
新年明けましておめでとうございます。
昨年末から家でTVを見ることが多くなってきたのですが、その中で最も気になったCMがダイハツの衝突防止技術。昨年は富士重のアイサイトの評判が大変よく、技術的には同じものができていたのに完全なシステムではないものを市場に出すことはできないとして商品化しなかなった他の自動車メーカーとのスタンスの違いが明確になりました。 要するに富士重と他のメーカーとの間に明らかな技術的な優位差があったわけではなく、単に社内の商品化プロセスの違いだったわけです。ところが、ダイハツのシステムを見る限り、明らかにトヨタではマネができない点があります。CCDカメラと赤外線スキャンセンサー、センサー信号処理コンピュータ、ブレーキブースターの変更など、ひとつひとつの技術に驚くべき点はないのですが、トータルの販売価格が実質5万円。5万円で売るということはメーカー内のコストを2.5万円で成立させなければなりませんが、さすがのトヨタでもそれは無理でしょう。 なんらかの価格トリックがあるのでしょうが、それにしても安すぎます。これほどの戦略的な値付けはおそらくトップダウンなのでしょうけど、お見事としかいえない。
ミリ波レーダーの代わりに
IBEO社の赤外線センサーを使っているため検知距離が短く高速道路での衝突防止に効果があるかが気になるところですが、軽自動車なので一般道を走るケースが多いことを考えればこれで十分でしょう。
毎年の交通死亡死者数は減少傾向とはいえ、昨年は
4411人もいます。このダイハツのシステムの普及によって多くの命が救われることでしょう。高くて売れない完璧なシステムよりも、多少精度が低くても広く普及させることの方が大切です。ダイハツは他の自動車メーカーよりも安全性の向上で一歩抜きんでたといえる衝撃的な販売価格を設定しました。他の自動車メーカーもぜひこの価格で追従して欲しいものですが、これに追い着くのは容易なことではないでしょう。そもそも自動車メーカー内の社員はプライドが高いのでダイハツに負けたとは思っていないでしょうけど、第3者からみれば明らかにダイハツ勝ちです。 親会社のトヨタよりも先にすごいことをやってくれたことに敬意を表します。 > ダイハツの社長さまへ
Posted at 2013/01/04 17:14:49 | |
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