
先日、NAGOYA オートトレンド 2016 に行って、「
86 GRMN」を見てきました。
86 GRMNは
ニュル24時間参戦のレースカーのロードゴーイングバージョン。
2014年の東京オートサロンで展示されていた『
GRMN 86 Concept』モデルから、ずっと気になっていた車です。
4,294,500円の「
SUBARU BRZ tS GT PACKAGE」やTRDの「
14R-60」が630万円で発売された時も驚きましたが、86 GRMNの価格はそれをも上回る648万円で、 100台限定販売に約3,400人の申し込みがあったとか。
凄いですね~!
648万円と言えば、ポルシェの「
Cayman」が買える金額ですよ!
Caymanの最低グレードの価格は629万円。しかも、ナビ付き。
86 GRMNにはナビどころかラジオさえオプションです。
ただし、ポルシェはオプションの価格が貧乏人には信じられないほど高いらしく、好みの仕様にしようとすれば、あっと言う間に天井知らずの価格になる巧妙な価格設定になっているとか。(笑)
(例えばメタリック塗装にするだけで15万円UP、スポーツバケットシートだと59万5千円UP等々)
実はワタクシが憧れている車は「Cayman GT4」なのです。
もし、宝くじで3千万円当たったら買いたい車は、911 GT3でもなくCayman GT4です。
それは何故かと申しますと、RRレイアウトの車はワタクシのような未熟者には手におえないし、3千万では買えたとしても維持出来ないからです。(笑)
では当選金額が1千万円だっら、86 GRMNとCaymanのどちらを選ぶか?と言われたらどうしましょう?悩むところです。
そこで、妄想のついでにスペック比較してみました。
車名 | 86 GRMN | Cayman |
形式 | GRMN86-FRSPORT | ABA-981MA122 |
エンジン種類 | 水平対向4気筒 直噴DOHC | 水平対向6気筒 直噴DOHC |
排気量(㏄) | 1,998 | 2,706 |
最高出力(kw[PS]/rpm) | 161[219PS]/7,300 | 202[275PS]/7,400 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 217[21.1]/5,200 | 290[29.6]/4500-6500 |
車両重量(㎏) | 1,230 | 1,360? |
全長(㎜) | 4,290 | 4,385 |
全幅(㎜) | 1,775 | 1,800 |
前高(㎜) | 1,300 | 1,295 |
ホイールベース(㎜) | 2,570 | 2,475 |
トレッド 前/後(㎜) | 1,525/1,535 | 1,526/1,536 |
最小回転半径(m) | 5.4 | 5.2? |
燃料タンク容量(ℓ) | 50 | 64 |
乗車定員(名) | 2 | 2 |
駆動方式 | 2WD[FR] | 2WD[MR] |
トランスミッション | 6速MT | 6速MT |
タイヤ | 前 215/40R17 83W 後 235/40R17 90W | 前 235/45ZR18 94Y 後 265/45ZR18 101Y |
サスペンション | 前 マクファーソンストラット式 後 ダブルウィッシュボーン式 | 前 マクファーソンストラット式 後 マクファーソンストラット式 |
消費税込み価格 | 6,480,000円 | 6,290,000円 |
空冷時代のポルシェエンジンのスペックは大したことありませんでいたが、今やベースグレードモデルでさえリッター100馬力越え!のハイチューン。
Caymanの最高速度は 266 ㎞/hで、0 - 100㎞/h 加速 5.7 秒, 0 - 400mは14秒台とか。
86 GRMNのデータは公表されてませんが、おそらく最高速230㎞/h台と、0 - 400mは15秒台前半くらいではないでしょうか?
スペックだけでみるとCaymanに軍配が上がりそうですが、そもそも速さとコストパフォーマンスで車選びするなら「シビックType R」の方が賢いような気もします。実用性も高いし、刺激もシビックの方が上でしょう。
でもワタクシはスポーツカーなら、ドリドリ出来る後輪駆動の方が楽しいのです。
Caymanはブランド力もあるけど、税金・オイル・タイヤ代などの維持費が掛かり、結局飾り物になるだけになりそうです。(笑)
それにCaymanには、上に「S」「GTS」「GT4」があり、横に並ばれたら羨ましくなる。
対して86 GRMNならどんな86が来ようと悔しい思いをする事もない。
例えるなら、私学の超有名進学校で最下位争いをするのがいいか、普通レベルの公立学校で常にトップでいる方がいいか。有名進学校の方が世間体は良いですが、親や教師からはもっと勉強しろと言われ、クラスメートからは馬鹿にされる。
動力性能ならパワーウエイトレシオで勝るCaymanに敵わないと思いますが、コーナリング性能ならどうでしょう?
