
前回に続き今回の話題も オーナーもしくはオーナー予備軍しか興味ないと思われる(笑)
「86との比較」シリーズ? 第3弾、“BRZ vs 86編”です。
外車やホンダ車,スバル車などの趣味性の高い自動車に乗っている方にはアンチトヨタの人が多いのか?『何で
BRZじゃなくて
86なんかにしたの?』と訊かれることがあります。
我家では大昔、母親がスバル360に乗っていたこともあったし、ワタクシの初のマイカーはセリカLB 2000ST(中古)、次の車はAE86 カローラレビンGTアペックスでしたので、スバルもトヨタも嫌いなメーカーではありません。
では、何故ワタクシがBRZじゃなくて86にしたのかを含めて、BRZと86との違いについてお話したいと思います。
ドラテク修業車を買い換えることは一年以上前から決めていたので、昨年の黄金週間中に気になっていたBRZと86の試乗に行って来ました。
試乗したのはBRZ Sグレード 6MT(エアロパッケージ)、BRZ Rグレード 6AT(17インチパフォーマンスパッケージ) と86 GTグレード 6MTの3車種。どの車もオドメーターが1,200㎞以上走っていたので、おろしたてよりはエンジン・サスの慣らしは進んでいたと推測されます。
今年2月にはエアロ・18インチタイヤ・某欧州製アブソーバー・bremboブレーキ・ローギヤードファイナル・機械式デフ仕様の某社チューン?の86にも試乗した夢?もみました。(笑)夢を見せてくれたポルシェオーナーのKさんありがとう!
◇ エクステリア

86
ヘッドランプ
内部構成が異なり、BRZは全グレードがLEDポジショニングランプとターンシグナルランプを内蔵したHIDハイ&ロービームランプに対し、86はターンシグナルランプをバンパーに移設したタイプで上級グレードだけLEDクリアランス付プロジェクター式ディスチャージヘッドランプになっています。
86上級グレードのLEDポジショニングランプはつり目形状に見えるので個人的にはBRZの方が好みです。
フロントパンパー
BRZはコーナー部分が水平基調のラウンドになっているのに対し、86はコーナー部分が車体前部からの気流を側方及び上方へ押しやるように縦方向に面を流すデザインになっていて、空気抵抗とフロントのダウンフォースが良さそうな気がする。(何の根拠もありませんが)86の方がBRZに比べオーバーステアセッティングになっていると言われていますがフロントのダウンフォースの違いも関係しているような気もする。
86は車高を下げるとターンシグナルランプの最低高が保安基準に抵触するため、あまり下げられないから嫌だという意見もありますが、車高を下げると雪道でスタックし易くなるのでワタクシは車高を下げるつもりはないので問題ない。
また、ラジエーターグリルがBRZはルーバー形状になっているのに対し、86はT形メッシュ形状。メッシュの方が飛び石によるラジエーターコアの潰れが防げる点でも86の方が良さそう。
ぱっと見の印象では、BRZの方がロー&ワイドに見えるのでBRZのは嫌いではありませんし、昨今の車はどれも似たような形が多いのに対し86のはオリジナリティーがあって良いとも思います。
サイドガーニッシュ
BRZは欧州車ぽいデザインに対し、86は水平対向エンジンをイメージした86エンブレム。
どちらかと言えばBRZの方が好みですが、お金があればTRDのフロントフェンダーエアロフィンがカッコ良いから換えてみたい気もする。(笑)
◇ インテリア
BRZも86もグレードによってインテリアや装備が違いますが、
86 GT“Limited” ≧ BRZ S+レザー&アルカンターラパッケージ > 86 GT ≧ BRZ S > BRZ R+スポーツインテリアパッケージ > BRZ R ≧ 86 G > BRZ RA ≧ 86 RC
といった順番で装備や内装の質感が違っています。

86 内装色レッド&ファブリックシート(上級タイプB)
BRZと86の違いは、BRZは全グレードにデジタルスピードメーター・REVインジケーター付メーターになっているのに対し86は上級グレードのみになっている事と、86は上級グレードで黒内装と赤内装が選択できますがBRZは全グレード黒内装のみ。
ワタクシのS2000は納車して直ぐ
赤の本革仕様ドアライニングに交換しましたが、86の赤内装は個人的な感想ではスポーティと言うより子供ぽくて好きになれないので、上級グレードを選ぶならBRZでも86でもどちらでもかまわない程度の差です。
