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2022年10月10日 イイね!

平成ABCトリオ 比較

平成ABCトリオ 比較新車としては、純内燃機関の車は消えゆく運命となりそうですが、このところ、911 GT3 RS,718 Cayman GT4 RS,ALPINE A110 Rといった、サーキットを走る以外に実用性がないようスパルタンな2シーター・後輪駆動のスポーツカーが発売。この様な車を買う人は、他に普段乗り用の高級外車を所有しているから実用性なんて気にしないんでしょうね。
ワタクシもこんな車でサーキット走行を楽しむような身分になってみたいです。😁


さて、話が変わりますが、「平成ABCトリオ」と言われた車をご存知でしょうか?
オートザム AZ-1(A)、ホンダ・ビート(B)、スズキ・カプチーノ(C)の車名の頭文字をとってそう呼ばれました。
バブル時代に企画され、1990年代に販売された軽自動車の2シーター・スポーツカーで、全長・全幅・最低地上高サイズも同じで、最高出力:64馬力の3気筒エンジンを搭載する後輪駆動車、四輪独立サスペンション,四輪ディスクブレーキというのも共通。
二人しか乗れない,室内が狭い,荷物も積めない等、実用性が低い車でした。

しかしながら、かつて後期型カプチーノをドラテク修行用の車として所有してたワタクシにとっては今でも気になる車でもあります。(冒頭の写真はその当時のマイカー)





では、どんなクルマだったのか?改めて調べてみました。

◇ マツダ・オートザム AZ-1

外板に依存せず、ボディだけで剛性を確保するというスケルトンモノコックという特殊なフレーム(メイン部材はペリメーター型)を採用して、外板にFRP(シート・モールディング・コンパウンド)などの6種類のプラスチックを採用した軽量ボディに、ドアの上部が透過率30%のガラス・キャノピーになったガルウイング式ドアを採用。“世界最小のスーパーカー”とも言われた。
エンジンはスズキ製で、アルトワークスと共通のF6A型3気筒DOHCターボエンジンを吸・排気および冷却系を専用設計にしてキャビン後部に(ミッドシップ)搭載。スペアタイヤ,燃料タンク等の重量物を車の中央に配してヨー慣性モーメントを小さくした。
前後重量配分は41.7:58.3%(2名乗車時 44:56%)で、 重心高は426(2名乗車時 400㎜)と超低重心。(因みに、低重心を宣伝文句としていた先代86/BRZは460㎜)


ステアリングホイールは350㎜径のウレタン製の3本スポークタイプとし、ステアリングのロック・トゥ・ロックが2.2回転(そもそも前輪の切れ角自体も小さいので最小回転半径は大きい),トータル・ギヤ・レシオ12.2に設定することで機敏な操作性を実現。
垂直ゼロ指針のメーターは、中央に9,000rpmからレッドゾーンが始まる1万1000rpmフルスケールのタコメーター、左にスピードメーターを配置。右側には水温計と燃料計が並ぶ。
大きく張り出したホイールハウスを避けて、ペダルセットは車体中央寄りに大きくオフセット。そのため、ステアリングとシートは車体中央に向けて角度をつけて自然なドライビングポジションをとれるようにしている。
シートは樹脂製フレームのフルバケットシートとなっていて、リクライニングは不可。ヒップポイントは215(因みに、先代86/BRZは400㎜)と超ローポジション。 ドライバーズシートは前後スライドが可能ですが、助手席シートは固定式。

OEMが存在し、Z-1発売の翌93年、スズキ『キャラ』として販売されました。


◇ ホンダ・BEAT

自然吸気の3気筒SOHCエンジンでありながら、3連スロットルと高精度燃料噴射制御機構を組み合わせた吸気方式を採用し、最高出力発生回転数が8,100rpmで64psを達成。最大トルクも7,000rpm,レッドゾーンは8,500rpmという高回転型エンジンを低重心化と、吸気管長ならびに形状自由度の確保を目的に58度50分前傾させてミッドシップにレイアウトしたソフトトップを持つフルオープンカー。
前後重量配分はS660の45.8:54.2%よりもリアヘビーの42.1:57.9%(1名乗車時は43:57)ですが、重心高は440㎜と低重心。(因みに、S660は460㎜,S2000は475㎜)


