
2023.10.22-23、小山ダム遠征撮影、オリオン座「エンゼルフィッシュ星雲~バーナードループ」
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撮影可能日の遠征撮影可能エリアでSCW予報ではココしか晴れない。
以前からの興味のあった未訪問スポット「小山ダム」に呼ばれたのであろうか。
その小山ダムは南天も十分暗い。
千葉県北西部に住む私には暗い南天はとても貴重な存在。
何回も撮影している南天の対象「オリオン座」はまだまだ納得出来ていない。
この時期オリオン座は夜半過ぎより昇って来る。
撮影当日の月没は遅い。
オリオン座を小山ダムにてリベンジ撮影する為に呼ばれた運命を感じた(みたい)。
そこで移動距離を考慮し全線高速にて現地に向かう事となる。
(*小山ダムはYouTubeにて有名な「星沼会」の撮影地とすでに公開、また他ネット上でも情報が多々出ているスポットなので今回具体的な地名明記とした。)
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↑、作品1、オリオン座「エンゼルフィッシュ星雲~バーナードループ」
*許容できる薄雲含む40枚をコンポジット
*総露出時間:106分40秒
*作品1と作品2の色合いの違いは再現性の無い感覚的な処理の為に生じた差であり「たまたまこうなった」。
*作品1の方が作品2よりも良い感じ。
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↑、作品2、オリオン座「エンゼルフィッシュ星雲~バーナードループ」
*薄雲の影響がない(少ない)36枚をコンポジット
*総露出時間:96分
*作品1と作品2の色合いの違いは再現性の無い感覚的な処理の為に生じた差であり「たまたまこうなった」。
*作品2よりも作品1の色合いの方が良いですね~、作品2も作品1の様な色合いに再処理しても良いのかなぁ~、しかし今後もっとヒストグラムを上げてリベンジ撮影したいのであまりやる気が出ない。
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[カメラレンズXF50F2(フジ純正50mmコンパクトサイズ単焦点レンズ)の感想]
パープルフリンジが結構出た(開放F2を撮影時はF2.8に絞って撮影)
写野周辺の明るい恒星リゲルではコマ収差は見られず。
しかし写野周辺の微恒星は拡大すると放射状にのびているのが確認出来る。
明るいリゲルでは星の明るさに星の伸びが吸収され確認出来ない(か)。
本気で挑むならF4に絞って撮影し、それでも改善しないならレンズに再投資となる(か)
この焦点距離(写野)で他撮影対象も天の川が絡むので周辺の砂粒の様な微恒星の伸びは避けられないだろう。

↑、写野中央&写野周辺を拡大➀~⑤を確認しよう。

↑、写野中央➀を拡大。
F2→F2.8に絞った撮影。
明るい恒星はウニ状となりやすいがそれ程でもない様子。
写真中央は明るいく大きな三つ星も暗い微恒星も点像。

↑、写野周辺➁を拡大。
ベテルギウスから写野最終端の様子。
ベテルギウスは点像を維持。
F2→F2.8に絞った撮影。
明るいベテルギウスにウニ状の様子は確認出来ず、また点像を維持。
しかし、砂粒の様な微恒星は放射状に伸びているのが確認出来る。
星の密集する天の川領域の撮影では写野周辺部では砂粒の様な星は放射状に伸びて「うるさい」感じになりがちとなる。

