
昨年に書いたブログ「
2015年 気になる車 その1」で紹介した「
RENAULT TWINGO」の日本仕様の詳細が本日やっと
発表され、9月15日から発売されるようですね。
それに対抗してか?トゥインゴの兄弟車である「
smart forfour」の正規輸入ターボモデルも来月3日に発表になるようです。
トゥインゴの日本仕様は全て右ハンドルで、15インチアルミホイールを履いた898cc直列3気筒ターボエンジン+6速デュアルクラッチのベースグレード「インテンス」は、189万円
(車両重量1,010㎏)、50台限定販売の16インチアルミホイールを履いた「パックスポール」モデルは199万円
(車両重量1,020㎏)。50台限定販売の999ccNAエンジン+5速MTの「5S」モデルは169万円
(車両重量970㎏)だそうです。
smart forfourのターボモデルは本革シートとダッシュボード上に追加されたタコメーターが付いて250万円以上ということらしいので、トゥインゴのパックスポールモデルは199万円と、お買い得?。しかしながら、トゥインゴにはタコメーターがオプションですらないのは残念。
個人的には、エクステリアデザインはトゥインゴの方が好みですが、インテリアの質感はスマートの上だと思います。
スマート フォーフォーの車両重量は15インチアルミホイールを履いたノンターボ+6速デュアルクラッチの標準モデルでもカタログ値で1,010㎏もあるので、トゥインゴの方が若干軽いと思われます。
ワタクシがこの車に惹かれる理由は、そのレイアウト。コンパクトなサイズの4人乗り後輪駆動車であるということです。
利便性を重視するなら、後席も広い「
Volkswagen up!」の方が賢い選択でしょうし、速さを求めるなら「
ABARTH 500」の方が良いでしょう。
しかしながら、このトゥインゴは三菱アイと同じくミッドシップレイアウトで、FFや四駆では味わえないコーナリング姿勢が楽しめます。
お節介な電子制御がなければの話ですが。

ミッドシップレイアウトのTWINGO
よく一部のメディアにはRRと記載されていますが、エンジンの重心がリヤアクスルより前にあるのでMRが正しい表記だと思います。
(リヤエンジン・リヤドライブと言う意味では間違いではありませんが、それならビートやNSX・エリーゼ・ボクスターもRRと表記するべきです。)
前後重量配分は、S660の45.8%対54.2%より若干後ろ寄りですが、ビート(42.1対57.9)やNSX(43対57)より前寄りでアイ(ターボ)や981型ケイマン(PDK)と同じ44対56です。しかも、前後オーバーハングにある重量物はステアリングギヤボックスとマフラーくらいしかありません。

49度後傾して搭載されるTWINGOのエンジン
そして、アイと同じくリバースヘッド(前方吸気・後方排気)をもつエンジンは49度後傾して搭載されているので低重心。
ちなみに、アイは45度後傾、ビートは58度50分前傾して搭載されています。