センタートンネル,および運転席を25㎜ 車両中央寄りに配することで、ドライバーの居住性は不足ないのもになっているが、助手席シートはリクライニングは不可。




◇ スズキ・Cappuccino

クローズド/Tバールーフ/タルガトップ/フルオープンとアレンジできる分割式ハードトップの採用。
軽量化を図るために、ボンネット,フェンダーロワガーニッシュ,3ピース構成のデタッチャブル・トップ,リアピラーをアルミ製とし、足回りは軽乗用車初の4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションと、前:ベンチレーテッドの4輪ディスクブレーキを組み合わせたシャシ。
エンジンをフロントミッドシップに、バッテリーを前車軸の後ろに、そして前後のブレーキキャリパーをそれぞれセンター寄りに配置するなど、重量物を車体の重心近くにレイアウトして、52.2:47.8%の前後重量配分(2名乗車時 51:49)を実現。
重心高:450㎜,ホップポイント:280㎜と、ABCトリオの中では一番高い。(それでも86/BRZより低いですが)
着座位置が後輪直前にあり、ビートとAZ-1の重心が座席の腰の位置にあるのに対し、カプチーノは膝辺りにくる。


チルトステアリング,フットレストも標準装備。
タコメーターは1万2000rpmスケールで8,500rpmからがレッドゾーン、レブリミッターが働くのは9,300rpm(後期型は8,800rpm?)
ABS,エアバッグ,トルセンLSDのセットオプション仕様もあった。

前期型はアルトワークスやAZ-1にも搭載されていたF6A型エンジンを縦置きに搭載していましたが、後期型ではECUが16ビットになり、F6A型より11㎏軽量化されたオールアルミ製K6A型 ツインカムターボエンジンを搭載。 ターボの最大過給圧を、従来の0.9㎏/㎝²から1.1㎏/㎝²へアップ、 最大トルクが10.5㎏・m/3,500rpmに向上した。
アルミホイールも1個当たり800g軽量化され、バネ下重量が軽減されている。
(車重はS660より140㎏軽かった。)


スペック比較
AZ-1
(E-PG6SA)
BEAT
(E-PP1)
Cappuccino
※(E-EA21R)
駆動方式MRMRFR
エンジン形 式F6AE07AK6A
種 類水冷直列3気筒水冷直列3気筒水冷直列3気筒
弁機構ベルト駆動DOHC12バルブ
ロッカーアーム式
ベルト駆動SOHC12バルブ
ロッカーアーム式
チェーン駆動DOHC12バルブ
直打式
過給機空冷IC付きターボ無し空冷IC付きターボ
排気量657cc656cc658cc
内径×行程φ65.0 × 66.0㎜φ66.0 × 64.0㎜φ68.0 × 60.4㎜
圧縮比 :18.310.08.4
最高出力64ps/6,500rpm64ps/8,100rpm64ps/6,500rpm
最大トルク8.7kg・m/4,000rpm6.1kg・m/7,000rpm10.5kg・m/3,500rpm
燃料タンク容量30ℓ24ℓ30ℓ
使用燃料無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション5速MT5速MT5速MT
変速比1速3.8183.4283.478
2速2.2772.1662.021
3速1.5211.5761.352
4速1.0301.1721.000
5速0.8370.9410.790
後退3.5834.3003.260
最終減速比4.7055.7145.125
寸 法全 長3,295㎜3,295㎜3,295㎜
全 幅1,395㎜1,395㎜1,395㎜
全 高1,150㎜1,175㎜1,185㎜
ホイールベース2,235㎜2,280㎜2,060㎜
フロントトレッド1,200㎜1,210㎜1,210㎜
リアトレッド1,195㎜1,210㎜1,210㎜
最低地上高135㎜135㎜135㎜
最小回転半径4.7m4.6m4.4m
ホイールベース/トレッド比1.8661.8841.702
重心高426㎜440㎜450㎜
重 量車両重量720760㎏690㎏
前軸重
(重量配分)
300㎏
(41.7%)
320㎏
(42.1%)
360㎏
(52.2%)
後軸重
(重量配分)
420㎏
(58.3%)
440㎏
(57.9%)
330㎏
(47.8%)
タイヤ前 155/65R13 73H
後 155/65R13 73H
前 155/65R13 73H
後 165/60R14 74H
165/65R14 79H
165/65R14 79H
ホイール前 13×5J
後 13×5J
前 13×4 1/2J
14×5J
14×5J
14×5J
ブレーキ前 ディスク
後 ディスク
前 ディスク(12インチ)
後 ディスク(13インチ)
ベンチレーティッドディスク(13インチ)
ディスク(13インチ)
サスペンション方式前 マクファーソンストラット式
後 マクファーソンストラット式
前 マクファーソンストラット式
マクファーソンストラット式
ダブルウィッシュボーン式
ダブルウィッシュボーン式
ステアリングギヤ形式ラック&ピニオンラック&ピニオン
ラック&ピニオン
タイロッド前引き後引き前引き
turns lock-to-lock2.2回転2.9回転
ステアリング トータル・ギヤ・レシオ12.215.6
10モード燃費18.4㎞/ℓ17.2㎞/ℓ18.0㎞/ℓ
60㎞/h定地燃費30.3㎞/ℓ27.0㎞/ℓ30.5㎞/ℓ
販売日1992年10月
~1995年9月
1991年5月
~1996年12月
1991年11月(※1995年5月)
~1998年10月
車両本体価格(消費税抜き)1,498,000円1,388,000円1,458,000円
備 考
※ 後期型