そこでちょっと気になるデータがあります。
某ミニサーキットでのタイムランキングにCayman GT4とチューニングされた86のタイムがのっていました。
GT4はおそらくノーマルで、86は軽量化はしていないけど、タイヤ・サス・デフ・エキマニ・サブコンと、そこそこお金が掛かっている?みたいですが、何と!86の方が若干速いのです。ドライバーはどちらもサーキット経験豊富な上級者です。
と言うことは、86 GRMNがCaymanに勝つ可能性も十分ありえる?、もしかしたらGTSより速かったりして。
そしてタイヤサイズを上げてサスペンションをそれ用にセッティングしたら、走るコースによってはGT4並みのタイムが出るかも。
何せ、86 GRMNは
ニュル24時間参戦のレースカーのロードゴーイングバージョン。
そこらのチューニングショップがやるレベルを超えています。
車重はベースモデルの86 GTの1230kgと同様の1230kgと変わらないものの、ボディのねじり剛性は1.8倍に向上したほか、重心位置が4.5mm低下、走りの質感が大幅に向上しているとのこと。
そのチューニング内容は、
◇ 低重心・軽量化
- カーボン(CFRP)製ボンネット(エアアウトレット・レインプロテクト付き)
- カーボン(CFRP)製ルーフ
- カーボン(CFRP)製トランク
- ハードコーティング樹脂製リヤクォーターウインドゥ・リアウインドウ(曇り防止熱線入り、プライバシー仕様)
- Rays製 鍛造軽量ホイール(前17inch×7.5J、後17inch×8.5J)
◇ ボディ剛性向上
- アンダーフロア前後へのボディーブレース追加
- 減衰機構付リヤパフォーマンスロッド
- トランク開口部への金属パネルによる補強
- トランク内のVブレースタワーバー
- ガラス用高剛性接着剤
- フランジボルト変更
◇ 空力
- カーボン(CFRP)製リアウイング(SMCカーボンステイ)
- カーボン(CFRP)製専用形状トランク
- フロントアンダースポイラー
- バンパーサイドフィン
- 冷却エアアウトレット付エアロフィンサイドガーニッシュ
- エアアウトレット・ディフューザー付リアバンパー
◇ 高出力化
- エンジン内部の低フリクション化(軽量ピストン/低張力ピストンリング/低フリクションクランクベアリング)
- 可変インテークマニホールド
- 抵抗低減エアクリーナーフィルター/可変バルブ付エアクリーナーダクト
- 完全等長エキゾーストマニホールド
- 切替バルブ付マフラー
- 専用エンジンECU
- エンジン冷却ダクト付きカーボン(CFRP)製ボンネットフード(レインプロテクト付)
- 冷却エアアウトレット付フェンダーガーニッシュ
◇ 専用装備
- フロントモノブロック対向6Potキャリパ(GRMNロゴ入り)
- フローティング大径フロントブレーキロータ(アルミ製ディスクベル、ドリルホール)
- リアモノブロック対向4Potキャリパ(GRMNロゴ入り)
- 大径リアブレーキロータ(ドリルホール)
- ブリヂストン ポテンザRE71R、専用スペックタイヤ フロント215/40R17、リア235/40R17
- フロント:専用倒立式ダンパー(車高調整式/減衰力調整式)+高強度軽量コイルスプリング
- リヤ:専用ダンパー(車高調整式/減衰力調整式)+高強度軽量コイルスプリング
- スタビライザー強化
- ピロボール式リヤコントロールアームブッシュ
- 中空ドライブシャフト
- トランスミッションクロスレシオ化、デフ比変更
- 高トルクバイアスレシオトルセン®LSD
- 専用チューニング電動パワーステアリング
◇ インテリア
- GRMNロゴ入り専用メーターパネル&アルカンターラ®表皮メーターフード
- 専用チューニングされたレカロ製シート(イタリア製アルカンターラ®表皮)
- 小径ステアリングホイール(アルカンターラ®表皮)
- イタリア製アルカンターラ®表皮巻きシフトノブ/パーキングブレーキレバーノブ
- アルカンターラ®表皮インストルメントパネル
と、多岐にわたっています。
ベースエンジンに比べ、最高出力はより高い回転数で発生し、最大トルクはより低い回転数で発生するなど、最高出力だけを上げるのではなく、より扱いやすい特性に変更されているのでドリフトもベースモデルよりしやすいでしょう。
カーボン製ボンネット一つを見ても、仕上がりが綺麗だけでなく、衝突安全性、エンジン冷却や雨水や落葉・ゴミの侵入対策まで考えれれています。
また、インテリアに使われている赤色のアルカンターラ®表皮は国産の生地にない色で、トヨタがイタリアから一括輸入し、各サプライヤーに支給することで色の統一を図っているとか。
もっと驚くのは、ベースモデルの86は群馬県にあるスバル(富士重工業)の工場で生産されていますが、この86 GRMNについてはスバルで生産されたホワイトボディやTRDでチューニングされたエンジンを愛知県のトヨタ元町工場に持ち込み、各種パーツの組み込みや塗装を行なっています。
日産たった2台!の車を他のトヨタ車と同じく看板方式で製造するとのこと。富士重工業をはじめ、各サプヤイヤーの協力なしでは実現しなかったプロジェクトです。
手間とお金が掛かっています!
そうなると、選ぶのは
86 GRMNか?
でも、羽の生えた86は、車に興味のない女性から見たら頭の悪い男の車としか見られないので、
モテそうなCaymanの方が賢い選択かな~。
と、貧乏で暇人の妄想はつきませぬ。(笑)