
何年か前にお葬式で向かいに座った
遠い親戚のおばさんに
「大きくなったね。結婚したと聞いたけど、子供はいるの?」と、聞かれ
子供はいなけど猫をたくさん飼ってると話すと
「この子は猫が大好きだからね」と、言われた。
私の子供の頃しか知らないその人がなぜ私が猫好きになったのを知っているのか
不思議に思っていると、急にたくさんのことを思い出した。
私が保育園くらいの頃
ある日どこかに向かう車の中で母に
「これから行くおうちには体の悪いお兄ちゃんがいるけど、なんでなの?とか病気なの?とか聞いちゃダメだよ」と言われ
どんな恐ろしいところに連れて行かれるのか不安だった私。
遠い親戚のおうちにお邪魔すると、そこには
モッフモフの大きな猫が2匹いて
私は初めて出会うかわいらしい猫に大興奮。
高校生くらいの少し歩き方がヘンなお兄ちゃんがその猫との遊び方を教えてくれて
もうとにかく楽しくてゲラゲラ笑いながら楽しい時間を過ごした。
それからたまにそのお家にお邪魔しては
おばさんと母がお話をしている間
お兄ちゃんと猫は私と遊んでくれた。
覚えてないけれど、たぶん猫を飼いたいと私が言って飼わせてもらえな飼ったんじゃないかと思う。
ある日そのお家に行くと、そこの猫によく似たモフモフのぬいぐるみをお兄ちゃんがくれて
おばさんが、お兄ちゃんが私にプレゼントしたいからと言ってかなり探してくれたと言っていた。
とにかく嬉しかったのはよく覚えている。
いつからそこのお家に行かなくなったのか
なんで行かなくなったのか。。。
今思うとそのお兄ちゃんの病気は進行性のもので、私と遊べなくなったのかもしれない。
私には何も教えてくれなかったけれど、それから10年くらいして、
ある日母に連れられて久しぶりにそのお家に行くとお兄ちゃんは遺影になっていて
私はもう言葉が出なくて、何も聞けなくてどんな顔していいのかもわからなくて
あまりの複雑さにもう、猫のことは封印してしまっていたように思う。
久しぶりに出会ったおばさんは
最近、保護猫の子猫をもらって毎日毎日遊んでいると楽しそうに話してくれた。
猫ってやつはいつもなんだか空気を読んで
飼い主のの支えになってくれる。
きっとあの時のモフモフ猫たちも、お兄ちゃんのために
子供だった私と頑張って遊んでくれたんだろう。
まったく、猫ってやつは。
Posted at 2022/03/14 13:33:22 | |
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