2016年04月22日
日本市場の新車の40%が軽自動車という現状にあって、三菱自工からのOEMで国内販売体制をなんとか維持していた日産にとって今回の事件のインパクトはあまりに大きい。 メーカー本体は国外の販売が堅調のため問題ないとしても国内販売網の維持ができなくなる恐れがあり国内事業は崩壊の一歩手前。 大胆なリストラをしなければ国内事業は大幅な赤字に陥る可能性が高く、長期的に考えると日産の取りうる選択肢は下記と考えられる。
①本社機能、開発部門を国外へ異動し国内販売網は半減。
②軽自動車を製造する子会社を設立し、小型車、普通車の製造関係者を異動する。
③スズキとの提携再開。
いずれも大きな痛みを伴うが、利益率を重視するゴーンさんがこのままじっとしているとも思えない。
過去にも軽自動車の自社製造を検討していた時期があるが、そのときは軽自動車メーカーから大反対を受けて断念している。当時は軽自動車のシェアが小さかったので少ないパイを奪い合い共倒れになる可能性があったが、現在は小型車、普通車の台数を上回るほどの販売量になっているので、軽自動車を製造していないことが経営リスクになっている。
選択肢①はあまりにも大胆すぎるので、とりあえず②にチャレンジすると推測します。③は一度捨てた女とよりを戻すみたいで恰好悪い。。。
日産が軽自動車を自社生産するにあたっての最大の課題は人件費の削減。軽自動車メーカーよりも人件費が2~3割も高いので、給与体系を低く設定するために製造子会社を設置せざるをえない。 製造をタイやインドで行うことも考えられるが、為替レートの変動リスクや、輸入にかかわる諸費用、受注から販売までのタイムラグ、品質の確保等を考えると、日本でしか売れない軽自動車は地産地消が好ましい。 日産の場合、九州工場はすでに製造子会社化しているので、そこを軽自動車専用の組み立て工場にするのが最もスピーディに展開可能と考えます。 エンジン以外は2年間で量産を立ち上げることが可能でしょう。 エンジン開発は時間がかかるので外部調達するしかないが、スズキに勝てるエンジンを確保できる可能性は低い。 三菱自工の設計が古いエンジンでもモータージェネレータを組み合わせたマイルドハイブリッドとすれば燃費性能で勝負できるかも!?
エンジンを含めて自社生産が可能となったとき三菱自工との提携関係は解消するのが自然の流れですが、そのときには三菱自工が消滅することになるでしょう。 売り上げが半分以下になったらどんな会社だってつぶれますよ。 経済産業省がこの流れを受け入れるかどうかが未知ですが、主要販売先を失った三菱自工が再起できる可能性は限りなくゼロに近い。 三菱自工にとってのハッピーシナリオは、テスラ、グーグル、ソフトバンク、松下などが会社をまるごと購入してくれることですが、これも厳しいでしょうね。
Posted at 2016/04/22 11:56:24 | |
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