
ル・マン24時間耐久レースを初制覇したトヨタの皆さんおめでとうございます!
ライバル不在で「勝って当たり前」と言われる?なか、何度も悪夢をみてきた当事者のプレッシャーは想像を絶するのもだったと思われます。
実はこのレースの現場で指揮を執っていたエンジニアの方に、以前、八千穂レイクで行われた
氷上の運転教習会でお世話になったことがあるので、その気持ちを考えると今回のレースは特に気になっていました。
レース終了直後、アロンソの横で共に歓喜にひたる映像を見て、嬉しくもあり、羨ましくもありました。
アロンソやスペイン人はホンダを嫌いになっていたかもしれませんが、これで日本や日本人を嫌いにはならずにすんだかも?(笑)
話が変わりますが、この日ワタクシは鈴鹿サーキット交通教育センター(STEC)が開催するHonda Driving School「
中級S660スキッドコントロールコース」に参加していました。
今年度から始まったこのプログラムは、後輪駆動の
S660(CVT)と
VAMOS(AT)を使用し、滑りやすい路面でコントロール技術を学ぶコースで、このプログラムに参加するのは今回で2回目になります。
前回参加したときには、慣れない車とは言え、“踏みすぎ”,“切り遅れ”,“オーバースピード”の素人丸出しの醜態で、原因が分かっていても対処できていない自分の不甲斐なさに落ち込みました。
心の傷が少しばかり癒えたところで、今回再挑戦することにしました。
参加申し込みしたのが、開催日の二日前でしたが、運よくキャンセル待ちもなく参加することができました。
今回は空いているのかな?と思いましたが、当日行ってみると、定員の8名いっぱいでした。
前回は知り合いが1名参加されていましたが、今回の参加者に知り合いはいませんでした。
インストラクターは前回と同じT先生が担当。

スキッドコース
今回のトレーニングも、ブレーキ・スラローム路は使わず、スキッドコースのみでの練習で、8名の参加者が各4台のS660とバノスを交互に乗り換えながら走りました。
ここのスキッドコースは摩擦係数の違う5種類の特殊なタイルを組み合わせた滑りやすい路面で、南西側が低い傾斜地になっています。傾斜があることで、同じ場所でも上りと下りでは難易度が変わってきます。
先週、散水設備のメンテナンスを実施して、前より滑りやすくなっているとのこと。
午前中前半のコースレイアウトは、逆三角形のスキッドコースの西側の入り口から
コースインして、外周の3つの左コーナーを回って、東側の出口で
コースアウトする設定。
後半は出入口を逆にして、その反対の右回りと言う単純なコース設定で、前回と同じ。
簡単そうに見えますが、二つ目の右コーナーは下りながら進入することになるので、オーバースピードになりやすく、慣れないと難しいです。バモスはABSさえも装備されておらず、ブレーキロックしやすいので尚更です。
前回の走行を反省しつつ練習。
特にバモスはステアリングホイールの外径が大きく、ロックトゥロック(ステアリングギヤ比)も大きいので、切り遅れないよう注意。
お昼食は国際レーシングコース パドックエリア センターハウス内「SUZUKA-ZE」へ。
食後はピット裏を見学。
『2018鈴鹿クラブマンレース Round3』が開催されており、S-FJやN-ONE,Vitz Raceなどが行われていました。
午後・前半は、西側の入り口から
コースインして、→直線を下って→(南側の定常円)左コーナーを約240°旋回→(中央の定常円)右コーナーを約240°旋回→(東側の定常円)左コーナーを約200°旋回→
コースアウトと言ういつものパターン。
後半は、前回の時は同じコースを出入口を逆にして反対回りするだけのコース設定でしたが、今回は東側の入り口から
コースインして、→下りながらの右コーナー→短い直線から南側の定常円の手前に置かれたパイロンを右180°ターンして、中央の定常円に進入→(中央定常円)左コーナーを約270°旋回したところで→右180°ターンして→西側の短い直線を上って→(西側の定常円)右コーナー→
