
とある谷筋では、長年砂防工事と称して工事関係者以外立ち入り禁止となっている場所がある。
そこには昭和40年代中頃まで温泉施設があり、湯治客で賑わっていたこともあった。
しかし、40年代半ばの集中豪雨で温泉施設とそこへ行く道も壊滅的な被害を受け温泉施設は廃墟となり朽ち果て無くなった。
そして、砂防工事で一般人の立ち入り制限を工事施工機関がおこなうようになって、基本的に一般人が立ち入ることが出来なくなったのである。
そんな谷筋工事関係者だけが立ち入る事が出来るのだが、どうもこの工事区域内では、工事関係者と称する輩が、釣りをしたり、山の幸の取り放題だったり、どうも長年楽しんでいたようである。
2012年のとあるブログにこんな記事があった。
「今年の工事現場へ向かう道路は規制が厳しくなった。
車内でもヘルメット着用、山菜採り、釣りなどの行為は一切禁止、車両の前後には工事現場名及び業者名を明記、貼り付けなければならなくなった。
僕もしぶしぶヘルメットを着用して運転。
現場で働く人が愚痴ってた。
仕事の休憩時間に、イワナ釣りや山菜を採るのが楽しみだったのに、一切禁止とはあんまりだ・・・・・
監視カメラがあちこちに設置され、それはもう厳しい監視体制、そこまでするのか?状態だ。
もちろん、今までと違い今年からは一般人も容赦なく追い出すそうです。
釣りや山菜採りが見つかった場合、厳重注意の上、車に乗せられトンネル(立ち入り禁止区域外)で降ろされるそうです。 これじゃ工事現場へ出張修理で来る楽しみが半減だ!
あまり厳しくするのも如何かと思うのだが・・・・・」
この記事を読んでどう思うだろうか。
一般人を閉め出しておいて、工事関係者の自然独り占めだったと、読み取ってしまううのは、立ち入れない一般人の僻みだけだろうか。
ここは工事はしているが、温泉の源泉もあり、自然豊かな場所である。
多くの自称「山ヤ」と称する方々がこっそり行っていたりする。
しかし、現代のネット社会。よせばよいのに、ブログにこの立ち入り禁止区域に行ってきた事を書く方々がいらっしゃる。
立ち入り禁止区域で有る事を解っていて控えめに書いている場合もあれば、堂々と詳細に書いている方もいる。
そんなブログの中にこんな一文があった。
「川を渡ったところで警備員に呼び止められ速やかに退出を告げられる。
新しい所長は厳しいとの評判だったが確かにそのようだ。」
山といえども土地であり、全ての土地には所有者があり、勝手に人の所有地に入っていけば、不法侵入行為である。
本来管理責任者のさじ加減で規制が厳しきなったり、緩くなったりするべき物ではなく、いままで不法行為に対して、寛容なだけだったのではないだろうか。
しかし、不法行為者がどんどん増え、不法行為をあたかも合法かのようにあちらこちらで公表するものだから、結局厳しくせざるを得なくなったのではないかと私は思う。
しかも
監視カメラがあちこちにあるというのは、それだけ監視するための費用が使われていると言うことである。
その費用は税金である。よく考えて欲しい。
この、入山規制自体については、私も異議があるが、しかし、現実に立ち入り禁止となっているのであれば、それに従うのが大人としてのまずは対応であると考える。
ルール自体が理不尽だと思うなら、入山規制のルールを見直すように働きかける事がまず先だと思う。
山の場合は、国有林であったり、民有林であったりするのだが、国有林だろうと民有林だろうと、大人の人間として人様の土地に入っていく事をしっかり認識しておかないと、どんどん規制が掛かって楽しい登山が出来なくなる事態にもなりかねない。
個人の欲求のままに、立ち入り禁止区域に入って行くこと。欲求が押さえられないなら、せめてこっそり自分の心の内の記憶に留めて欲しい。
せめて違法行為をネットなどに公表する行為だけは辞めて欲しい。情報は人を呼び、更に違法行為を助長させる。
自然は時に人を寛容に受け入れるが、自然対して無知無謀な態度をとると、恐ろしい形になって人に襲いかかる。
ここへ一般人が立ち入るには、公募する見学会があって全く行けないわけではない。工事施工機関も一応配慮はしているのも事実である。
まあ、この谷筋の砂防工事が毎年数十億の予算で続くのも問題ではあると私は思うのだが・・・
Posted at 2012/11/01 06:42:25 |
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