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@GT86iのブログ一覧

2021年04月07日 イイね!

ゼットの人びと

ゼットの人びと86/BRZオーナーにとって気になる新型86/BRZですが、新型BRZは昨年11月に米国仕様車を公開していましたが、86の新型であるGR86がやっと正式に公開されましたね。
(個人的な好みで言えば、デザインは新型BRZの方が若干いいかなと思いました。)
発売はBRZが今年の夏頃になるのに対し、GR86はモリゾー社長から“物言い”がついたため秋頃になるようですけど。

電動化が進むなか、世界的に見ても、純粋な内燃機関を動力とするクルマで、しかも自然吸気エンジンを搭載する新型のスポーツカーとしては最後のクルマになるかもしれませんね。
こんなご時世にこのようなクルマを発売してくれるトヨタとスバルに拍手をおくりたいです。👍👏

さて、今回のブログ記事タイトルの「ゼットの人びと」とは、講談社から発行されている週刊誌『週刊現代』に昨年11月から連載されているノンフィクション作家・清武英利氏著書『ゼットの人びと トヨタ「特命エンジニア」の肖像』のことなのですが、“第11回「ミスター・ロードスター」の教え”の記事のなかで、
スポーツカー開発の特命を言い渡された多田哲哉氏が、「ハチロク」の系譜を引くクルマの開発に乗り出したが行き詰まり、マツダでスポーツカー開発を続ける技術者・貴島孝雄氏に教えを乞うためにライバルメーカーでもある広島にあるマツダ本社まで出向いたという有名な?話があります。
そこで貴島氏が多田氏に助言した言葉は、
“「スポーツカーの開発は一度始めたら絶対にやめちゃいけませんよ。会社の業績によって作ったりやめたりなんて、やっちゃあいかん。不景気になったら真っ先に切られるのは赤字の車だ。スポーツカーを赤字で売ってたら、真っ先にやめてしまうことになる。現にトヨタはそうだったんじゃないですか。業績が悪かったり、世の中の景気が悪るかったりするときは当然ある。そこでいかに努力して継続するかだ。
今はあなたのところでも、豊田章男さんというスポーツカー好きがいるらしいから、1年ぐらいなら赤字でも作れるかもしれない。だけど絶対に続かない。また何か波が来たらやめることになる。それは一番あなたのところのスポーツカーファンを裏切ることだよ

 海外には、スポーツカーの生産をやめないメーカーがある。もちろん規模は縮小したりするが、ポルシェやフェラーリは、どんな不景気なときもずっと続けているからブランドとして光り輝いている。
――それに対し、うちは調子の良いときはスポーツカーをバンバン作って、景気が悪くなったらやめる、ということをずっと繰り返している。
多田は甘さを突かれたような気がして、何も言えなかった。ぐうの音も出なかったのだ。貴島はもっと丁寧に言ったはずだが、多田の心はこんな言葉として残っている。「そういう覚悟がない奴がスポーツカーを作るなんて、ちゃんちゃらおかしい。それなら、最初からやめてしまえ」”

そんな覚悟もあって、二代目の86/BRZ発売が実現したんでしょうね。

継続は力なり
この「ゼットの人びと」の記事を三菱自動車とホンダの社長さんにも読んでもらいたい。😅

Posted at 2021/04/07 16:40:37 | コメント(2) | トラックバック(0) | Others | クルマ
2021年01月16日 イイね!

祝、八連覇!





2021年1月3日から15日(現地時間)に中東のサウジアラビア1国開催として争われた第43回ダカールラリーは、Xレイド・ミニ・JCWチームのステファン・ペテランセル(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)がダカール総合優勝🏆を手にしました。🎉ペテランセルの優勝は4輪では4年ぶり8回目、2輪も含めると14度目の栄冠とのこと。
一昨年トヨタにダカール初制覇の栄光をもたらした「TOYOTA GAZOO Racing South Africa」から参戦したナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)が2大会連続で総合2位に。今大会6回目のSS最速を記録しましたが、16本のパンクが命取りになったようです。
総合3位表彰台はサインツが獲得しました。






TLC Team Land Cruiser Toyota Auto Body
ワタクシがこの大会で注目していたのは、プロダクション(市販車)部門で参戦していた『TLC Team Land Cruiser Toyota Auto Body』です。
TLCは2017年4月からチーム代表が変わり、ワタクシが保育園からの幼なじみで今も付き合いがあるK君が代表に就任。
チームは前身のアラコ時代を含めて3度の6連覇を記録していましたが、 TLCにとって今大会はTLCチーム史上初の8連覇の偉業がかかっていてチーム代表の責任は重大なのでした。😄