コースアウト。
S660とバモスは横置き3気筒エンジンをリアアクスルの手前に搭載している後輪駆動でオープンデフの軽自動車ということでは共通していますが、
- S660は過給機付きのDOHCエンジンに対し、バモスはNAのSOHCで、最大トルクは1.7倍以上も違います。
- S660は車高の低い2シーターなのに対し、バモスは車高が1,755㎜もある4人乗りのワンボックスで車重も150㎏近く重い。
- S660はマクファーソンストラット式の4輪独立サスペンションに対し、バモスのリアサスペンションは ド・ディオン式でしかも板バネ。
- S660は4輪ディスクブレーキに対し、バモスのリアブレーキはドラム式。
- S660のタイヤは前輪:165/55R15,後輪:195/45R16のハイグリップタイヤ(YOKOHAMA ADVAN NEOVA® AD08R)に対し、バモスのタイヤは155/70R13サイズのローグリップタイヤ。
- S660はVSA(ABS + TCS + 横すべり抑制)やハンドリング支援システム「アジャイルハンドリングアシスト」と言う電子制御付きですが、バモスにはABSさえ装備されていません。
- S660はフットレスト付きでペダル配置も適切。ステアリングの外径も小さくワタクシにとっては理想的に近いドライビングポジションをとれるのに対し、バモスは
ステアリングの外径が大きく且つ寝ているため、背もたれを目一杯まで起こしていても、手足の短いワタクシがステアリングの一番上まで切っていくと背もたれから肩が離れてしまう。
ならば、シート位置で調整しようとすると、ペダルレイアウトが大きく内側にオフセットされているので、短足のワタクシでもブレーキ操作がし難くなります。
また、ATなのにブレーキペダルがMT用と同じ?で小さいので、左足ブレーキにも適さない。
フットレストがないので、姿勢が安定しないなど、ドライビングポジションに関しては大きな不満。
と言った具合で、スペック的には大きな違いがあります。
前回、この両車をここで走り比べてみて、バモスはパワー不足で、S660はハイグリップタイヤと電子制御のせいで、どちらも走り難く、車に慣れていないせいもあって、ここで車を振り回して遊ぶなら、カプチーノやアイの方が面白いと感じました。
(勿論、純粋に速さを比べれば、S660の方が速いのは間違いないでしょうが。)
しかしながら、今回は散水設備のメンテナンスを実施したことで、車の印象も少し変わりました。
路面μが変わったことで、バモスでもパワー不足を感じなくなりました。
バモスにはお節介な電子制御がないので、S660より振り回しやすいと感じました。
アイと同じ く、バモスのド・ディオン式リアサスペンションは対地キャンバー変化が少ないので、ここの場面ではS660のマクファーソンストラット式よりデメリットは少ないです。
S660は「VSA off スイッチ」を押して電子制御を解除しようとしても、減速方向には切れても加速方向には解除できないらしく?、お節介な電子制御が邪魔。サイドブレーキなどできっかけを作って、スライドさせることはできますが、そこからアクセルを踏んでドリフトアングルを調整することが難しいのです。
(S660は86/BRZのように、裏コマンドの「整備モード」を使って、一時的にVSAを完全解除する方法もありますが、LSDがないのでバモスと変わらない。)
86/BRZは、「VSA off スイッチ」を長押しすると、ブレーキ式電子制御疑似LSD機能を残して、トラクションコントロールと横滑り防止機能をキャンセルできますが、S660にそのような機能はありません。
年次改良でLSD装備してくれるか、86/BRZのように、ブレーキ式電子制御疑似LSD機能を残して、VSAをキャンセルできるようになるとS660の魅力も上がるのにと残念に思います。
今回参加して、前よりはマシな運転ができるようになりましたが、直線区間での振り返しの距離調整ができていないので、また参加して、オープンデフの後輪駆動車を何とか乗りこなせるようにしたいと思います。