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2011年09月29日

英国(欧州)式運転術

GPSロガーを導入するようになって、データ解析による走り方をいろいろ勉強してゆくと、昔ある雑誌に掲載されていた欧州式と日本式ドライビングスタイルの違いに関心をもつようになりました。

今はマツダのテストコースになってしまったMINEサーキットは、外人レーサーが得意とするサーキットとして知られていました。また、外人レーサーは雨のレースに強いとも言われています。
外人レーサーが路面ミューが低く安定しないコンディションに強いのは、そのドライビングスタイルに秘訣があるとも言われています。

日本のサーキットのように路面ミューが高く、高性能タイヤを使用する環境で熟成されたマシンセッティングやドライビングスタイルと、イギリスのサーキットやニュルブルクリンクのように路面ミューが低く、アップダウンなどのバラエティに富んだレイアウトと、バンピーで一定しない路面コンディションで戦う環境で熟成されたマシンセッティングやドライビングスタイルとでは異なるということらしいのです。

そのドライビングスタイルの違いとは 、ターンインする前からクリッピングポイントまでに大きな違いがあるようです。
車速と距離の推移を示すグラフで表すと、日本式がボトムスピードを多少犠牲にしてでも短距離で向きを変えようとするV字的な線になるのに対し、欧州式はコーナリングスピードを重視したU字的な線になるということでしょうか?

日本の常識では、タイヤの使い方は縦方向と横方向のグリップの和が100%になるようにブレーキをクリッピング付近まで残しながら減速と旋回を同時に行う(操舵角に比例して縦方向に使っていたグリップを減らして横方向に移行していく)というのが一般的ですが、英国式では減速のブレーキングで100%の縦グリップを使い、その後、旋回で100%の横方向のグリップを使うようにするというように、限られたトータルグリップを縦方向と横方向に振り分けてやり繰りするタイヤの使い方をするらしいのです。

どういうことかと申しますと、摩擦円を学ばれたことのある方なら分かると思いますが、タイヤのグリップは一方向に負荷がかかるとその他の方向は低下する傾向があります。なるべく直線で減速を終わらすことで縦方向のグリップをフルに使い、減速と同時に前輪に大きく移動する荷重を左右の前輪で均等に受けとめることにより、短時間かつ短距離で目標とする速度まで減速して、その後、旋回で縦方向の負荷を限りなくゼロに近づけてやることにより、横方向のグリップをフルに使えるようにするわけです。さらにスロットル調整によって縦方向(前後荷重)のバランスを取ることにより、遠心力と慣性モーメントによってコーナーの外側に引っ張られるマシンを外側の前後のタイヤで均等に支えることができ、その結果、速くかつ安定した旋回が可能になるということらしいのです。
その横方向のグリップをフルに使うための操作がバランススロットルというスロットル(アクセル)ワークということらしいのです。 ブレーキをリリースしただけではエンジンブレーキによる減速Gが発生しています。また、勾配も前後Gに影響を与えます。高い旋回速度を実現させるためには、速度やコーナーの形状に合わせスロットル開度を調整する必要があるということです。


日本式では前荷重にすることにより、前輪タイヤの摩擦円を大きくし、後輪側は逆に小さくなることを利用して曲がりやすくするということでしょうが、例えば下り坂で減速しながらコーナリングすることを想像してみてください。
ブレーキを踏みながらコーナーに入ると慣性は外側のフロントにいきます。少しでも無理をすればアンダーが出るか、リアの接地が足りなくてオーバーが出るかという非常に難しいコントロールを要求されますし、タイヤのタレや磨耗も厳しくなります。
車はアクセルを開けて駆動をかけている時が一番安定するものなので、どちらが安全かは明白ですよね。

また、欧州式のメリットとして加速地点であるクリッピングポイント付近での右足の位置があげられると言います。
レーシングカートのように左足ブレーキを使う以外、ブレーキは基本的に右足で踏んでいると思います。例えば、クリッピングポイント付近(加速開始地点)までブレーキングするスタイルを想像してみてください。この場合、加速開始の際に右足をブレーキペダルからアクセルペダルに移動させるための時間を費やし、さらにブレーキングによって前輪にかかっていた荷重が加速と同時に急速に後輪に移るために挙動を乱しやすくなります。その結果トラクションがかかりにくくなる可能性も出てくるということなのです。
しかし、バランススロットルの場合は既に右足がアクセルペダル上にあり、加速開始とともにピッチングの変動が少ないスムーズなアクセルワークが可能になるということのようです。


F1の世界でも佐藤琢磨選手をはじめとする日本人ドライバーが鋭いブレーキングでオーバーテイクを見せる才能があるのに、市街地コースや雨のレースで良い結果を残せないのはこうしたドライビングスタイルの違いに原因があるのかもしれません。

市街地コースや雨のレースで強かったドライバーと言えば、Ayrton Senna が思い出されます。セナの運転で有名なのは、「セナ足」とよばれるコーナリング中にアクセルを小刻みに煽るドライビングテクニックです。一説には元々ターボのタービンの回転を高く保ち、いわゆるターボラグの発生を抑えるためではないかとも言われてますが、セナは、F1でのターボ・NAに関係なく使っており、実際にセナが鈴鹿サーキット西コースをNSX-Rで走っている車載映像を見ても、減速後に「セナ足」をおこなっているのが確認できます。
日本式ドライビングスタイルの常識からすると、このようにコーナーを立ち上がる前にアクセルを踏む事自体、折角曲げるためにかけていたフロント荷重を抜いてしまうことになるので考えられない事だと思いますが?、これがセナ流の限界を探るためのバランススロットルとすれば理解できます。
↓ ブレーキからアクセルに移るタイミングに注目


日本のサーキットをハイグリップタイヤを履いてタイムアタックするなら、日本式にV字的に走った方が速そうですが、ワタクシの乗っている初期型S2000はリア・サスペンションがバンプストロークしたときのトー変化が大きいという欠点があると言われてますので、こうした欧州式運転を取り入れた方が安定して走ることができるかもしれないと思い、試しに練習したのが先日のオーバルスクールだったのですが、
言うは易く、行うは難し
で、なかなか上手くはいきませんでした。バッド(下向き矢印)涙
日本式もまともに出来ていないワタクシが、欧州式か゛簡単に出来るわけがありません。(笑)
これに懲りず今後も、もう少し試行錯誤してみようと思います。

ブログ一覧 | Driving Technique | クルマ
Posted at 2011/09/29 09:45:41

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