そして、四輪市販車部門を争うトヨタ車体のチーム・ランドクルーザー・トヨタオートボデーの結果は、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組340号車が総合38位で、ロナルド・バソ/ポラト組345号車が総合40位フィニッシュ。
クラスではワン・ツーフィニッシュとなり、
市販車部門 8連覇 🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆を達成しました!。🎉👏






トラック部門を戦う日野チーム・スガワラは、菅原照仁/染宮弘和/望月裕司の3名が乗り込んだ508号車が部門総合12位を獲得し、排気量10ℓ未満クラスで12連覇を達成しました。


二輪部門では「Honda CRF450 RALLY」に乗る「Monster Energy Honda Team」のケビン・ベナビデス(Kevin Benavides)選手が自身初の部門制覇を成し遂げました。 また総合2位には昨年優勝のリッキー・ブラベック(Ricky Brabec)選手が入り、ホンダはダカールラリー2021で、1987年以来の1-2フィニッシュを飾るとともに、2年連続のダカールラリーの二輪車部門における総合優勝となりました。


関連情報ホームページURL:
Site officiel du rallye raid Dakar (ex Paris Dakar).
Team Land Cruiser TOYOTA AUTO BODY OFFICIAL WEBSITE
ダカールラリー | 日野自動車
ダカールラリー(DAKAR Rally) | Honda





Posted at 2021/01/16 15:18:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | Others | クルマ
2021年01月02日 イイね!

ダカールラリー 2021

ダカールラリー 2021いよいよ1月3日(日)から『ダカールラリー 2021』大会がスタートします。


三菱アイを買うまで車高の低い2ドアの車しか買った事のないワタクシは WRCには多少興味がありましたが、SUVやクロスカントリーラリーに全く興味がないため、ダカールラリーの名前は知ってましたが、どんな競技なのかよく知りませんでした。
2017年4月、ワタクシが保育園から中学まで一緒で、今でも付き合いがあるご近所のK君が『TLC Team Land Cruiser Toyota Auto Body』のチーム代表に就任したので、陰ながら応援しようと思い、注目しています。

皆様、ダカールラリーって知ってますか? ダカールラリーについてご説明しますと、
ダカールラリーとは、フランス人冒険家ティエリー・サビーヌの発案により壮大なサハラ砂漠への挑戦として1979年から開催されたラリーで、「世界一過酷なモータースポーツ競技」と言われ、クロスカントリーラリーの最高峰とも言われています。
元々はフランスの首都パリをスタートして、セネガルの首都ダカールをゴール🏁とする主にアフリカ大陸で競技が行われ、パリ-ダカール・ラリー(Paris-Dakar Rally、日本での略称「パリダカ」)と呼ばれていましたが、アフリカの通過国の政情が軒並み悪化しコースはさまざまな変遷を経て、2008年の大会中止をはさんで2009年から2019年まではその舞台を南米大陸に移して行なわれていました。
そして、2020年は舞台を新天地の中東へ移動し、サウジアラビア1国での開催となりました。
サウジアラビアでの初開催となった2020年の第42回大会はトヨタからフェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)が参戦したことでも話題を集めるなか、ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギーを操ったカルロス・サインツがキャリア通算3度目のダカール総合優勝を飾りました。


43回目を迎える2021年のダカールラリーも中東サウジアラビアがラリーの舞台となり、1月3〜15日の日程で開催され、サウジアラビア第2の都市ジッダ(Jeddah)がスタート/フィニッシュ🏁地点となりますが、ルートは砂漠地帯と紅海(Red Sea)沿いを走るほぼ全く新しいものとなっています。


