
MD90の完全退役までに残された短い時間の中で、
鶴丸塗装に塗り替えられた奇跡の1機、
JA8070が1月20日をもって退役すると言う話題が
ネットを回覧するとあちこちで見受けられていた昨今、
この機体に関しては、
自宅上空を通過するのも
何度か捉えたし、羽田空港では
近場の撮影も
出来ていた訳ですが、唯一やり残したのは搭乗する事。
それを成し遂げるのには20日がデッドライン
と言う事になった訳です。
そうなると、何とかして搭乗したいなと思う様になって来たんですが、
これには絶対に攻略しなければいけない問題がひとつ。
それはどの便にアサインされるのかを見極める事。
1月20日のMD90の運用は、何度もここで紹介していますが以下の3パターン。
1.羽田→熊本→羽田→奄美→羽田→広島→羽田
2.羽田→宮崎→羽田→三沢→羽田→高知→羽田
3.羽田→釧路→羽田→釧路→羽田→女満別→羽田
何れのパターンも1往復目は羽田出発が早朝、3往復目は到着が遅くなり帰りが面倒臭い為、
準ラストフライトである2往復目をターゲットとする事に。
僕の中では「鶴の最後に南国はないな、三沢か釧路かな?」と勝手に想像していて、
後はどうすれば確実に搭乗出来るのかをず~~と考えてました。
そんな中、無い知恵絞って思い付いたのが2便同時予約。
搭乗当日、羽田のデッキで到着する便にどの機材がアサインされているかを確認してから
搭乗する便を決める!と言う馬鹿気た計画です。(笑)
早速予約サイトを確認すると、窓側の席も辛うじてキープ出来そうなので迷わず予約実行。
これで一安心、良く眠れるぞ~と思っていると、
ネット上に投稿されている鶴丸MD退役ツアー以降の画像の中に
熊本空港で撮影された物がチラホラ登場し始めた事で、再び雲行きが怪しいものに。
「ええ~!?このまま行くと予想外の奄美便にアサインされる事になる訳か・・・。」
「でも今までの運用だと一度飛び始めると、数日間は同じ場所に行くしなあ・・・。」
「仕方ない!」
と思い奄美便の予約も入れたのが金曜日の真夜中、こちらも窓側の席をキープ完了。
これで怒涛の3便同時予約となった訳です。
↓これ搭乗前日にJALから送られて来る案内メール。
ご覧の通り、3往復分、6便の案内が間髪入れずいっぺんに送信されて来ました。
この馬鹿さ加減が堪りません。(笑)
後は当日スタンバイ機にならない事を祈ろう。
1月20日当日、これから何処に飛ぶかも分からないままの不思議な心境の中、羽田に移動します。
最初に戻って来るはずの熊本便到着30分くらい前にデッキへ。
しかしここで全く想定していなかった問題が発生しました。
携帯でJALの運行状況を確認すると、熊本便の羽田到着が定刻よりも15分程度遅れるとの事。
う~む、微妙・・・。
実は搭乗手続きには締切時間(出発15分前)があり、いつまでも到着便を眺めていると、
それに間に合わなくなる可能性が出て来た訳です。
更には到着時間の近い宮崎からの便が先に到着したら、
エアバンでも聞いていない限り混乱に陥る事になるかも。
これには真面目に狼狽えました。
流石に勘で決めるには外した時に失う金額も大きいので困惑、
本当到着までのこの間は、常に南側の空を睨み続ける展開に。
そんな中、やっと到着した熊本便。(宮崎便も同様に遅れが生じていたので)
「おお~、来た来た。と言う事は行先は奄美に決定だ~!」
撮る物撮った後は速攻デッキから撤収、受付カウンターに猛ダッシュ、そして・・・。
「実はですね、奄美、三沢、釧路の3便を予約しているんですが、奄美に行く事にしたので、
三沢と釧路をキャンセルして下さ~い!」
と願い出ます。
息を切らしながら突然ダイヤ会員向けのカウンターに現れた親父がこんな事をいきなり依頼する。
如何ですか?全く意味分かんないですよね。(笑)
我ながらとんでもない事を普通に言ってんなと実感。
正に馬鹿丸出し、突然こんな事を言われたらドン引きですよね。
でもこっちは必死だったので、そんな事を気にしている場合ではありませんでした。(汗)
予想通り怪訝そうな表情で見られたので、事情を簡単に説明。
「ああ~、そうなんですね。有難うございます!」と納得して頂きました。
こうして無事に鶴丸MDに搭乗する事が確定した訳です。(ここまでが長かったッス)
ここからが搭乗記・・・。
まずは往路、着くのも遅れたので、当然出るのも遅れます。
86番はオープンスポットの為、バスにて移動。
1台目のバスに乗って、出発まで近場での撮影に挑戦。
タラップを上る人も捌けて来た様です。
では撮影を止めて搭乗しましょう。
結局30分程度遅れて出発。
丁度その頃、釧路からの便も到着。デッキなら2機絡みの撮影が可能だったかも。
離陸!
