天皇陛下 が、オリンピック の心配をしている。
天皇陛下は、国民の象徴であって、政治的発言や行動はされない。
そのような、言動は、大日本帝国時代の、大東亜戦争の経緯を踏まえて、政治とは距離を置く立場にあり、それを守られている。
しかし、オリンピックの名誉総裁であり、国民の安寧を常とされる、天皇陛下。
本来なら、日本国民で、もっと真剣にオリンピックのあり方を議論して、本当に安全で安心出来る、オリンピック大会にするのか、中止やむなしとするのか、もっと本気でやらないとならない状況のはずだ。
それが、日本国政府、内閣府、いや、内閣総理大臣が、オリンピック有りきで、専門家の意見も耳を貸さず、突き進んでいる 今の日本の現状で突き進んでいる この事が大問題なのだと、私は思う。
追 記
今回の宮内庁長官の会見内容 に ついて、いろいろ賛否両論が出ている。
当然と言えば当然なのだが、天皇とは我々日本国にとって何なのかという、そもそも の部分が、象徴という 立場でしかないという事で、政府のいいように 扱っている から、??? となっているのだろう。
天皇陛下がいないと、内閣総理大臣の新任もおこなえないし、国会も開会できない。
しかし、天皇陛下は、政治的な発言すら出来ない。してはならない。
オリンピックの開催に対して、意見をいうと、政治的発言なのか?
ということは、オリンピックは、政治に直結しているという事なのだ。
オリンピックとは、いち 国際的な民間組織が、スポーツの大会をするだけの話ですよね。
しかも、2020東京オリンピックの、名誉総裁 である 天皇陛下 が、ちょっと一言 意見を述べた に過ぎない か? 、名誉総裁が、組織委員会あたりに、一言 述べてみた なのか?
とにかく、名誉総裁 なんだから、一言言われたら 少しは考えろよ!
天皇陛下 だが、名誉総裁 という 公式のオリンピックの立場 なんだから。
と、思う。
「天皇陛下 五輪開催による感染拡大に懸念と拝察」宮内庁長官
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6/24(木) 15:23配信
宮内庁の西村長官は定例会見で「天皇陛下がオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大に繋がらないかご懸念されている」と述べました。 西村長官はきょう午後の定例会見で、「天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変ご心配されておられます」「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大に繋がらないか、ご懸念されている、心配であると拝察いたします」と述べました。 その上で、「私としましては、陛下が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないように、組織委員会をはじめ、関係機関が連携して、感染防止に万全を期していただきたい」と強い懸念を示しました。(24日15:17)
「天皇陛下、五輪で感染拡大懸念」 歴史的なメッセージはなぜ出されたのか?〈dot.〉
6/25(金) 11:17
Yahoo!ニュース
東京オリンピック・パラリンピック開催まで1カ月を切った。このタイミングで宮内庁長官は、なぜメッセージを出したのか。
「オリンピックをめぐる情勢につきまして、天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を、大変ご心配されておられます」
6月24日、宮内庁の西村泰彦長官は定例会見で、約1カ月後に迫った東京五輪について、天皇陛下が新型コロナの感染拡大を心配していることを明らかにした。さらに、こうも続けた。
「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されているご心配であると拝察しています」
その場にいた記者は、長官に対して慎重に、こう念押しをしている。
「これは陛下のお気持ちと受け止めて間違いないのか」
長官は、「陛下から直接そういうお言葉を聞いたことない。そこは間違えないように」、と釘を刺しつつも、「陛下はそうお考えではないかと、私は思っています」とはっきりと言い切っているのだ。拝察という言葉を使いながらも、お気持ちを代弁していると明言したに等しい発言だった。