と言うように、軽自動車と侮るなかれ!、本格的なスポーツカーなのでした。

しかしながら、所詮64馬力しかないので絶対的な速さはありません。😢
今では軽自動車でも有って当たり前の安全装備であるABS,エアバックもメーカーオプション。衝突安全性も旧規格の軽自動車なので劣ります。😰
その代り、公道を走っていても性能を使い切れる楽しさがあります。👍

911 GT3 RS,718 Cayman GT4 RS,ALPINE A110 Rといった高性能車は、所有する優越感はあっても、サーキットを走らなければその性能を持て余し、日本の法定速度を守るのは苦痛でしかない?でしょうが、「平成ABCトリオ」ではそれなりに楽しめます。😁
全幅1,800㎜を超す車では狭いワインディングロードを走るのにも道幅が気になりますが、軽自動車ではライン取りの自由度が大きく、マニュアル・トランスミッションを駆使してエンジンを高回転まで回す純内燃機関の楽しみがあります。😄




速度とエンジン回転数の関係を計算すると、
AZ-1BEATCappuccino
4速:50㎞/h時2,418rpm3,209rpm2,385rpm
5速:100㎞/h時3,929rpm5,153rpm3,768rpm

一般道を4速50㎞/hで巡行している時,高速道路を5速100㎞/hで巡行している時もカプチーノが一番低い回転数になっていることから、燃費や静粛性に有利で、そこからの追い越し加速も車重が軽く,最大トルクが大きく,その発生する回転数が低い カプチーノ(後期型)が有利になることが予想されます。
(ワタクシの経験から申し上げますと、意外なことに、トップギヤでの80⇒120㎞/hまでの追い越し加速は、S2000やE36型BMW328iと比べても、感覚的には変わらない速さだと思いましたし、高速道路の長距離運転はAE86レビンより疲労感が少なかったです。)

(試したわけではないですけど、)荷物を一番積めるのもカプチーノだと思うので、実用性で言えば、3車の中ではカプチーノが一番ではないでしょうか?。
オプションで純正LSDが用意されていたのもカプチーノだけでした。
でも、元々「平成ABCトリオ」は旧規格の軽自動車サイズなので室内が狭く、AZ-1やビートが運転席を中央側にオフセットさせてスペースを稼いでいるのに対し、カプチーノは左右対称なので、右側がハンドル操作で肘がドアパネルに当たりそうなくらい窮屈。また、ホイールベースが3車の中で一番短いので、フラットでない路面だと、車体がピッチング方向によく動いて乗り心地が悪いというのも欠点。

ただし、こんな車を買おうとする人が求めるのは実用性で選ぶより、個人の生活スタイルや趣味性,楽しさで選ばれるので、カプチーノが一番とするのは異論があるのは当然。


AZ-1はオープンカーにはならなくても、グラス・キャノピー・デザインによる開放感があるし、デロリアンDMC-12のようなガルウイング式ドアは特別感があって、その上にレーシングカートのような地を這うようなローポジションとシャープなハンドリングは唯一無二の存在です。


ビートは実用性やターボ車に速さで負けても、オープンカーによる風を感じる開放感と、ワインディングロードでマニュアル・トランスミッションを駆使してエンジンを高回転まで回す楽しさは負けてないと想像されます。


平成ABCトリオの内、ビートの総販売台数が一番多かったことからも、性能や実用性だけが購入理由になってない明らか。




バブル時代はこのような実用性が低く、趣味性が強いため数多く売れない車でも、日本の各メーカーが大金を投資して競って開発していましたが、今では余力のあるトヨタは頑張っている方ですが、趣味性が高くて数がさばけない車から撤退するばかり。
実用性や合理性を求める客は、性能に差が無いならブランドに拘らず安い商品を選び、趣味性が高い商品ほど、コアなファンが生まれ、それがブランドイメージを引き上げることにも繋がると思うのですが。


S660やコペンのように現在の軽自動車規格に合わせた「令和ABCトリオ」として復活してくれたら嬉しいのにと思う今日この頃なのでした。




Posted at 2022/10/10 16:33:29 | コメント(1) | トラックバック(0) | My Car | クルマ

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