
日曜日の代官山でのこと。
帰り間際で前期型と後期型の916スパイダーを並べてみる。
色は2台ともネロ。
後ろからの眺めは全く同じ。
しかし、フロントは全く異なる表情を浮かべている。
アルファロメオに限らず、一般にヨーロッパのメーカーはフェイスリフトが上手い。
最近で言うとジュリエッタの都合2回のマイナーチェンジはその魅力を損なうことなく、更なる魅力アップを果たしていると思う。
916スパイダーについては購入時、選択肢は前期型しかなかった。
後期型の顔はアクが強すぎて受け入れることが出来なかった。
そして、これはアルファロメオの常なのだが、強く違和感を感じる、ー それは時として激しい拒絶感を伴うものなのだけれど ー、そのデザインも、時間が経つと、まるでその呪文が解けるかのように、あるときを境にストンと、その感じていた壁のようなものが見事になくなる。
マイナスを指していたメーターが一挙にプラスに振り切るような心持ちになる。
916スパイダーもそうだ(現行ジュリア、そしてステルビオもきっとそうなると思う)。
後期型に対して、今では軽く嫉妬してしまうほどの魅力を感じてしまうのだ。
なんでこんなにカッコ良くすることが出来るのだろうと。
このアグレッシブでシャープな感じは何なのだ。
前期型と比べてよりシンプルなラインなんだけど、その分、造形が際立つ感じ?
147GTAを持っているのなら、916スパイダーは後期型のこのモデルも持つべきなのではないか。
後期型のこのグリルの形状を見るたびにそう思う。
Aピラーの付け根から始まる2つのラインが盾の下まで一挙に収束する様は見事と言うしかない。
そしてこのフロントフェイスの造形に見入ってしまうのだ。
足を止めてしばらく対峙する。
自分の中で言葉にならない言葉を発している。
それは言語化できないプリミティブな感情の発露なのか。
そしてこんな馬鹿げたことを考えてしまう。
前期型のスパイダーとgtv、そして後期型のスパイダーとgtvをそれぞれ手に入れたい。
前期型のV6は外せない。
ヌボラブルーももちろん。
そしてまたこう思うのだ、完全にいかれている。
この病気は死ぬまで治らない。
でもこれほど幸せな気持ちにしてくれる病いは他にはないな。
そんな風に思ったりするのだ。
916スパイダーのある人生。
最高だ。

Posted at 2019/01/16 20:03:41 | |
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