ダカールラリー2021 コース地図
ルートは全体で7,646kmで、ステージは全部で12、2つのルーピングステージ(スタート、ゴールが同じ地点)が設けられ、SS区間は4,767kmとなります。
2021年のコースはSS区間が完全に新しくなり、SS区間自体の長さは短縮され、高速セクションが減りました。代わりにドライビングテクニック、ナビゲーションスキルが必要とされるといいます。マラソンステージでは限られたリソースを使って最後まで走り切る力が求められます。
ダカールラリーには様々な車両が参戦していますが、2輪🏍、4輪🚙、カミオン(トラック)🚚などの部門に分けられます。4輪は車両に改造があるかないかで、市販車部門と改造車部門に分けられ、さらにディーゼルクラスとガソリンクラスに分けられます。
2輪、4輪、カミオン(トラック)合わせて、毎年500台以上が参戦し、完走率は30~50%となっています。(昨年は参加台数342台中、226台が完走し完走率は66.1%でした)
コロナに世界が苦しめられている状況でありますが、合計で321台の車両がエントリー。バイクは108台、クアッド21台、車は124台、トラック42台となり、新たに設けられたダカール・クラシックカテゴリー(2000年以前に製造された車、バイク)に26台がエントリーしています。




2019年大会でトヨタ車初の総合優勝を果たしたワークスチーム『TOYOTA GAZOO Racing South Africa』は、ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組、ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ組、ベルンハルト・テン・ブリンク/トム・コルソール組、そして新たにヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組とシャミア・ヴァリアワ/デニス・マーフィ組の4台体制で参戦します。
4組のクルーが乗り込むトヨタ・ハイラックスは、ラリーレイド専用に南アフリカで開発されました。このモデルは2018年にフルモデルチェンジし、ダカールラリーにデビュー。この現行ハイラックスはデビューした2018年のダカールラリーで総合2位、3位に入り、そして2019年には総合優勝を果たし、2020年も2位の好成績を残しています。
ラリーレイド仕様のハイラックスは、4輪独立サスペンションを備えた4輪駆動車で、5リッター自然吸気V8エンジンをフロントミッドシップに搭載しています。


ワタクシが注目している TLCが参戦するのは補強と予備燃料タンク以外はほとんど市販車と同じ条件のプロダクション(市販車)部門クラス。
チーム監督に角谷監督(トヨタ車体広報室)、ゼッケン№340号車に三浦(トヨタ車体広報室)/リシトロイシター組、ゼッケン№345号車に今回新加入となるロナルド・バソ/ジャン・ミッシェル・ポラト組を起用します。メカニック陣には、長年チームのメカニックを率いてきたフィリップ・シャロワをチーフに2名の日本人メカニックが参加、福岡トヨタ自動車㈱より派遣の3年目となるメカニックの岩浅メカニックに加え、2年目となる中武メカニックを迎えた、フランス人および日本人スタッフ11名を加えた総勢19名の体制で市販車部門 8連覇 に臨みます。




「ダカールラリーなんて興味ねーよ!」と思う方も多いとは思いますが、このレースにはトヨタ車体をはじめ、日野自動車がカミオン部門で、ホンダが2輪部門で参戦します。


日本車絡みのニュースとしては、2020年大会をカルロス・サインツ、MINI JCWバギーとともに大会を制したX-raidが新規プロジェクトとして、ヤマハとの協業で新造するプロトタイプバギー(YAMAHA YXZ1000R™Side-by-Sideをベースに開発)で、SSVシリーズのT4クラスへもエントリーするとのことで、ドライバーはDTMドイツ・ツーリングカー選手権で2度のタイトルを獲得し、2016年のWorldRX世界ラリークロス選手権王者にも輝くマティアス・エクストローム。これも気になります。

2021年シーズンで「フォーミュラE」から撤退したアウディファクトリーチームは、2022年のダカールラリーに電動パワートレーンを採用するSUV車両で初参戦すると発表しました。

「世界一過酷なモータースポーツ競技」で結果を出すことは、高性能・高品質を示すことにもつながり、ブランドイメージを上げます。

頑張れ、日本!

皆様、応援宜しくお願い致します。





関連情報ホームページURL:
Site officiel du rallye raid Dakar (ex Paris Dakar).
Team Land Cruiser TOYOTA AUTO BODY OFFICIAL WEBSITE
ダカールラリー | 日野自動車
ダカールラリー(DAKAR Rally) | Honda
スポーツ専門放送局J SPORTSがお送りするダカール・ラリーのサイト。


Posted at 2021/01/02 13:00:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | Others | クルマ
2021年01月01日 イイね!

