
クライスラーの処理に道筋がついた次は、いよいよアメリカの象徴的企業であるGMの処理が始まる。GMは年間売り上げ高19兆円、直接雇用者数26万人、利益関係者は100万人を超えるまさに巨人。こいつが破綻したら、アメリカそのものがおかしくなる、、、というのは本当でしょう。けれど債務超過6兆円、今でも毎月1000億円もの赤字を垂れ流しているので、もう誰も救うことはできない。他の製造業と同じように、自動車業界も借金をして工場建設などに投資し生産規模を拡大、利益があがることを前提にさらに借金を続けるといった構図なので、消費が冷え込むととたんに資金運営ができなくなる。たいていは投下資本に対する利益率10%を見込んでいて、それをもとに銀行が金を貸していたのですが、すでに投資回収は不可能なところまで実態経済が悪化してしまっているので、銀行はもう金を貸さないでしょう。生命線は政府のつなぎ融資のみですが、オバマは返してもらえるあてのない資金注入を続けることはできないはずなので、やがて破綻処理となることは間違いありません。チャプター11で借金を清算して、起死回生なるかはその後の経済復興と商品開発力にかかっていますが、大型のピックアップトラックやSUVでバカバカ儲けていて小型車を作ることがまったくの苦手なので、復活への道は厳しい。そもそもアメリカ人に排気量5LのV8でないと満足しないような感覚を植え付けてしまった張本人でもあり、3LのV6なんて日本での軽自動車くらいにしか見ていないのだから始末が悪い。リストラすべきは企業ではなくアメリカ人の精神構造そのものだと思いますね。
GMを代表する高級セダンCadillac CTS-V。このセダンのエンジンはV8 6.2L+スーパーチャージャーで550PSという理解不能なスペック。これはまだいい方で、バスみたいに馬鹿でかいピックアップトラックをアメリカ人の足車として提供し続けている環境に悪い会社・・・というのが実態ですわ。この病気はガソリン価格が10倍にならないと直らないと思う。値上げようとする産油国には軍事力で圧力をかけているが、いつまでそれができると思っているのでしょうね。目を醒ませ!アメリカ人よ!!!
Posted at 2009/05/01 09:26:21 | |
トラックバック(0) | 日記