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2018年07月14日

ブレーキは残さない

ブレーキは残さない 今回のブログタイトルを見て、「何のこっちゃ?」と思った人は 車に興味があっても運転技術には興味がない人と思われる人で、「コーナー進入(ターン・イン)のことを言っているのだな」と思った人は 仕事で業績を上げることよりサーキットでのラップタイムを上げることの方に興味がある道楽者かと推測されます。(笑)
更に「谷口信輝選手のドラテクのことだろ?」と思った人はかなり重症の道楽者で、ご家族の皆様におかれましてはお気の毒様と申し上げることしか言葉が浮かびません。(涙)

かなり重症の道楽者様のご想像の通り、今回は谷口選手のドラテクについてのネタです。

以前は毎号欠かさず購入していましたが、最近はすっかり買わなくなってしまった「REVSPEED」でしたが、久しぶりに7月号と8月号を買いました。そして更に税抜き1,500円もする「谷口信輝 ドライビングノート」を買いました。(広告を載せておきながらこの価格は高い!と思う。でも、かなり重症の道楽者であるワタクシは買いました。笑)
ドリフトも出来て、グリップ走行でも速い谷口選手はワタクシにとって気になるドライバーなのです。


ドライビングスクールに行ったり、運転に関する技術書を読むと、サーキットを速く走るためには、コーナー進入でフルブレーキングで車速を落とした後は、ブレーキを一気に離さず、ブレーキを残せ!とかブレーキを引きずるようにせよ!と言われることがあります。(これを英国式には「Trail Braking」と言います。)

そして、タイヤの縦方向と横方向のグリップの和が100%になるようにブレーキをクリッピング付近まで残しながら減速と旋回を同時に行う(操舵角に比例して縦方向に使っていたグリップを減らして横方向に移行していく)というのが一般的ですよね?。

ところが、谷口選手は「ブレーキを残さない」と言うのですから、ワタクシ的には以前から興味津々でした。

「ブレーキを残さない」と言うのはけして新しいドライビングテクニックではありません。
むしろ、欧州式では当り前の伝統的かつ基本的な技法で、ワタクシは2004年に発売された「AUTO SPORT」の中に掲載されていたシルバーストーンレーシングスクール校長のKen Bowes氏が寄稿した記事「英国流ドライビング理論のススメ」を読んで初めて知りました。
(欧州式ドライビングと日本式との違いは、以前投稿したブログ記事「英国(欧州)式運転術 」「続・英国(欧州)式運転術 」をご覧ください。)

しかしながら、谷口選手流の「ブレーキを残さない」と言うのは欧州式の「ブレーキを残さない」と言うのとは違うようです。

谷口流では、減速と旋回を同時に行う区間をできるだけ減らすために、速やかに曲がれる車速まで落とし一般的な日本式より手前でブレーキをリリース(ここまでは欧州式と同じ考え)。そこからブレーキもアクセルも踏まない時間を作ってハンドルを切り増していくと言うことのようです。

コーナー進入でブレーキペダルを踏んでいるとフロント外側のタイヤに負荷が集中します。そのフロント外側のタイヤに集中していた仕事量をリアタイヤにも負担してもらい、トータルグリップで限界点を上げるのが目的と言うのは欧州式と同じだと思うのですが、谷口流の「ブレーキもアクセルも踏まない」と言うのはエンジンブレーキを使うことになるので、ブレーキをリリースしただけでは縦グリップはゼロにならず、横グリップを100%使うことはできません。 その横方向のグリップをフルに使うためにバランススロットルというスロットル(アクセル)ワークが加わるという点が欧州式コーナリングの特徴なので、谷口流は欧州式と言うより、欧州式寄りの日本式と言った感じなのではないでしょうか?

バランススロットルを用いて旋回するドライビングスタイルは、ニュルブルクリンクのようなアップダウンなどのバラエティに富んだレイアウトと、バンピーで一定しない路面コンディションで戦うヨーロッパで生まれた欧州式ドライビングスタイルです。
クリッピングポイント付近までブレーキングをしながら、同時に旋回する和式スタイルは、日本のサーキットように路面ミューが高く、高性能タイヤを使用する環境に合わせて独自に熟成されたスタイルで、車もそれを前提にセットアップされています。

日本で経験を積んだ実績のある日本人ドライバーがヨーロッパのレースに挑戦した時に「車がオーバーステア過ぎて、乗りづらかった!」とのコメントがよく聞かれます。
また逆に、ジェンソン・バトンのような超一流のドライバーが日本のスーパーGTのレースで全く同じ車に乗るチームメイトに圧倒的な速さを見せているかと言えばそうでもないように、日本式ドライビングスタイルとマシンセットアップは世界的に見れば特殊なのかもしれません。


谷口流の「ブレーキを残さない」ドライビングスタイルはドリフトで鍛えた優れたマシンコントロールが生み出した日本のレースで戦うための究極のドライビングスタイルかもしれませんね。









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Posted at 2018/07/14 15:21:03

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