前方排気方式のS660
S660は重心高が86/BRZと同じ460㎜らしいので普通の車と比べれば低重心ですが、前方排気・後方吸気のためにオイルパンの下に排気管が通る設計となっており、油温が上がりやすく、これ以上エンジン搭載位置を下げられないのが残念。結果、ビートやAZ-1,カプチーノより重心高が高くなってしまっています。空力的にもマイナス要因ですよね?。
トゥインゴの車高は1,545㎜と、もともと高いので、2人乗りのオープンスポーツカーほど重心高が低いとは思いませんが、アイのように、車高の高い4シーターのわりには、見た目以上にスポーティな要素を持ち合わせています。
これならアイに換わる次期スーパー通勤快速車となり得るか?気になるところです。
そんな期待をもって、並行輸入の「TWINGO」を見に行ったり、兄弟車の「
smart forfour」を試乗したりしましたが、残念ながら、軽自動車のアイと比べても、どちらも後席は窮屈でリヤのサイドガラスは一般的な昇降式ではなく、ヒンジで横方向に換気程度にしか開かない。
最高出力70ps,最大トルク91Nmを発揮する999ccNAエンジンに車両重量970㎏では非力。
右ハンドル仕様はフットレストもなく、ペダルレイアウトが左にオフセットしていてブレーキとアクセルの踏み間違えが起こりそう。
(並行輸入の左ハンドル仕様では何ら問題ありませんでした。)
車幅の狭い、右ハンドルのS660は3ペダルでもフットレストもあって、操作しやすいペダルレイアウトを実現できているので、トゥインゴやスマートの右ハンドル仕様がこの点を軽視したのは非常に残念です。
最高出力90ps,最大トルク135Nmを発揮する898ccターボエンジンなら非力ではないでしょうが、タコメーターもないし、個人的に後輪駆動車で一番重要なESP(横滑り防止装置)電子制御オフスイッチがない!(笑)
これなら、まだアイの方が非力で安っぽいけど、ましだなと思ったのでした。
ところが先月、欧州ではそのハイパワーバージョン「TWINGO GT」が
発表されました。
ノーマルの「TCe 90」と呼ばれる最高出力90ps,最大トルク135Nmを発揮する898ccの3気筒ターボエンジンは、吸気システムとコンピュータを中心にチューニングされ、最大出力は110hp,最大トルクは170Nmを引き出し、トランスミッションのギア比も変更され、シャシーは専用サスペンションをはじめ、ESPの設定変更、可変ギア比を持つステアリングの採用により、シャープで正確なハンドリングと優れた路面追従性の実現が図られているとのこと。
「TWINGO」の兄弟車である「smart」は、一足先に北京モーターショー2016において、109ps/5,750rpm,170Nm/2,000rpmを発揮する898ccのターボエンジンにレーススタート機能が備わる「twinamic(ツイナミック)」6速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせした『
smart BRABUS forfour』を初公開しており、いずれトゥインゴからもスポーツモデルが発表されるとは予想していましたが、「TWINGO GT」と言う名での発表は予想外でした。
RENAULTにおけるカーラインアップを見ると、「標準」グレード<「GT」グレード<「R.S.」グレードと、スポーツモデルの最上級グレードは「R.S.」です。
ルノーの「GT」グレードはアウディで言えば「S」、ポルシェでは「GTS」にあたるグレードモデルで、「R.S.」はアウディで言えば「RS」、BMWでは、「M」、ポルシェでは「GT」にあたるハイパフォーマンスモデル。
ということは、「TWINGO」にもいずれ「TWINGO R.S.」が出るということなのか?
とは言え、「TWINGO GT」の最大出力は110馬力と驚くような数字ではないですが、最大トルクは170Nm/2,000rpmと十分なトルクがあり、タイヤサイズは前185/45R17、後205/45R17で、車両重量はまだ発表されていませんが、1トンを若干上回る位と予想されるので、NDロードスターといい勝負ができるのではないでしょうか?
これに、ESP(横滑り防止装置)電子制御オフスイッチがあるならば、後席が狭いのは我慢しても欲しくなっちゃいます。(笑)
ディーラーに訊いたところでは、「TWINGO GT」も「smart BRABUS forfour」も今のところ、日本導入の予定はないらしいですが、ライバルである「Volkswagen up!」の0-100km/hが9.9秒,最高速度は185km/hを発揮する
1リッター3気筒直噴ターボ+5速MT搭載モデルが日本仕様投入となれば、ルノーやメルセデスも黙っていられなくなるかも。(笑)
(ブラバス フォーフォーのカタログスペックでは、0-100km/h加速:10.5秒、最高速度:180km/hとのこと。)
ワタクシとしては、「
TWINGO R.S.」が、999cc3気筒ターボエンジンで最高出力130ps以上,最大トルク180Nm以上の性能で、リヤブレーキがディスクブレーキになって、LSD装着、ESP(横滑り防止装置)電子制御オフスイッチ付き、フットレスト・タコメーター付きで発売されることを望んでいるのですが。