今日は視程もまずまず、コ・パイさんのアナウンスによると、
航路上の風による揺れも少ないとの事。
実はこの事が熊本からの便の到着を遅らせた原因だったんだとか。
(追い風となるはずのジェット気流が弱かった為)
そして一番重要な、このJA8070が本日1月20日を持って退役する旨の報告もありました。
無念・・・。
富士と翼。
富士の画像は、また貯まってからまとめて。
アルプスの山々。
青空と雲。
一応これも撮って置きました。(笑)
MD90自体はまだ暫く飛び続けるので、オフィシャルな「さよならグッズ」はないにせよ
飲み物を配り始めたチ~パ~さんからこんな物を頂きました。
飲み物用カップの「ふた」にメッセージを記入して貰ったのは今回が初かな?
しかもこれを見ると、今回の搭乗目的が既にバレてますね。
後で伺った話では、何名かは僕と同じ目的で飛んだ方が居た様です。
向かい風が弱かった分、遅れも取り戻して奄美に到着。
チ~パ~さんに
「後程また~。」と挨拶して降機。
空港建屋。
奄美のデッキにて。
そして復路、出発まで別のCAさんとお話しを少々。
今回のJA8070が飛び始めた年に入社された事、
最近はMDに搭乗する機会も多い事で、
この機体には結構思い入れもあるんだとか。
で、そのCAさんから快心の質問が炸裂。
C:「ちなみにこの便に鶴丸塗装機が使用されるのをどうやって知ったんですか~?」
絶対聞かれる内容と思っていただけに思わず吹き出してしまった僕。
ス:「どうしてだと思いますか?」
C:「2チャネルとかですか?」
予想しなかった回答に不覚にも再度吹き出した僕。
ス:「ハハハ、実はですね~・・・」
そこで、全てのケースを想定して3便同時予約をしていた事、
展望デッキで到着便の機材確認をして行先選びをしていた事、
しかし到着便が遅れた事で計画が台無しになりそうだった事、
そしてダッシュで他2便のキャンセルに行った事を説明。
C:「なるほど、確かに遅れると言う事は、普通考えませんもんね・・・。」
とこんな感じで、ちょっとだけ会話に花が。
いつも意味もなく撮っちゃうダグラスロゴ入りのサンシェード。
離陸!
こんな光景を見ながら羽田を目指します。
「ふた」シリーズ第二弾&搭乗証明等々。(笑)
結局、弱い追い風の影響からか、またも若干遅れて羽田に戻って来ました。
チ~パ~さんに丁重に挨拶した後、名残惜しくも降機。
搭乗口では次なる目的地である本当の最終レグ、
広島行きを待つ面々のオタクらしい会話が聞こえて来ます。
でも意外と乗客少なめ?
クラスJシートが空いていたら飛んで行っちゃったかも。
最後に撮った妖艶な雰囲気の夕焼けと鶴。
こうして初めから最後まで、ワクワク&ドキドキのいろんな意味で楽しめたフライトが終了しました。
MD90はこれで残り3機、フライト最終日、再び狙ってみようかな・・・。
長々とお読み頂きどうもでした~。