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自動車メーカーが最も気にする外部数値指標にJ.D.パワー社のIQS（初期品質調査）があります。自動車を新車で購入した人を無作為に抽出してアンケート調査を行い、クレームの少なさをランキングにしたものです。　ＩＱＳが良いから故障や不具合が少ないメーカーであると判断するのは早計で、不具合が多くてもランキングは上位になるのがＩＱＳの不思議な点です。

たとえば昨年のブランド別ランキングは不具合指摘件数74点でポルシェが２年連続第１位。第２位はジャガー（87点）、第３位はレクサス（92点）、第４位はヒュンダイ（94点）だった。
レクサスはともかく、故障の少なさで圧倒的に強いはずの日本のブランドが上位に入っていません。
もっと不思議なのが日本国内のランキングで昨年フィットのＤＣＴやタカタ製のエアバックでさんざんリコールを繰り返したホンダが３位に食い込んでいること。　アンケートに対して故障を指摘するか否かは、不具合と感じてからその修理が完了するまでのすべての工程を振り返って記入するので、不具合の発生した件数（率）とはあまり相関がないことが類推できます。

メーカーの開発現場では不具合を減らす努力をしていますが、ＩＱＳの数値をあげたければ販売現場での顧客対応の質を向上させる方が大切なことです。不具合があったけれど、すぐに直してくれたらアンケートにわざわざ不具合として記載しないのが普通の人です。逆に大したことではないこと、メーカーの責任ではないことでも、現場で対応を間違えると製品に問題がなくともアンケートには悪い数値を記入してしまうのが人間というものです。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いといって調子で、不具合でないものまで悪くつけてしまいます。

昨日リーフの不具合に関して記載しましたが日産のＩＱＳが悪いのは部品そのものや販売店の問題ではなくメーカーの対応にあると感じています。顧客満足度よりも求償費を極限させることが目標になっているのでは？　と勘ぐらざるを得ないのが悲しい。