「実質的な、令和の天皇のメッセージであると私は感じました」
そう話すのは、皇室制度に詳しい小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授だ。
「令和皇室で、政治的判断に関わる主体的な言葉が国民に伝わったのは、初めてといっていい。陛下は国民にメッセージを発するタイミングを慎重に見極めていたのだと思います」
宮内庁は、内閣総理大臣の所轄の機関で、総理府の外局組織という位置づけにある。組織として、五輪開催のかじ取りをする政府と対立する姿勢は示しづらいのが実情だ。
しかし、開催を1カ月後にひかえたいま、コロナ禍での五輪に対する国民の心は揺れ、「五輪分断」ともいえる状況になりつつある。
五輪開催反対を唱えるデモは、日本オリンピック委員会(JOC)のビルの前や都庁前などで、連日続いている。かといえば、すぐそばで賛成派のデモがおこなれわれていたという報道も。弁護士の宇都宮健児氏を発起人とする五輪開催中止の署名は42万人を超え、ツイッター上でも五輪に反対するツイートは、10万を越えたと報じられた。
東京都医師会の尾崎治夫会長は有観客開催に突き進む状況に、「理解不可能」とコメントを出しているし、医療従事者からも疑問の声が噴出している。仏国のルモンド紙は、東京のデモなどを紹介して、「日本人の3分の2が延期か中止を求めている」「五輪は日本列島を分断している」と書き立てる始末だ。
そんな中、各競技の代表選考会は着々と進み、準備をしてきたアスリートを応援したいという気持ちが国民の中にあるのも事実だ。
皇室を長く見てきた人物は、現状をこう分析する。
「政府と民意が衝突し、国論は割れたままだ。中立であるべき天皇が、東京五輪の名誉総裁として、開催宣言に立たされることになる」
さらに皇族方は、競技会場で観戦することになる。天皇が開催を宣言し、皇族が集まった五輪で、多数の国民やアスリートらに感染が広がったとなれば、関わった皇室も無傷ではすまないだろう。
「ましてや両陛下は、政府の分科会の尾身茂会長から新型コロナの感染状況などについて2度に渡り、じっくりと説明を受けています。学者としての顔を持つ陛下は、医学者たちの見解は重視なさると思います。また諸外国との交流もあるので、海外が五輪に寄せる懸念も耳に入ってきているでしょう。天皇陛下は、どれほど危機的な状況であるかを、よくご存じのはずです。ご自身の懸念を表明しておく責任も感じたと思います」(前出の小田部さん)
このような背景があっての、宮内庁長官の会見での発言。表向きは長官が天皇陛下のお考えを「拝察」という形をとってはいるが、陛下への事前の報告と許可を得ないまま宮内庁長官が、勝手に発言することはない。前出の人物は、皇室は五輪に対するスタンスを明確にしたかったのでは、と話す。
「長官と陛下の間では、どのようにメッセージを発するかについて、やり取りはあったはずです。宮内庁としては五輪がはじまる前に、『皇室は、五輪と距離をおいている』というメッセージを、明確に発信したのでしょう」
小田部さんも、天皇陛下は自分の本意を歴史に残しておきたかったのだろう、と感じた。
「政治への影響を及ぼさなよう言葉を選びながらも、安心して開催される確信もないというギリギリの言葉を選んだのだろうと思います。ある意味、責任逃れとも受け取られかねないメッセージでしたが、中止へのメッセージは政治への介入となる。一方で、五輪で感染が爆発的な感染が生じるかもしれない、という懸念もある。天皇としての考えを記録に、歴史に残したかったのだろうと思います」
コロナ禍で、令和の皇室はリモート公務が主体になった。国民にとって皇室は、どこか遠い存在になりつつあった。しかし、この長官を通じたメッセージは、令和の皇室の輪郭を浮かび上がらせたようにも思える。(AERAdot.編集部 永井貴子)
宮内庁長官の「天皇陛下は五輪懸念」発言、波紋広がる…憲法学者からは厳しい見方も
6/26(土) 7:46
Yahoo!ニュース
東京五輪・パラリンピックを巡り、宮内庁の西村泰彦長官が新型コロナウイルス感染拡大への天皇陛下の「ご懸念」に言及したことが波紋を広げている。天皇は憲法で政治的な行為が禁じられているためだ。
菅首相は25日、西村氏の発言について、「(西村氏)本人の見解を述べたと理解している」と記者団に語り、問題視しない考えを示した。加藤官房長官も記者会見で「憲法との問題があるとは考えていない」と述べた。
