2015年07月17日
新国立競技場は安部総理のツルの一声で白紙に戻り、多くの国民は溜飲を下げたことでしょう。しかし、問題はこれからです。 納期に間に合わせ、かつ安く作るには相当の知恵と努力が必要であり、実担当者は今夜から眠る暇もないほど忙しくなります。プロジェクトXの如く後世に語り継がれる大プロジェクトになりますがコスト、納期に責任を持つプロジェクトリーダー、そしてそれをサポートするプレインに誰を指名するかが成否をわけることになるでしょう。
他人の失敗の尻拭いで徹夜仕事になった経験がある方はわかると思うのですが、なぜかこのようなシーンに直面すると誰もが熱血人間になってしまいますね。こういった仕事が回ってきたときは喜んで引き受けましょう。きっとその後の人生の糧になります。
さて本題ですが、多くの若者がクルマも買えないほど低所得化が進んでいます。直接的には派遣社員の増加があるのですが、企業が国内外のマーケットで儲けが出しづらくなっている経営環境が背景にあります。 日本だけが作れる製品がほとんど見当たらないのは、それだけ開発競争が激しくなっているからで、イノベーションという掛け声むなしくいいものを開発してもすぐに似たような商品が国外で安く販売されてしまう現在、日本だけが儲かる仕組みの構築は極めて困難です。安定的に儲ける仕組みが構築できないから、ぎりぎりまで製造コストを下げすぐに撤退できるように派遣社員を使うことになり、それが雇用の不安定と経済の低迷を引き起こしている。派遣という業務形体を禁止することはできないのは経営側の都合ですが派遣社員を低コストで雇用できる仕組みは改め、同一労働同一賃金は最低限導入すべきだし、それに加えて儲かっている企業は派遣社員の比率を5%以下におさえる法規制を導入することを提案します。
不況だから日本にカネがないのかというと、実は世界一の貯蓄大国だったりするのが奇妙。先行き不安だから将来に備えて・・・という理由だけでは説明がつかない。80歳を過ぎた高齢者が数千万円のオレオレ詐欺にあうのが毎日のように報道されているのがその象徴ですね。貯蓄を美徳とした先祖代々の教えがそうさせているとしか考えられない。 ”江戸っ子は宵越しのカネは持たねえ”という気質が江戸の発展を支えていたはずなので、貯蓄文化は明治以降の国外交流で発達した文化のでしょうか。そろそろスマートなカネの使い方を考える必要がありそうです。いっそのこと貯蓄税を導入して貯蓄を消費に回るようにしなければ、この経済の閉塞状態は脱出できそうにありません。このまま経済が低迷し国が借金を返せずギリシャのように預金封鎖になることを考えれば、そうなる前にカネを使った方がWIN-WINの関係になろうというものです。箪笥預金は泥棒に合う可能性があるので禁止させるような施策も必要ですが、国内で上手にカネを回して経済発展につなげる仕組みの構築は必須です。相続税の生前贈与、故郷納税などはそれに資する仕組みですが、それ以外にももっともっとできることはあるはずです。
長期的な観点での安保法制の改定も大切なことですが、それよりも財政の健全化とそれに関連する成長戦略が喫緊の課題です。野党はプラカード作戦のようなくだらない反自民活動をおこなうのではなく、国民のための良質な提案をしてくれることを望みます。
Posted at 2015/07/18 12:08:49 | |
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