↑、写野周辺③を拡大。
写野最終端付近。
砂粒の様な星は放射状に伸びてしまっている。

↑、写野周辺④を拡大。
写野最終端付近。
砂粒の様な星は放射状に伸びてしまっている。

↑、写野周辺⑤を拡大。
リゲルから写野最終端の様子。
F2→F2.8に絞った撮影。
リゲルは点像を維持。
明るいリゲルはウニ状となった様子が確認出来る。
砂粒の様な星は放射状に伸びてしまっている。
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[撮影メモ→作品1作品2共通]
撮影日時:2023.10.23.01:39
撮影対象:オリオン座(エンゼルフィッシュ星雲~バーナードループ)
焦点距離:50mm(フルサイズ換算せず)
F値:F2.8(開放F2)
露出:ISO800、160秒
総露出時間:作品1は106分40秒、作品2は96分
機材:XF50F2、ステップアップリング46→58、スターリーナイトフィルター58mm、ステップアップリング58→62、ハクバメタルレンズフード62mm、ハクバメタルレンズフード67mm、ハクバメタルレンズフード77mm、X-T30(APS-C)、アリガタレール、カメラ水平垂直切り替えL字アルカスイス、アルカスイスクランプ、クリアバーティノフマスク、EQ5GOTO、SS-ONEオートガイダープロ、SS-ONE無線コントロール、SS-ONE電子極軸望遠鏡、SS-ONE120mmガイドカメラセット、ステップアップリング42→52mm、ハクバメタルレンズフード52mm、ハクバメタルレンズフード58mm、よこたレンズヒーター、ビクセンnebula book(おおよその位置確認)、ビクセンplanet book(月の出入り確認)、ステライメージ8(画像処理)
撮影方法:カメラレンズ撮影(直焦点撮影)、オートガイド、ディザリング、
カメラ取付方向:赤道儀座に対して水平
画像処理:JPGより作成、ソフトビニングフラット補正、諧調、ダメージ系処理なし(シャープ、ノイズリダクション、等使用せず)

↑、今回の撮影機材

↑、今回の撮影機材
今回はハクバメタルレンズフードにてカッコ良くスマートに延長フード化。
しかし問題点もあり。
金属製の黒色は夜露には不利。
放熱しやすく冷えやすく夜露が付きやすい。
今回の撮影では夜露でレンズが曇る事は無かったが今後更に対策したい。
ちょっとした案は出来ている。
フードの銀色化にて放熱量を低減し夜露対策とする。
今後試してみよう。
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[背面モニタに写る明るさと、実際に撮影された明るさと、ヒストグラム]

↑、撮影開始時のデジカメ背面モニタをスマフォ撮影
結構明るく写っていて良い感じに見えるが・・・。

↑、撮影開始時のデジカメ背面モニタをスマフォ撮影
そのヒストグラム。
ヒストグラムではまだまだ露出不足を感じる。

↑、その画像をPCに取り込んで確認するとこんな感じに暗い。
撮って出し1枚物。
まさにヒストグラム通りの写りだった。
恐るべし。
これでは淡い淡いエンゼルフィッシュ星雲は簡単には写ってくれないね。
エンゼルフィッシュ星雲を浮かび上がらせるには相当な強調処理を施す必要があった。
結論→ヒストグラムを信じてもっと露出をかけよう。
ヒストグラム中央までなら飽和は怖くない(はず)。
何度も経験した事実ですがなかなか実践できない。
次こそはギリ迄ヒストグラムを上げて撮影してみよう。
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↑、今回のピント。
バーティノフマスクは重宝している。
主観的なピントの追い込みもバーティノフマスク使用にて客観的に出来る。
レンズの特性を理解し収差を考慮したベテラン撮影家の経験による「前ピン、後ピン」とか微調整説もあるが今回は普通にピント合わせする。
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[薄明時刻]
[月の様子]
[オリオン座の位置と高度]

↑、撮影開始時

↑、撮影終了時
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[小山ダム遠征撮影&留意点]

↑、自宅から距離があり移動は全線高速。

↑、現地はこんな感じ。

↑、月没は夜遅く、対象のオリオン座は夜遅くなってから昇って来る。
極軸は北極星にて合わせるシステム。
この日も北極星付近が晴れた時間はわりと遅かった。
なので、北極星付近が晴れていないと極軸合わせは出来ない。
良い感じに「のんびり設営」となった。

↑、なんて事でしょう、トイレは素晴らしく清潔。
キャッシュレスな自販機あり。
この明るいトイレ&自販機は管理ビルの陰になり撮影地からは全く見えず、その灯りは全く撮影に影響しない。
ここの常連撮影家より「夜遅くにはトイレ閉鎖あり」との事。
今回の撮影では「夜遅くのトイレ閉鎖」は夜遅くにトイレ利用は無かったので実際に確認していない。
夜間トイレ閉鎖時の「大便漏らし」だけは絶対に避けたいところであり、ご注意ください。

