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2014年11月18日 イイね!

燃料電池車両はいつ本格的に立ち上がるか

最初にまず一言。
EVかFCVかなどという不毛な議論をするつもりはありません。10年先に技術の進化がどうなっているかなんて予測がつかないし突如現れたシェールガスや立ちはだかる原発問題のようにエネルギー事情は猫の目のようにかわりますから。 そんな状態でどっちが優れているかなどと言い合うのは小学生レベルの喧嘩でしかないと思うのです。 そもそもFCVにはEVで培ったモーターによる走行システムがそっくりと受け継がれているわけで、どちらも電動駆動車という範疇で似たものと言ってもよいでしょう。

前提はさておき、FCVが一般的な乗り物になるには様々な課題をクリアしなくてはなりません。

(1)水素インフラの整備の課題
 水素ステーションが自宅の近くになければ、1000kmの航続距離が達成できたとしても無意味です。その水素ステーションはよく言われている設置コストのほかに、設置場所の環境規制条件、運用時の資格者の確保など、容易に乗り越えられない問題が多い。金さえかければネットワークができあがるというものでは決してないのです。 水素関連の法規制の緩和は最低限必要ですが、安全性の確保をないがしろにすることはできないので、まともな水素インフラが完成するのは10年以上先になるでしょう。 それまでにFCVを買って乗り回す人は、たまたま環境に恵まれている人に限られる。

(2)車両コストの課題
 FCVにはコスト削減が困難な点が2点あります。
 ①貴金属であるプラチナを大量に使う燃料電池スタックにおいて、いかにコストを下げるか?
   これは代替材料をさがすという基礎研究で頑張るしかありません。
 ②特殊金属製のボンベをカーボンファイバーの糸でグルグル巻きにした上で接着剤で固める工程が必用な水素タンクの量産性をいかに向上させるか?

 EVは量産すればどんどんコストが下がっていくのですが、FCVは量産するための根本的な課題が解決できていないのです。

(3)安全性
  水素は酸素との比率がある一定範囲でないと爆発的な燃焼を起こすことはないので、素人が考えるほど危険な物質ではないのですが、だからといって移動体に積んで問題ないという話にはなりません。 たまたま混合比率が燃えやすい範囲に一致してしまうことがあるのは、原発事故で建屋が吹き飛んだのを見れば容易に理解できます。めったにおこらない=安全 ではないということです。 毎日どこかで大きな衝突事故が発生している道路環境で高圧水素タンクを搭載したクルマが走り回るのはちょっと怖いです。

(4)耐久性
 燃料電池スタックの耐久性はどんどん向上してきていて10年10万キロの目途はつきましたが、水素タンクの耐久性に課題が残っています。分子量の極めて小さな水素分子がタンク内側の金属材料中に入り込み強度を低下させる水素脆化(ぜいか)という現象を完全に抑える仕組みができていません。脆化が進むタンクに対し短時間で大きな圧力変化をさせるFCVの使い方は、タンクの耐久性を著しく劣化させます。 この問題に対し、安全性を担保する国際的な規格が存在しないので、日本で特例的に認可されたとしても、他の国への輸出はできません。海外に売ることができなければ当然台数が期待できないのでコストが下がりません。 国際規格(ISO)に提案してから採択されるまで3~5年かかるので、その間は各国でFCVが走り回ることができず、FCVは高いままということになるでしょう。

上記に記載した以外にも、水素製造コストの低下、水素流通ネットワーク構築など課題山積なので本格的復旧は10年以上先になることでしょう。推測するに燃料電池スタックは自動車以外の用途に適している場所がありそうなので、クルマへの搭載よりも他の分野への応用展開の方が早くなるかもしれませんね。どんな事業を展開すべきか・・・それは企業秘密ですw
Posted at 2014/11/19 22:35:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | 燃料電池 | 日記

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