86はフロアマットが全グレードに標準装備されていますが、BRZは全グレードオプションになっています。
また、BRZになくて86 Gグレード以上に標準装備されているものに、センターコンソールサイレンサー(リアシート中央部分のセンターコンソールカバー)があります。
86についてBRZにつかない?オプションパーツに2013年末に発売を予定している
CAN-Gateway ECUがあります。
CAN-Gateway ECUは、車両に搭載されたECUからのCAN情報(アクセルペダルストローク、ステアリング回転角、ブレーキ操作信号、シフト操作信号、エンジン回転数、車速などの走行データ)を本体内メモリに記録し、これをリアルタイムにBluetoothに出力したり、USBフラッシュメモリに書き出したりすることができる装置。また、CAN-Gateway ECUには高精度GPSレシーバ・プロセッサが内蔵されており、CAN-Gateway ECU対応バージョンにアップデートされたGT5で、CAN-Gateway ECUからUSBフラッシュメモリに出力されたデータを読み込めば、現実世界のサーキットで実際に自分がTOYOTA 86を走らせた状態をGT5のリプレイ画面で確認でき、早送りやカメラアングルの変更といったことも可能になっている。
(※ 昨年9月にポリフォニー・デジタルの
山内一典さんに問い合わせたところ、現時点ではスバル側はこのシステムに関心をもっておらず、86のみの対応とのことでした。)
- 関連情報ホームページURL:
-
http://www.4gamer.net/games/098/G009884/20120905031/
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120905_557524.html
◇ サスペンション
サスペンション・スプリングレート
| フロント | リア |
86 | RC | 21.8N/mm | 37.4N/mm |
G | 22.7N/mm | 37.4N/mm |
GT | 22.7N/mm | 38.7N/mm |
AT全車 | 23.7N/mm | ? |
BRZ | Sグレード | 3.0kgf/mm | 3.8kgf/mm |
S2000と比べるとどちらの車もバネレートが低いですね!
その割には低速域での乗り心地は初期型S2000同様に褒められたものではありません。
- 関連情報ホームページURL:
-
http://www.jprova.co.jp/blog/05/86brz_post_4.html
アライメント
| 86 | BRZ |
フロント | キャスター(度) | 5°54′ | ← |
トーイン(㎜) | 0±3 | ← |
キャンバー(度) | 0°00′±45′ | ← |
キングピン角(度) | 15°31′ | ← |
サイドスリップ(㎜) | 0±4 | ← |
スタビライザー径 | 18㎜中実タイプ | ← |
リア | トーイン(㎜) | 2±3 | ← |
キャンバー(度) | -1°12′±45′ | 0°00′±45′ |
サイドスリップ(㎜) | 0±5 | ← |
スタビライザー径 | 14㎜中実タイプ | ← |
表を見て分かることは86の方がフロントのスプリングが柔らかくて、リアが硬いということです。
ディーラーの近所をタウンスピードで試乗した感じでは、86の方が若干乗り心地が良いがリアの突き上げが大きいような気がする程度でした。ただし、試乗コースも違っていたし、どの車両もタイヤの空気圧を計ったわけでもないので、鈍感なワタクシが同条件で走って本当に違いが分かるかどうかと言うと自信ないです。(笑)
始めからサスペンション変更する予定の人にとっては、BRZと86のサスペンションの違いは関係ない事柄だとは思いますが、ワタクシにとって純正脚の違いは選択するうえで重要事項です。
12年前、鈴鹿西コースで開催された某タイヤメーカー主催の運転講習会に参加した際に、講師として来ていたホンダとメルセデスびいき?の黒●元●と言う運転の神様が仰りました。
『お前ら、運転が上手くなりたいのなら、安全装備と消耗品以外に車にお金を掛けるな!、お金は走る事に使え!、プロドライバーとアマチュアの最大の違いは練習量だ!』