謹賀新年 2021

謹賀新年
2021

フォロワーになってくださっている皆様
通りすがりの皆様
🌄あけましておめでとうございます 🎉👏



昨年は暖冬で始まり、
その後は世界中がコロナ禍一色で染まり、😲
未だに出口が見えない状況ではありますが、
天然痘・コレラ・スペイン風邪など、
過去の歴史をみてもわかるように、
良いことも悪いことも長くは続きません。
今年も我慢が強いられる年となるかもしれませんが、
頑張ってこの苦難を乗り切りましょう。



今年もネタがなく、ブログ更新が少ないかもしれませんが、
今後も細く永く続けたいとおもいますので、
何卒、よろしくお願いします。
m(_ _)m
八千穂レイク氷上走行会での一コマ

BGM: My Favorite Things
- Julie Andrews

Posted at 2021/01/01 11:40:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | Others | 日記
2020年05月22日 イイね!

4A-GEU vs ZC vs RA168E

4A-GEU vs ZC vs RA168E先々回、先回とマニアックな?エンジン・ネタが続きましたが、ワタクシがエンジンのメカニズムに興味を持った切っ掛けの話をしたいと思います。


ワタクシが学生時代だった頃、車好きの青年にとって、TOYOTA 2000GTやソアラ2800GT,日産 スカイラインGT-Rやフェアレディ Z432,いすゞ 117クーペやジェミニ ZZなど、スポーツカーの象徴だった動弁機構がDOHC(Double OverHead Camshaft)構造のエンジンを搭載した車は憧れでもありました。
そんな憧れもあって、ワタクシが社会人になってから買った最初の車はカローラレビンGT APEX(AE86)でした。 この車が搭載していた1気筒あたり4バルブのDOHCの吸排気弁機構をもつエンジンが4A-GEUです。

4バルブエンジンは2バルブに比べ、動弁系の慣性質量を増大させることなく、バルブの有効開口面積を大きくして流入空気量を増やすことができ、点火プラグを燃焼室の天井中央部に配置できるので、燃焼効率がよいなどのメリットがあるといわれてます。
今でこそ、軽自動車からミニバンに至るまで4バルブのDOHCヘッドとなり、ありがたみがないですが、当時はレーシングカーのみが採用するような高性能なメカニズムで、国産車では過去にスカイラインGT-RとフェアレディZ432に搭載されていたS20型2ℓ直6エンジンのみが採用。当時生産中のエンジンでは、新しくスカイライン2000RSに搭載されたFJ20E型エンジンが採用しているだけでした。

FJ20E型を含めて、それまでのDOHCエンジンはカムシャフト駆動にタイミングチェーン(ローラーチェーン)⛓を使ってましたが、4A-GEUはコスト・騒音・重量・潤滑・タイミング精度に有利といわれていたタイミングベルト(コグドベルト)を使っていた点が目新しいところでもありました。(1981年発売の初代ソアラに搭載された直6・2バルブDOHCの5M-GEU型エンジンもタイミングベルトでした。)
タイミングベルトは1970年代から2000年頃まで、カムシャフト駆動の中心的役割を担っていましたが、タイミングチェーンの改良などにより、耐久性やエンジン全長のスリム化に有利なタイミングチェーンが見直され、今ではタイミングベルト式は殆んど採用されなくなりました。


実際にAE86レビンを所有しての感想は、それまで乗っていたセリカLB 2000STが搭載する18R-U型エンジンと比べると、排気量が小さいので低速トルクはないものの、高回転まで一気に回るシャープな吹き上がりとレスポンスは段違いでした。👍
しかしながら、当時のワタクシはドリフトすることもなく、高回転まで回すことが殆んどなかったので、高回転高出力のDOHCエンジンに乗ることは見栄と自己満足以外に価値がなかったのですが。😅


その翌年の1984年、ホンダから対抗馬として登場したのが、通称「ワンダーシビック(AT型)」や「バラードCR-X(AS型)」の si グレードに搭載されたZC型エンジンです。


ZC型エンジン
排気量が1.6ℓで、タイミングベルトで2本のカムシャフトを駆動する1気筒あたり4バルブのDOHCの吸排気弁機構をもつことも4A-GEUと同じです。
4A-GEUがグロス値(現在使われているネット値の場合は、エンジンを車両搭載状態とほぼ同条件で測定した数値で、グロス値はエンジン単体で測定される為、ネット値より高い数値になります。)で最高出力:130ps/6,600rpm,最大トルク:15.2㎏m/5,200rpmだったのに対し、ZCは135ps/6,500rpm,15.5㎏m/5,000rpm❗。
3年後、通称「グランドシビック(EF3)」の si グレードに搭載されたZCでは、ネット値で130ps/6,800rpm,14.7㎏m/5,700rpmにパワーアップ。ちなみに、4A-GEUはネット値で120ps/6,600rpm,14.5㎏m/5,200rpm。
後出しジャンケンなので、ZCの方が高出力なのは当然として、驚いたのはそのメカニズムでした。

