2011年12月03日
今年(2011年)春に焼き肉屋チェーン店で提供されていた”ユッケ”によって食中毒が起こり、5名の方の命が失われ、多くの”ユッケ”摂取者が大変な事態に陥ったことは記憶にあるのではないだろうか。
まず、ユッケを”ほいほい”老若男女食べる時代になったこと自体、食の教育が崩壊してしてしまった証拠なのではないのだろうか。
昭和の時代では、
生肉は食うな。肉は焼け!!火が通ってない肉は腹をこわすぞ!!
と大人達は子供にたたき込んだ。私は、未だに生肉には抵抗がある。
そんな食育がいつの間にやら消え去って、多くの日本人が気軽に生肉を食べている。
いくら冷凍技術が進化しようと、生肉は所詮生肉。
しかも今回の”ユッケ”食中毒事故は、一皿298円という低価格のユッケである。
肉の原価が、298円ではない。肉の卸業者を経由して、焼き肉店の人件費、経費、儲けが込み込み入って、298円の生肉である。
昔、伊丹十三の映画の中で、いろいろな種類の肉を重ね合わせて、美味しい脂身が混ざった上肉のブロックを作って、儲ける場面があった。
皿に盛られた”ユッケ”の原料の肉は一体どんな肉だったのか?どんな手を経て”298円ユッケ皿”になったのか伊丹十三の映画を思い浮かべると、非常に危険な一皿だったのかもしれない。
このユッケ食中毒を起こした焼き肉チェーン店は倒産し、ユッケ食中毒の被害者の保証請求額は、9億円にものぼり、保証に当てれる資金が、2億円程度しか無く、保証率が14%程度だという。
一皿298円の代償は、消費者、焼き肉店とも余りにも大きいとしか言いようがない。
なのに、未だにユッケを食べたいと望む消費者が複数いるのと、国が新基準を作った事と、国の新基準でユッケを提供する店が早くも出て来たことに驚く。
国の基準は安全です。安心して食べて下さい。ではなく、「あくまで最低限この基準を踏まえて提供して下さい。」である。
結局食中毒になる可能性では0%では決してない事実を、消費者は理解した上で、自己責任で食べないとならないと思う。
Posted at 2011/12/03 13:23:17 |
JOURNAL | グルメ/料理