2011年08月03日
夏期短期連載 どうするニッポン 「日本国とエネルギー その3」 20110803
前回地熱発電を・・ と声高らかに言った。
しかし現実として、地熱発電は日本で普及していない。
そこには多くの問題があるからである。
1.自然保護と既存地熱利用者の利権
2.既存電気事業者の利権
3.地熱発電の採算性
この3つが大きく関わってくる。
1.であるが、すでにマスコミでも報道されているように、地熱がある場所は、日本国内では、イコール国立公園や国定公園、県立公園などの、環境保全区域の網の中にある。したがって大規模施設を山の中に開発して利用するなど難しい。私自身も山の中に自然景観にふさわしくないプラントが出来る事は望まない。
しかし、現実問題として地熱が利用できそうな場所に多くの既存施設があるのも事実である。それが温泉旅館である。たとえば箱根、草津、別府などである。箱根などは、自然と言うより巨大温泉テーマパーク群であり、古代からある自然は地形だけ?(ちょっと言い過ぎかも)というくらいに、斜面の至る所に人工物が張り付いている。これだけ人工物が多ければ地熱発電プラントの1つや2つ作っても誰も自然を壊すとはいえないだろう。
しかし、箱根には既存地熱利用者の利権が一杯である。地熱発電所が出来ると温泉が出なくなる。湯量が減ってしまう。と箱根温泉組合から猛反対を食らうのは目に見えている。
温泉で地熱発電をすれば温泉脈に影響は出ると私も考える。
では、既存温泉脈に触れずに、地熱のみを利用することは出来ないのだろうか。地熱循環システムである。
地表から水を地熱の熱源付近へ送り、地中で水蒸気に変換して、地表へ水蒸気として戻す閉鎖的な循環機構である。
高圧な水蒸気として、発電タービンを回せればそれでよいのだから、地表と地中を閉鎖的な水が循環すればよいのではなだろうか。
それならば、温泉に影響はあまり出ないと思うが、それは素人考えなのだろうか。
2.はいうまでもなく原子力発電利権の推進と、電気事業連合会の利権に関わってくる。しかも、日本の地表で水を使って発電する事は、電気事業者の水利権に抵触し、勝手に河川の水を使うことは出来ない。
1例を挙げるならば、富山県に黒部川がある。この河川の水利権は、関西電力が保有している。この河川沿いには、地熱の熱源があり、かつて仙人谷ダムを造る際に、黒部峡谷の山中に隧道を掘ったら熱源に当たり、隧道工事が大変だったのである。(吉村昭著 高熱隧道を読んで下さい。)
そう、そこには人知れず地熱の熱源が、目の前にあるのである。ここを少し掘り進めば、地熱発電が出来るでははないだろうか。関西電力さん。
また、上高地の近くに安房峠がある。その峠を通年通行できるように安房トンネルを国は掘った。そのトンネルの長野県側の出口付近で、トンネル工事中にガス爆発が起き、トンネルの設計自体が工事途中で変更された。ガス爆発がおこるほど、地殻エネルギーがトンネルのそばにあるのである。しかもこのトンネルの近くには、活火山の焼岳があり、釜トンネルの入口付近では、硫黄の香りがプンプンするのである。道路が通ってトンネルが掘れるのだから、そこのそばに地熱発電プラントを作っても環境破壊だと文句は言えないだろう。ここの利水権は東京電力だ。東京電力さん少し考えたらどうですか。
3.が多分一番大きな要因となるのだろう。安価に電気を作れれば、それに越したことはないのだが、コストがかかるからコストの安い電力発電プラントにいくのだろうと思っていた。
しかし、である。今回の原子力発電プラント事故で、電力製造トータルコストが安く見せかけているだけだということが、一般国民の目にもわかってきた。
国からのいろいろな補助金によって、原子力発電事業は手厚く保護され、原子力発電事業補助金は多種多様に様々な所へ流れている。この巨大利潤は、経済産業省の巨大米びつであり、この原子力事業の利潤循環は止めたくはないのである。永遠に!!
多分、地熱発電プラントでは、原子力発電プラントのような、うまみが作り出せないのだろう。
しかし、現実的な電力製造コストを単純比較したら、絶対、地熱発電プラントのほうが、原子力発電プラントより安いはずである。地熱発電プラントは、ほぼ、絶対放射性物質を地球上にばらまかないからである。福島第一原子力発電所の事故の事故処理と、被害の影響を保証をする金額の、数兆円(もしかすると数十兆円、ひょっとしたら百兆円になるのかも??)は、かからないからである。
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Posted at
2011/08/03 21:48:41
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