く走り続けておられるジャイアンさんやフックスレーレさんの方が「女神湖氷上」情報に詳しいと思います。
以下の女神湖情報には、ワタクシの記憶違いの誤情報もあるかもしれませんので、あしからず。)


本州で一番初めに氷上走行会を開催したのは、群馬県中央部に位置する赤城山山頂にある火口湖「小沼この」と言われていて、1965年頃から2001年まで開催されてました。
この「赤城氷上」を管理・運営していたのは、上州オートクラブ(JAC)という日本自動車連盟(JAF)加盟のモータースポーツクラブ。
「赤城氷上」が開催されなくなったのは、
1.
赤城小沼を管理していた群馬県企業局の管理管轄である榛名湖において水上バイクと釣り舟が衝突する事故が発生し、県の企業局の管理責任が問われる事がありました。過去38年間無事故であった赤城氷上も、何らかの問題が発生した場合は県の責任を問われるとの理由により「できたら氷上の開催をやめて欲しい。」との県側からの依頼を受けた為。
2.
同時期に赤城山山頂の国民宿舎(JACの冬季間常宿)の閉鎖、小沼周辺の構築物撤去や整備により、氷上走行開催のためのインフラが無くなってしまった為。
3.
地球温暖化より氷の厚さが少なくなり、開催されたとしても、1月後半の2週間程度になる可能性があった為。(最低でも1月中旬から2月末まで開催しないと除雪の為の重機の整備費用や、コース管理の為の経費が捻出できない。)
4.
国定公園のため、自然保護団体などからの指摘などを受ける可能性が出てきた為。
上記のような理由により、赤城での継続を断念したらしいです。


赤城小沼の氷上走行がモータースポーツ由来で始まったのに対し、女神湖は違っていて、第三セクターである蓼科地域計画(株)がスタッドレスタイヤの運転方法を啓蒙する目的で安全運転講習会「女神湖ウィンタードライビングレッスン(MeWDL ミュードル)として、1994年から正式に始まりました。
1970年代~1980年代の日本の積雪寒冷地の冬用タイヤはスパイクタイヤが主流でした。しかし積雪のない舗装路でスパイクタイヤを使用すると、タイヤに打ち込こまれたピンが道路のアスファルトを削り、道路を傷め、騒音や粉塵公害を発生させる原因となっていました。
そこで国は1990年に「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」を公布し、翌年4月1日には禁止規定も施行されました。大手タイヤメーカーも、それに従ってスパイクタイヤの製造を中止。冬の主流タイヤはスパイクタイヤからスタッドレスタイヤにバトンタッチされていきました。
それに伴い、スリップ事故が増えて来たという時代背景があり、タイヤのグリップを超えた先の挙動と対処を、滑り易い路面で低い速度で安全に体験できるのは特別な意味があるのです。

女神湖での氷上走行は元々は、四輪駆動車の専門誌『4x4MAGAZINE』の関係者からの働き掛けからプロジェクトが始まったそうです。
とは言っても、女神湖は国定公園内にある農業用に建設された人造湖です。
お役所や地域住民の理解を得て、開催実現に至るまでには大変な努力が必要としたそうな。
“氷の上に車が乗って大丈夫なのか?”という疑問に対しては、自衛隊が持っている氷厚に対しての耐荷重データを元に安全基準を決めています。
氷の厚さが安全基準に達してない場合は、氷に穴を空け ポンプで水を汲み上げて氷厚を維持したり、コース上に雪が積もると氷の表面が保温状態になり氷の成長を妨げたり、雪の重みで水が吹き出したりするので、除雪しなければなりません。
車体に付着した融雪剤やオイル汚れ・泥などで女神湖の水質が汚染されるのを防ぐために予めスチーム洗車するのも、お役所や地域住民の理解を得るためでもあります。
(当初は湖上に人工物を持ち込んではならないとのことで、パイロンさえ並べることができなかったそうな。)
蓼科地域計画(株)は地域振興を目的とした?会社なので、当然のことながら安全運転のノウハウはありません。そこで、BMW等のセーフティドライビングスクールでインストラクターをされていた元ラリードライバーの田部雅彦氏が代表取締役を務める(株)ハーズ の協力を得て、「女神湖ウィンタードライビングレッスン(MeWDL ミュードル)」が始まりました。


1996年 MeWDLのチラシ(表)

1996年 MeWDLのチラシ(裏)


1997年までは一部の貸し切り開催イベントを除いて マイカーの持ち込みは出来ず、日産やBMW,Audi・VW,ローバージャパンから貸し出されたスクールカーで受講する形式のイベントでした。
ちなみに、1996年度の土・日・祝日一日(9:00~16:00)の受講コースの受講料は昼食付で12,400円で、1997年度は15,400円でした。


1997年の貸し切りイベントでの一コマ

1998年からは(株)ハーズが用意したスクールカーで受講することも出来ましたが、マイカーでの受講が基本となり、また、マイカーでの走行会も開催されるようになりました。
(理由は、曲がりきれず 雪の壁に突っ込んでスクールカーのバンパーなどを破損させることが多かったので、協力メーカーから借りるのが困難になったためではないか?と推測されます。)

2002年頃?からは、Audi JAPANの協力により、スクールカーがAudiになりました。



2009年からは「ホテル コロシアム・イン・蓼科」と、「女神湖センター」の管理・運営をメルコリゾートサービス(株)が引き継ぐこととなり、それに伴い、女神湖氷上も「女神湖ウィンタードライビングレッスン」から「女神湖氷上ドライブ」と名称を変え、氷上走行会と貸し切り開催が主体のイベントになりました。


2010年 女神湖氷上ドライブのホームページ
(2010年 女神湖氷上ドライブのホームページのトップページを飾ったのは、ワタクシのS2000でした。🎊✌️
しかしながら、一年でその座をkrurinさんに奪われたのでありました。)


2010年頃からコースレイアウトが、南西側からスラロームレーン,複数の定常円・8の字,ハンドリング路が並ぶ 現在のレイアウトになりました。2014年のコースレイアウトは少し違っていましたが。)


◇ ドローン映像 2017年 女神湖ハンドリング路 右回り編

GPSロガー解析による女神湖氷上走行軌跡


◇ 車載映像 2019年 女神湖スラローム路編



2020年11月末日にメルコリゾートサービス(株)はホテル コロシアム・イン・蓼科と女神湖センターの運営から撤退。
コロシアム・イン・蓼科でフランス料理のシェフを本業とされていた安藤氏が会社を立ち上げ、コロシアム・イン・蓼科と、女神湖氷上ドライブは、(株)RESTAURANT ANDOが引き継いで管理・運営するようになり、現在に至っております。
貸切り開催主体のイベントとなり、基本 走行会終了時間も早まりました。



今後、女神湖で事故が起こったり、温暖化?により開催期間が短くなったり、コロシアム・イン・蓼科の経営が傾くと、女神湖氷上ドライブは「赤城氷上」ように存続が危ぶまれることになります。
女神湖氷上走行ファンの皆様方には、コロシアム・イン・蓼科の応援よろしくお願いいたします。





Posted at 2024/02/23 10:45:51 | コメント(1) | トラックバック(0) | Winter-Training | クルマ

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みんカラ 旧ニックネーム : 銀色S2000はーどとっぷ  30歳を過ぎた或る日、ドライビングスクールに参加したことが切っ掛けで、走りに目覚めてしまいました。...
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