西村氏の発言について、ある宮内庁幹部は「陛下は開会式で開会を宣言される立場にあるが、一方で開催による感染拡大を心配し、コロナに苦しむ人にも心を寄せられている」と指摘。「開催を巡って国論が二分する中、宮内庁長官としては陛下が片方だけを重んじているわけではないことを伝える必要があると判断したのだろう」と推察する。
五輪開催については25日に告示された東京都議選でも争点の一つになっている。自民党の閣僚経験者は「宮内庁長官の発言は今後、開催慎重派に政治的に利用されかねない」と危惧する。開催の延期や中止を求めている立憲民主党の安住淳国会対策委員長は25日、「西村氏個人の意見だと思っている国民は誰もいない。(政府は)言葉の重みをきちんと踏まえて対応すべきだ」と記者団に語った。
一方、開催中止を主張する共産党の志位委員長は「天皇は憲法で政治に関わらないことになっており、それをきちんと守ることが必要だ」と述べた。
今回の発言について、憲法学者からは厳しい見方も出ている。横田耕一・九州大名誉教授は「宮内庁長官が政治に絡む天皇の思いを公にするのは、問題で越権行為だ。『感染拡大を心配している』との発言は『こんな時に開催するのはけしからん』という意味を持ってくる。五輪に反対する人たちが天皇の意見として都合のいいように利用する状況が生まれかねない」と警鐘を鳴らした。
百地章・国士舘大特任教授は「陛下の思いは、開催した場合に感染拡大が起きないようにしてほしいということだろう」と指摘。そのうえで、「仮にそういう趣旨の思いを感じ取っても、西村氏は公にするのは控えるべきだった」と語った。
「私の拝察」「肌感覚」…一問一答
24日に行われた西村泰彦・宮内庁長官の定例記者会見の概要は次の通り。
――東京五輪の開会式や競技観戦の調整状況は。
関係機関と調整中だ。ただ、五輪を巡る情勢として、天皇陛下は現下の新型コロナウイルスの感染状況を大変ご心配されている。国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになる五輪・パラリンピックの開催が感染拡大に繋(つな)がらないか、ご懸念、ご心配であると拝察する。五輪・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないように、組織委員会をはじめ、関係機関が連携して感染防止に万全を期していただきたい。
――陛下が五輪パラが感染拡大のきっかけになることを懸念されているのか。
それは私の拝察だ。陛下は現状を大変心配されている。日々、私が陛下とお話ししている中で肌感覚でそう感じている。
――これは陛下のお気持ちか。
私の受け取り方で、陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはない。そこは誤解がないように。
「まさに西村の乱」天皇陛下「拝察」発言が官邸に根回しされず、発表された理由
2021/06/28 12:00
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香港紙元主筆逮捕、重大な懸念=加藤官房長官
小島瑠璃子 「キングダム」作者と破局 事務所否定せず「プライベートは本人に任せて…
2020年の一般参賀で人びとにお言葉を述べる天皇陛下© AERA dot. 提供 2020年の一般参賀で人びとにお言葉を述べる天皇陛下
東京五輪・パラリンピック開催による新型コロナウイルス感染拡大を天皇陛下が懸念されていると、宮内庁の西村泰彦長官が「拝察」していると発言したことに対し、菅義偉首相をはじめとする政府首脳は、「長官の見解」と突っぱねた。宮内庁は、内閣府の外局組織。にもかかわらず勃発した攻防戦。背景に何があったのか。
「官邸への根回しなしにやったという意味では、まさに西村の乱だ」
首相や官房長官、五輪担当相らが火消しに走った様を、政府関係者はこう形容した。東京五輪開催の是非について、コロナ禍で国論が二分するなかで政府は強引にかじをとってきた。
そうした最中に宮内庁長官が投げた「拝察」発言は、官邸に激震を走らせた。
「爆弾」を投げた西村泰彦氏は、2019年末に長官に就任した。もともとは警察庁出身で、第90代警視総監を務めた人物だ。上皇さまが退位の意向をにじませた「お気持ち」を公表した直後の2016年9月に、宮内庁次長に就任した。