それまでのDOHCエンジンといえば、高回転高出力とするために、カムがバルブリフター(タペット)を直接駆動する方式で、シリンダーはビッグボア・ショートストローク若しくはスクェア(ボアとストロークが同じ)のエンジンであることが常識でした。

一般論としてビッグボア・ショートストロークのメリットとしては、
  • バルブ面積を大きく取れるので、たくさんの空気を取り入れて、スムーズに排出させることが可能になる。
  • ◾長い距離をピストンが往復しなくてすむのでピストン速度が低く、したがって機械損失が小さい。
よって、高回転高出力にしやすい。

反対にデメリットとしては、
  • ◾点火プラグから燃焼室の端までの火炎伝播距離が長いため、燃焼が完了するまでの時間が長く、良い燃焼状態を得にくい。
  • ◾燃焼室の表面積が大きくなるため、冷却損失も大きくなる。
  • ◾ノッキングを起こしやすく、したがって圧縮比を高くしにくい。
    • といった傾向があるといわれてます。

      (余談ですが、86/BRZの「FA20」型エンジンが、ベースとなったスバルのボア×ストロークがφ84.0×90.0㎜の「FB20」型からφ86.0×86.0㎜のボア×ストロークに変更された理由は、リッター100馬力を達成するためには、バルブ面積の拡大と高回転化するのに必要だったということらしいです。)

      カローラレビン GT
      (AE86)
      シビックSi
      (EF3)
      カローラフィールダー
      (NRE161G)
      エンジン型式4A-GEUZC2NR-FKE
      エンジン種類直列4気筒 DOHC直列4気筒 DOHC 直列4気筒 DOHC
      カムシャフト駆動方式コグドベルトコグドベルトチェーン
      バルブ駆動方式直打式ロッカーアームローラーロッカーアーム
      バルブ径 吸気/排気30.5㎜/25.5㎜30㎜/27㎜
      バルブリフト量 吸気/排気7.56㎜/7.56㎜10.3㎜9.0㎜
      バルブ挟み角50°
      VVT / VVL ✖ / ✖ ✖ / ✖In-Ex / ✖
      総排気量(㏄)1,5871,5901,496
      内径×行程(㎜)81.0×77.075.0×90.072.5×90.6
      ストローク/ボア比0.951.201.25
      圧縮比9.4:19.5:113.5:1
      燃料噴射方式ポート噴射ポート噴射ポート噴射
      最高出力(PS/rpm)120/6,600rpm130/6,800rpm109 /6,000rpm
      最大トルク(㎏・m/rpm)14.5/5,200rpm14.7/5,700rpm13.9 /4,400rpm
      シリンダーブロック鋳鉄製
      クローズドデッキ
       
      アルミ合金製
      オープンデッキ
      鋳鉄製シリンダーライナー
      アルミ合金製
      オープン゙デッキ
       
      ボアピッチ87.5㎜?㎜
      平均ピストンスピード(最高出力時)16.9m/秒20.40m/秒18.12m/秒
      平均ピストンスピート(レブリミット)19.76m/秒(7,700rpm)21.00m/秒(7,000rpm)m/秒(rpm)
      エンジン重量123㎏102㎏
      発売日1983年5月1987年9月2015年3月

      ところが、ZC型エンジンはボア・ストローク比が1.2と極端なロングストロークでした。
      4A-GEUは、1.5ℓSOHCの3A-U型エンジン(ボア・ストローク:φ77.5×77.0㎜)のボアだけ3.5㎜拡大して1.6ℓ化できたのに対し、このエンジンのベースは、元々ロングストロークだったシビック/バラード用の1.5ℓSOHCのEW型エンジン(ボア・ストローク:φ74.0×86.5㎜)で、これを1.6ℓにするためにボアで1㎜、ストロークで3.5㎜拡大しています。 EW型をベースとしたのは、新規でゼロからエンジンを開発するには時間とコストが掛かるので、軽量・コンパクトなEW型を元に1.6ℓ化、ボアピッチに余裕がないためにストロークアップせざるを得なかったのが実情?のようです。
      2.8ℓSOHCのL28E型を搭載する日産フェアレディZ280Z(S130)に対抗するため?に、2.0ℓ(ボア・ストローク:φ75.0×75.0㎜)のM型エンジンを2.8ℓDOHCにした初代ソアラの5M-GEU型もボア・ストローク:φ83.0×85.0㎜と、ボアφ83㎜で限界だったのか若干ロングストロークでした。

