2016年04月23日
燃費データの不正申告事件で三菱自工の内部がいくつか透けてみえます。
まず1点目は技術力のなさ。 燃費でライバルに勝てないという以前にまともな車両開発支援ツールが揃っていないことが透けてみえる。 大手の自動車会社ではコンピューター・シミュレーション技術が進化したおかげで、クルマやエンジンを試作しなくても設計データを入力すると性能諸元が正確に把握できるようになっています。 たとえばエンジンに新規技術を適用したとき、燃費、コスト、重量の変動をただちに算出できるようになっているのです。 設計者は、与えられたコスト制約のなかで適用する要素美術をメニューから選ぶのが仕事で性能そのものはいじりようがない。 商品企画部署や上層部から高い燃費目標を与えられたとしても、シミュレーション結果を示して実現可能性がないことを即答できる。 コンピュータは数値を誤魔化すなんてことをしてくれないから、コスト条件を緩めるか、まったく新しい要素技術を開発しない限り不可能を可能にはできないのです。 今回三菱自工のふるまいを振り返ると、一個人の問題ではなくコンピュータによる開発支援ツールが相当ライバルに対して遅れているということが透けて見えてしまうのです。
2点目にわかったことは”官”よりも”三菱財閥”が優先されること。 自動車メーカーにとって許認可権を持つ国土交通省は神様であり、それに対して嘘の値を報告するなんてありえない。 もし虚位申告ばれたら、申請した新規車両の型式認定がおりないということに直結するので、商売ができなくなります。 そんなことは三菱自工の社員は当然理解した上でのことであったので、官よりも恐れていたものが存在したということ。 三菱グループ内で三菱自工の地位は最下位で、三菱重工や三菱UFJ銀行、三菱商事などの役員から燃費が一番のクルマを作れといわれたら、官に嘘をついてでも要求を満足する結果を出さなければいけなかったということなんでしょう。 結果として大切なお客様を裏切ってしまった。
開発資金が大手自動車メーカーの1/10以下しかないような三菱自工に競争の厳しい主戦場で戦い続けろということが無理だし、三菱財閥に所属している限り今後もこの会社は不正に手を付ける可能性が高いことが予想される。
企業規模の割に車種が多すぎる上、開発費がかかるEVやPHEVにを手を出しているのが不思議だったのですが、内情は火の車だったということが明らかになった。昨日記載した通り、買収相手を見つけることが唯一の生き残り策ですが、プライドの高い三菱財閥はそれを理解し、許すことはないでしょうね。
三菱自工が日産と協業するときに、三菱重工の重役がいった言葉に
「(3流企業の)日産なんかと一緒にやるなんてとんでもない」 というくだりがあったそうです。
世界最大級の企業グループというプライドが三菱自工というダメ息子を育ててしまったのだと思う。
多少の技術力があって資金と経営力がない・・・2000年頃の日産と同じですね。
早く親離れして新しいパトロンを探そう!
Posted at 2016/04/23 22:01:33 | |
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