このときの人事では、「お気持ち」の公表をとりしきった風岡典之長官が退任した。これまでの長官は70歳になる年の年度末での退任が恒例であったが、数カ月の前倒し。さらに、天皇の退位をめぐる官邸と宮内庁との攻防では、風岡長官と危機管理全般を担当する杉田和博官房副長官との関係は、良好とはいえなかった。
上皇さまの「お気持ち」公表は、杉田氏が東京の不在のタイミングだった。東京に戻った杉田副長官が「天皇に会わせてくれ」と宮内庁に出向いたが、風岡長官に「官房副長官では謁見できない」と断られ、遺恨が残ったとされる。
官邸を怒らせた風岡長官は更迭されたとのうわさが飛び交った。代わって「官邸から送り込まれた」と言われた長官が西村氏だった。
宮内庁は「オモテ」と呼ばれる事務方と、天皇や皇族方の世話をする「オク」に分かれる。 内閣危機管理監を務めていた西村氏は、宮内庁の「オモテ」と言われる役人のナンバー2である次長として宮内庁に来た。平成の終わりから、宮内庁と官邸の折り合いは良好とはいえない。官邸による「宮内庁改革」の一環で送り込んだなどと言われた。
その西村氏が、五輪開催に影響を与える発言をしたことへの衝撃は大きかった。
そうしてなかでも、長官発言の3日前の22日午後に、菅首相が陛下に直接、情勢を説明する内奏をしたばかりだった。そのため、水面下では両者の調整がなされていたのではという見方もあった。
「官邸とパイプを持つ西村長官のことです。事前に官邸も把握していたのではないか」(宮内庁OB)
しかし、前出の政府関係者は首をふる。
「そうしたことは全くありません。官邸の空気としては、むしろ、『西村(長官)は何を勝手に言ってるんだ』と驚き、戸惑っていた」
官邸が打った手は、「『黙殺』です」(同)だ。
菅首相をはじめ、加藤勝信官房長官、丸川珠代五輪相らは、呪文のように「長官の発言に過ぎない」と唱えた。西村長官の発言であって、それ以上でも以下でもないとして沈静化を図っている。
だが、すでに政府が五輪特例で入国後の隔離を免除したウガンダの選手らの変異株への感染が判明するなど、状況は悪化の一途をたどっている。
まさに「陛下が五輪開催で感染拡大を懸念」した通りに事態は進んでいる。
一方で、球を投げた宮内庁側にも当然、思惑はある。コロナ禍で五輪を開催すれば犠牲者は必ず出る。それに加え、この東京五輪では業界の利権もあぶり出された。皇室を長く見てきた人物は、こう話す。
「このままでは、1936年にドイツが開催したベルリン五輪に匹敵するほど評判の悪い五輪になりかねない。天皇は東京五輪の名誉総裁として開催を宣言する立場であるし、皇族は各種競技場を観戦することになる。皇室としても、メッセージを出すことで五輪に対して一定の距離を引いたとを示す必要があった。つまり、官邸と皇室とどちらに忠誠を示すかという岐路に立った西村長官は、皇室を支える道を選んだということでしょう」
ある意味、五輪をめぐる宮内庁と官邸の駆け引きという側面もあったのかもしれない。だが、その下でコロナの変異株が蔓延し、犠牲者が出ることは何としても阻止しなければいけない。
(AERAdot.編集部 永井貴子)
「天皇陛下は五輪懸念」と言わないとダメなところまで宮内庁長官が追い詰められたワケ
国内 社会 2021年6月29日掲載
“陛下はそうお考えではないか”と
東京五輪・パラリンピックの開催の是非は国論を二分してきたが、6月24日、宮内庁の西村泰彦長官が定例会見で、「天皇陛下が新型コロナウイルス感染拡大について懸念されている」と言及し、議論に拍車がかかった格好だ。西村長官の発言に至るまでの水面下の動きについてレポートする。
まずは、会見での該当部分について紹介しておこう(6月24日付朝日新聞デジタルより)。
――オリンピックの開会式が近づいてきたが、関係機関との調整状況など、長官のお考えを。
「オリンピックを巡る情勢としまして、天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変ご心配しておられます。国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察しています。私としましては、陛下が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックで、感染が拡大するような事態にならないよう組織委員会をはじめ関係機関が連携して感染防止に万全を期していただきたい、そのように考えています」
――陛下が、五輪が感染拡大のきっかけになるのを懸念されているというのは長官の拝察ということか?