この神様の教えを守って銀色号は純正脚でいましたし、86もオーバーホールが必要になるまでは変えないつもりでいます。残念ながらチューニングに使うお金も、走る事に使うお金もないと言うのが実情ですが。(苦笑)
86の方がBRZに比べればオーバーステア寄りで、BRZの方は安定方向のセッティングにされていると言われてます。
と言う事は、ワタクシのような運転技術の未熟な者にとってはBRZの方がスピンし難くくて安全と言えるかもしれませんが、逆に
突っ込み過ぎ症候群の持病があるワタクシが
欧州式運転術を身につけるためには86の方が適しているとも言えます。
もともと速くて安全な車を求めるならBRZでなくインプレッサを選んだ方が賢明で、ワタクシがドラテク修業車に求めたのは86の方が適していると思いました。
◇ 価格
なるべく買った後にお金をかけず、走りを重視したグレードで、BMW328iとS2000から乗り換えても不満の少ない装備と質感も求めると言うことであれば、86 GTグレードかBRZ SグレードもしくはBRZ Rグレード+17インチパフォーマンスパッケージ+スポーツインテリアパッケージ以上のグレードになりますが、86 GT“Limited”やBRZ Sグレード+レザー&アルカンターラパッケージ のフルフロアアンダーカバーは欲しいパーツではあるもののリヤスポイラーはデザインが好きになれず中途半端な気がするので、86 GTグレードにするかBRZ Sグレードにするか迷ったのですが、車両本体価格だけを見ればBRZの方が3千円安いですが、オプションまで含めると86の方が安い。
価格比較
| 車両本体価格 | 寒冷地仕様 ※3 | フロアマット | センターコンソールサイレンサー ※4 |
86(GTグレード) | 2,790,000 | オプション(6,300) | 標準装備 | 標準装備 |
BRZ(Sグレード) | 2,793,000 | 標準装備 | オプション(37,275) | 設定無し(9,135) |
BRZ(Rグレード+※1+※2) | 2,604,000 | 標準装備 | オプション(37,275) | 設定無し(9,135) |
※1: 17インチパフォーマンスパッケージ(215/45R17タイヤ・フロント16インチ&リヤ15インチ ベンチレーテッドディスク・トルセンLSD+ローギヤードファイナルギヤ・専用ブレーキパッド)
※2: スポーツインテリアパッケージ(本皮巻ステアリングホイール・本皮巻シフトノブ・本皮巻ハンドブレーキレバー・アルミパッド付スポーツペダル・シルバー加飾)
※3: 大容量バッテリー(55D23)+ヒーテッドドアミラー(Rグレード除く)
※4: リアシート中央部分のセンターコンソールカバー
車を買う上で重要なのは高い安いばかりではありません。買った後の事の方が重要かもしれません。
ワタクシは保障が利くうちはディーラー整備が基本の予定なので、考えました。
BRZ/86は富士重工製なので、スバルディーラーの方が構造的に扱い慣れているのでスバルの方が良いのでは?とも思いましたが、BRZ/86は富士重工製とは言え、トヨタとの共同開発でデンソー・アイシン・トヨタ紡織などのトヨタ系サプライヤーの部品が多く使われており、86を多く販売している
AREA 86店であればそれほどデメリットにはならないのではないか?とも思いました。
買った後の窓口になる担当営業マンも然り。
試乗しに行った時の対応したトヨタディーラーの営業マンはメカニック上がりの営業マンでまだ営業慣れしてない?ような感じでしたが、その後営業訪問に来たり、ダイレクトメールを送ってきたりしましたが、スバルディーラーは売る気がないのか?そう言ったことが全くなかったのです。
これでは値引きも期待できないし、買った後の対応も不安です。
トヨタ車が売れる原因には、車の良し悪しや値引きと言うより、こうしたディーラー教育の影響が大きいかもしれません。
ワタクシが住んでいる市内にスバルショップはあってもスバルディーラーはお隣の市に行かないとないのに対し、AREA 86店であるトヨタディーラーは数キロの距離にあるので利便性という面でも86の方が良い。
BRZ/86はトヨタなしでは成立しなかった車でもあるし、86が成功して業界トップのトヨタがモータースポーツ界を引っぱって行かない限り日本のスポーツカーに未来はないとも思い、最終的にワタクシは86を選びました。