↑、グーグルマップより小山ダム。
高萩インターをおりて最初の交差点にコンビニあり。
食料調達はそのコンビニが最終の店と考えておいた方が無難。
高萩インターから小山ダムまでは比較的容易にたどり着ける。

↑、グーグルマップより小山ダム。

↑、グーグルマップより小山ダム。
駐車場は数か所あり。
撮影に適した駐車場を選ぼう。
撮影駐車場の天はかなり広いが吹きさらしになりやすい。
SCWにて風の予報もチェックしておいた方が無難。

↑、グーグルマップより小山ダム。
➀、ナトリウム灯か。
撮影地より北方に比較的暗いオレンジ色の街灯が道路沿いに数本あり。
常夜点灯。
その外灯は真下を照らす配慮あり、撮影ヵ所から離れている為に撮影にはほぼ影響なし。
➁、ショップか?グランピング施設か?
ここに電球色の灯りあり。
確認はしていないが常連の撮影家の話しでは常夜点灯らしい。
ダム管理ビルの影となり、撮影場所は駐車場の奥めにしておけば問題ないはず。
グランピング施設らしいがこの日はキャンパーの歓声&物音は聞こえず。
焚き火の煙の被害は無いが焚き火臭は漂ってくる。
キャンプ好きなら「良いなぁ~」と感じる程度。
③、オートキャンプ場か?
ダム管理ビルの影となり撮影場所からは全く見えない。
この日はキャンパーの歓声&物音&車エンジン音は聞こえず。
焚き火の煙の被害は無いが焚き火臭は漂ってくる。
キャンプ好きなら「良いなぁ~」と感じる程度。
④、駐車場だが撮影には向かない。
周囲の灯りが多くあり。
夕方には閉鎖となると看板表記あり。
先ほどの綺麗で明るいトイレ&自販機あり。
ここの常連撮影家より「夜遅くにはトイレ閉鎖あり」との事。
今回の撮影では「夜遅くのトイレ閉鎖」は夜遅くにトイレ利用は無かったので実際には確認していない。
⑤、ダム管理ビル。
このビルの影となり、このビルの奥の灯りは撮影地駐車場に届かないか届きにくい。
⑥、ダムの堰中央にLED照明あり。
このLED照明は結構届くらしい。
撮影駐車場内で設営場所を選べば回避可能。
車を盾にして回避可能。
駐車場奥⑦に小高い土手があり、撮影場所を選べばこの土手を盾にして回避可能。
⑦、撮影駐車場奥に小高いが土手あり、⑥からのLED光を回避可能。
⑧撮影駐車場。
ダムに近い側に設営すると⑥のLED照明の影響を受けるが車を盾にする事で回避可能。
駐車場入口は一か所、駐車場奥に車を盾にする形で設営すると夜間駐車場に出入りする車のヘッドライトの影響を最小限にする事が出来そうであり、また同時に⑥の灯りは⑦で防ぐのが最強説か。
土手⑦に近すぎると低空南天対象は撮影に影響が出るかもしれないので注意。

↑、撮影お疲れ様でした、帰りも全線高速にて快適に帰ろう。
自宅からは常磐高速一本で交通はかなり楽。
今後、ルートの見なおしをして一般道利用区間を増やし高速利用料金を節約してみようと思案中。

↑、今回もやんわりアクセル&エアコン不使用。
この時期は暑さによるエアコン使用も無く、寒さによる無駄なアイドリングも無く、環境にやさしく車を運用出来た。
高速は時速80キロ巡行。
ミライースのギア比の関係か時速60キロでの巡行の方が燃費は良い感じ。
最近は円安によるガソリン高騰で高速やバイパスをゆっくり走るドライバーさんが増えている印象だった。
国力低下は否めない。
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こんな感じでした。