
最近のマツダって目立たないけれど、頑張ってますね。デミオやアテンザ、プレマシーなどデザインはそこそこ綺麗だし、アイドリングストップの導入も比較的早かった。写真は先ごろ技術発表されたSKYACTIV-Gに使われるピストンで、エンジン業界の誰もが驚く脅威の圧縮比14を実現したもの。
研究開発費に余裕のない下位メーカーはトヨタに対向するハイブリッドシステムの開発はできないので、必然的にコンベンショナル・エンジンの改良で頑張るしかありません。次世代エネルギー車のEVやFCVで収益があがるようになるのは当分先でしょうしね。
今までピストンの上部はなるべく平坦に作ってコンパクトな燃焼室を作るのが常識でしたが、このピストンは凸凹でまさに常識やぶり。ただし過去にトヨタや三菱が直噴エンジンで妙な形のピストンを採用していたのと原理は同じで濃いガソリンを凹んだ穴に噴いて、着火しにくいリーンバーン状態でも確実に点火させるための形状。このピストンで綺麗に燃焼させることができるのなら大発明かもしれません。
ただ、それでも直噴エンジンに対してはネガティブな意見を持っています。冷たいガソリンを高圧でピストンに向かって吹き付けるとき、どうしても一部が冷えたシリンダー壁にぶつかり、それの気化熱によってさらに温度が下がるため、シリンダー壁周辺の燃焼が不完全になりがち。 この不完全燃焼によって発生したカーボンは燃えカスとなって一部がエンジン内部に滞留、それがエンジンオイルやエアーチャンバーなどを汚します。 さらにガソリンに添加された洗浄剤は直噴だと吸気ポートやバルブを通過しないのでエンジン内部が汚れ易いという宿命。 加えて燃料ポンプやインジェクターは高圧なタイプなので、故障しやすい(寿命が短い)。 4~5年で乗り換えてしまうなら問題はないでしょうが、10年30万キロの耐久性を求める私には、まったくもって信頼ならないエンジン形式なんです。これはVQ30DDを所有して様々なトラブルにあいながら乗り続けた苦い経験から学んだことなのですが、画期的に耐久性があがったようには思えないのです。
様々な問題を抱えた直噴よりもVWのTSIのようなダウンサイジングターボの方が、コストをかけずに燃費を向上できるのは、きっと気づいてますよね!? 耐久性は大丈夫ですか? > マツダのエンジン屋さんへ
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2011/02/26 17:20:27