今年の福祉機器展にようやくeNV200の福祉仕様車が出展されるが、単なる送迎仕様である点が残念です。送迎車両なんて軽自動車で十分だし、多人数乗せるのであればハイエースを選択するので、なんとも中途半端な仕様にしかみえない。 また、デイサービスなどの事業者はリースするのが通例ですが、eNV200は本体価格が高いためリース料金はハイエースの車椅子用電動リフト付きよりも高くなると推測できます。 だとするとeNV200をわざわざ選択する事業者は存在しないのでは? そもそも床下にバッテリーを搭載する構造のため、車椅子用の電動リフトや、電動格納式昇降用ステップが設定できず福祉車両のベースとするにはかなり無理がある。 さらにいえば床面が高く、お年寄りが乗り降りするには不便なり。
一方、デイサービスの送迎車両は一日の走行距離が概ね30km以下、利用時間は朝晩2回の合計2時間程度なので電気自動車を利用するには最適な使用形態である。問題はリース料金。ガソリン車を送迎車両として使う場合、毎月使う燃料費は1~2万円といったところ。 車両のリース代はNV200で1万6千円くらいなので、eNV200のリース料金が2万円以下であれば経費削減のメリットが発生します。 しかし現在のeNV200だとおそらくその4万円近いリース料金になってしまうはずです。
【提案①】 ~ バッテリーリサイクルの件
リーフのバッテリー交換プログラムで回収した駆動用バッテリを、デイサービス向けのリース車両へ転用し、月4000円程度で提供してください。 6年間のリースで得られる料金は約30万円になるので、リーフのバッテリーを10万円で下取りしても十分採算が取れます。中古のバッテリーを使うことでeNV200のリース料金も大幅に下げられ一石二鳥。このあたりのリサイクルの仕組みはぜひ構築して欲しいところです。
【提案②】 ~ 車椅子搭載のための設計分担変更の件
オーテックであとから架装するのではなく、メーカーが車体設計するときから車椅子用電動リフトを乗せられるように設計分担を変更してください。 床下のバッテリーと干渉しないように電動リフトや電動格納ステップの設置検討するのは車体設計担当者にしかできません。
【おまけ】
現在市場に流通している福祉車両はどれも使い勝手がいまいち。たとえば杖の置き場ひとつ確保できていない点で、現場の声をちゃんときいているのか大いに疑問です。国民の半数は65歳以上になる高齢化社会に向けた準備はいまからでも遅くないし、ビジネスチャンスだとも思います。
Posted at 2015/09/29 15:49:27 | |
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