      ストローク90㎜のエンジンをレッドゾーンの7,000回転まで回すと、平均ピストンスピードは秒速21mに達することになります。当時はレシプロエンジンのピストンスピード限界は20m/秒だと言われており、これには驚きました。
      1988年のF1世界選手権で16戦中15勝したMcLaren Honda MP4/4に搭載されたRA168E型エンジンでさえ、レブリミット12,800rpmでの平均ピストンスピードは21.67m/秒だった事実を考えると驚異的です。

      【1988年ホンダ F1 V6 1.5ℓターボエンジン】
      McLaren Honda MP4/4
      エンジン型式RA168E
      エンジン種類80°V型6気筒 DOHC
      過給機セラミックタービン翼車 ボールベアリングターボ
      過給圧(レギュレーションで規定)2.5Bar
      バルブ駆動方式ロッカーアーム
      バルブ挟み角32°
      総排気量(㏄)1,494
      内径×行程(㎜)79.0×50.8
      ストローク/ボア比0.643
      圧縮比9.4 : 1
      最高出力685PS/12,500rpm
      平均ピストンスピート(最高出力時)21.17m/秒
      許容回転数12,800rpm
      シリンダーブロックダクタイル鋳鉄製
      重量146㎏
      燃料タンク(レギュレーションで規定)150ℓ
      1985年までのホンダ・ターボF1エンジンは、F2用の2ℓ・V6エンジンをベースにしてボアをそのまま流用し、ストロークだけ短縮して1.5ℓに仕立て直したものだったので、ボア・ストローク比でいうと極端なオーバースクェア(φ90.0×39.0㎜)になっていました。
      1984年からレース中に使える燃料の量が段階的に制限されるようになり、出力だけでなく、燃費性能の改善も重要になるようになりました。 高い熱効率を得るためには、コンパクトな燃焼室が得られる諸元選定を行う必要があります。
      この仕様に対し、’85年シーズンの途中からボアを少し縮小した(φ82.0×47.2㎜)エンジンが投入されており、翌’86年シーズンのRA166Eからはさらにボアを縮小したタイプになり、結局このボアストロークがターボ時代の最後(1988年)まで使わられたそうです。
      RA168Eはボア・ストローク比0.643であり、それでも通常のレース用エンジンと比較すると、やや長いストロークだったらしいです。

      1985年のRA165E型エンジンは許容回転数が11,000rpmだったらしいので、平均ピストンスピードは17.31m/秒でしたが、1.5ℓV6ターボ最後の’88年には12,800rpmまで伸び21.67m/秒になっていました。
      2008年の2.4ℓ V型8気筒でレブリミット19,000rpm時代のホンダF1エンジンRA808E型(φ97.0×40.52㎜)の平均ピストンスピードは25.66m/秒になっていましたが、それより20年以上前に、JTC(全日本ツーリングカー選手権)グループAに参戦していたMOTUL 無限 CIVICのZC型エンジンは180ps/7,500rpmでレッドゾーンは8,500rpmからといいますから、平均ピストンスピードは25.50m/秒以上となり、凄い❗といか言えないです。😱


      最近のエンジンのトレンドをみると、ロングストロークのエンジンが多くなったような気がします。昔はZC型や5M-GEU型のようにベースエンジンから排気量アップするためにロングストロークになったケースや、エンジン全長を抑えるためにロングストロークに設計したと思いますが、最近では年々厳しくなる燃費や環境性能規制に対応するために敢えてロングストロークに設計しているように思われます。
      ホンダの軽自動車に搭載されているS07型エンジンやスズキの軽自動車に搭載されているR06型エンジンは、興味深いことに、元々ロングストロークだったのを更にストロークアップさせています。これは明らかに小型化や排気量アップのためでなく、燃焼効率を改善させるためですね。
      こうした傾向は大衆車だけでなく、最近のBMW,メルセデス,アウディなどのモジュラーエンジン(エンジンのもっとも基本となる諸元を共通化し、3,4,5,6,8,10気筒エンジンを容易に実現するようにしたシリーズ的なエンジン。)もロングストロークが多いですし、BMW M4,AMG A45やLamborghini Huracánのようなハイパフォーマンス・カーやスープラやGR ヤリスもロングストロークですね。