「拝察です。日々陛下とお接しする中で私が肌感覚として受け止めているということです」
――仮に拝察でも長官の発言としてオン(ザ・レコード=公開を前提にしたもの)だから、報道されれば影響あると思うが、発信していいのか。
「はい。オンだと認識しています。私はそう拝察し、感染防止のための対策を関係機関が徹底してもらいたいと」
――これは陛下のお気持ちと、受け止めて間違いない?
「私の受けとり方ですから。陛下はそうお考えではないかと、私は思っています。ただ陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはありません。そこは誤解ないようにお願いします」
官邸には事前に伝えていた
この西村発言を聞いた直後、宮内庁担当記者はこう感じたという。
「とても驚きました。拝察という形を取っているとはいえ、政府が進めているものを陛下が心配されているというわけですからね。西村長官はとても慎重な方でそのような物言いをするはずがないと思っていましたし、裏返すと、そこまで言わないといけないところまで来ているのか、陛下の思いは大変なものかもしれない、と感じました」
西村発言を受けて菅首相、加藤官房長官、丸川五輪相ら閣僚は異口同音に、「長官ご自身の考えを述べられたと承知している」などと語り、“火消し”に走った格好だ。
「西村さんは会見の前に杉田官房副長官を通じて官邸に発言する旨を伝えており、菅首相以下、陛下のご懸念に言及することは耳に入っていました。だから驚きはなかったでしょうが、西村さん自身が“陛下はそうお考えではないかと、私は思っています”と言い切っているのを否定するのはムリがありますよね」
と、社会部デスク。西村長官の人となりについて聞くと、
「ひとことで言うと優秀な能吏、組織に忠実な人です。1979年に警察庁に入庁し、主に警備畑を歩みました。2000年には沖縄県警本部長として九州・沖縄サミットの警備を指揮した後、警察庁警備局長、警視総監を務めて退官。内閣危機管理監を経て16年から宮内庁次長、19年から長官に就きました」
警察官僚出身者が宮内庁長官に就くのは23年ぶりのことだった。
「安倍前首相時代から官邸を仕切る杉田副長官の意を受けて、宮内庁に送り込まれたというのがもっぱらの見方でした。ですから、普通は政府や官邸の足を引っ張るような言動を西村さんがすることはないわけですが、日ごろから陛下と接する中で、五輪開催を心配されている度合いが相当なレベルだというのはひしひしと感じ取っていたのだと思います」
菅首相の内奏の2日後
先の宮内庁担当記者の話にも通じる内容だ。
「陛下は即位の際に、“常に国民を思い、国民に寄り添う”中で象徴の責務を果たすと誓われています。実際、お側に仕える侍従には、西村さんが言ったようなトーンよりもっと強く、心配を口にされていたと聞いています。国論を二分するテーマであるにもかかわらず、政府がそれを省みることなく開催に突っ走っているという印象を持たれたのかもしれません」
(先のデスク)
6月22日、陛下が菅首相から五輪を主テーマに内奏を受けられたのだが、そこもひとつのタイミングだったのではないかという指摘がある。
「陛下はその説明内容に物足りなさを感じられたという話があります。陛下は政府分科会の尾身会長からもかねてご進講を受けていますが、尾身会長は“こういうパンデミックのところに(五輪を)やるということが普通ではない”とまで言っており、菅首相の説明では国民の不安を払拭するには至らず、感染拡大の可能性は否定できないと考えられたのかもしれません。西村さんが陛下に“言及してよいですか?”などと確認をし、それに言質を与えられたかまではわかりませんが、内奏の2日後に西村発言が飛び出していますから、西村さんに陛下が思いを託されたと理解するのが普通でしょう」(同)
一方で西村発言は、「天皇は憲法で政治に関わらないと定められており、西村長官の発言は越権行為だ」と見る専門家もいる。
「そういった見方が出ることは当然想定したうえで西村さんも発言を行っていることでしょう。陛下の思いを受け止めたとして、それを公にするのか胸の内にしまっておくのか。今回は西村さんの中の組織に従順な面が出たのかもしれません」(同)
デイリー新潮取材班