若い方は知らないですかね。
「雪中行軍」という言葉、今の時代は何かと冗談で使われる言葉ですが、
この言葉が世間に広まった元の映画でもないでしょうか。
高倉健、北大路欣也主演の1977年の映画です。
自分の好きな映画の一つです。
明治35年に雪中行軍訓練で真冬の八甲田山を踏破しようとした
雪中行軍隊の遭難悲劇の実話をもとに書かれた小説を映画化したものです。
「天は我々を見放した」などのセリフが当時流行し、今でも使われるほど。
撮影は実際に猛吹雪の八甲田山で行われたそうです。
当時知らない人はいないと言うほどの大物俳優ばかりが大勢出演すこの映画。
そんな映画を地元民でも入らない真冬の八甲田で行うと言うことで、
撮影の相談に地元を訪れたときに、
「死ぬ気かアホ!」的なことを言われたというエピソードも伝えられています。
実際に出演者も凍傷と戦ったり、限られた機材で思った絵が撮れないなど、
日本映画史上で例のない過酷なものになったそうです。
青森歩兵第五連隊神田大尉(北大路欣也)と
弘前歩兵第三十一連隊徳島大尉(高倉健)の率いる2つの雪中行軍隊が
八甲田山で離合する設定でしたが、
過去に雪中行軍経験のあったものの青森5連隊が甘く見てしまい
大所帯で実行し指揮系統が乱れ遭難してしまいます。
一方弘前31連隊は小規模で必要以上の装備を持たず行軍し、
遭難しかけになりつつも無事に踏破します。
その離合するはずだった八甲田山で青森5連隊の神田大尉の凍死体を
弘前31連隊の徳島大尉が発見するのですが・・・
クライマックスで、この北大路欣也演じる神田大尉の遺体を
高倉健演じる徳島大尉が遺体収容所で棺の中に見て泣くシーンがあります。
このシーンはカラの棺を高倉健がのぞき込んで演じる予定だったそうですが、
本番直前に台本に無いのに北大路欣也が棺に入り設定し、
その想定外の状況に高倉健が感動して本気で大泣きして演じたというエピソードもあります。
実際に零下の環境で撮影されたということで、
北大路欣也は棺の中で本番待ちで1時間以上待ったとの説も。
ここまで俳優や制作陣が体を張って作り上げた映画、
残念ながら今の時代には見られません。
この映画はそんなすごさ以外にも
今の時代の組織にとって考えさせる内容も描かれています。
もしも見たことが無い方がいたら是非お勧めです。
今、Yahooの動画配信で公開されています。
こちらから視聴できます Yahoo Gyao!
中学時代にセリフを暗唱している奴が居たほど、
見た人を夢中にしました。
3時間弱の大作です。
お休みの日にでもゆっくりとどうぞ。
ちなみに出演者、結構いまはいない人になってます・・・汗
Posted at 2015/11/06 23:37:54 | |
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