      ZC型エンジンがDOHCなのに超ロングストロークであることに驚きましたが、DOHCなのにバルブ駆動方式が直打式ではなく、ロッカーアーム式というのにも驚きました。それまでの一般常識としては、ロッカーアームはアームの剛性不足によるたわみや、その慣性質量により、高回転域でのカムへの追従性が悪くなると言われていて、直打式の方が、高回転高出力に向いていると言われてました。

      ZC型エンジンはショートボアなのでバルブ面積拡大に限りがあり、ハイリフト化で有効開口面積を稼ごうと考えたのか?、内側支点のロッカーアーム(中間に支点がくるシーソー式と区別するためなのか、ホンダはスイングアームと呼んでました)のレバー比を利用してハイリフトを実現させました。 これは、カムシャフトをバルブの内側に配置し、ピボットを支点にしたロッカーアームがバルブを作動させるもので、市販乗用車で世界初の4バルブ内側支点スイングアーム方式のシリンダーヘッドということでした。
      これもホンダのF1エンジン技術を応用したと聞き、興味を持ちました。
      (図面を見ると、ホンダのF1エンジンRA168Eはピボットを支点にしたスイングアーム方式ではなく、ロッカーシャフトを支点としているようです。ピボットを支点にしたスイングアーム方式のDOHCシリンダーヘッドを最初に市販乗用車に採用したのは初代ソアラの5M-GEU型エンジンだったみたいです。この衝撃の事実を知った時、ホンダの嘘つき!と思ったのですが、5M-GEUは2バルブなので、4バルブDOHCではZC型が最初ということになり、嘘ではなかったようですが。)


      小型軽量なアルミ合金製シリンダーブロック・等長インテークマニホールドや4-2-1-2のエキゾーストシステムの採用・カム形状に沿って内部を肉抜きした、異形中空カムシャフトなどの技術を投入している点も4A-GEUとの違いでした。


      そして何より驚いたのは、このエンジンはトップギア5速のまま、時速30㎞からでも普通に加速出来るほどの柔軟性を持ち合わせているということでした。
      それでいて、高回転まで回せば4A-GEUよりパワフルというのですから、4A-GEU乗りとしては心中穏やかではありませんでした。😢


      HONDA PRELUDE 2.0si 4WS (BA5)
      結局、AE86レビンは5年乗って買い替えましたが、次の車は、ZC型エンジンの流れをくんだ直列4気筒ロングストロークDOHCスイングアーム駆動16バルブ・アルミ製シリンダーブロックのB20A型エンジンを搭載したホンダプレリュード2.0si 4WSになりました。😄
      B20A型はアルミ合金製シリンダーブロックなのに、クローズドデッキ構造だった点でも進化してました。


      今あらためてZC型エンジンのスペックを見てみると、タイミングベルト駆動だったり、ローラーロッカーアームでなく、スリッパー式ロッカーアームであること、可変バルブタイミング機構がないこと、ダイレクト・インジェクションコイルではないこと、燃料噴射方式がポート噴射のみなど、古さを感じる点もありますが、現在のエンジンのトレンドとなっている要素(ロッカーアーム駆動・4バルブ・DOHCヘッド,ロングストローク・アルミシリンダーブロック,4-2-1のエキゾーストシステムなど)をもった歴史的に見ても銘エンジンだったことが分かります。

      このように、エンジンスペックを見ていても、かつての常識や一般的だった物が時代の流れや技術革新によって変わって行く様子を見ることができるので面白く思っています。




      関連情報ホームページ:
      トヨタ 【4A-G型】1.6ℓ直4エンジン ファン・トゥ・ドライブのために生まれた1.6ℓツインカム
      昭和の名機(8)】手軽に高性能を味わわせてくれたトヨタの4AーGE型エンジン
      FF小型乗用車「シビック・バラードシリーズ」に新設計DOHC・16バルブエンジン搭載車を追加し発売
      昭和の名機(11)】F1のテクノロジーを導入、ホンダが15年振りに投入したDOHCエンジンが「ZC型」だ

Posted at 2020/05/22 13:48:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | Others | クルマ

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