2016年04月26日
JC08は決められた距離の加減速をシャシーダイナモ上で行いガソリン1Lあたりの排ガスを計測するためのモード走行である。排ガスを計測する際の副産物として燃費が計測できてしまうのであるが、電気自動車ではこの走行パターンのみを利用してIKWあたりの走行距離を割り出し、利用可能電池容量を掛けることで走行可能距離と称している。 その数値が実際の走行可能距離とかけ離れているのは、JC08の走行パターンが電気自動車にとって極めて有利な低速中心であるからに尽きる。
平均速度24.4km、最高速度81.6kmの範囲で約8km分の加減速走行というパターンですが、加減速Gが緩すぎるしエアコンオフというのも現実離れしている。 エンジン車であれば余熱を利用したヒーターなので冬場ではエアコンのオン・オフによる燃費の悪化はほとんどないが、電気ヒータを活用する電気自動車の場合はそうはいかない。 カタログ値通りに走行できないと日産を訴えたとしても、お国の定めた走行パターンで不正なく計測した結果であると主張するであろう。だからユーザーが裁判を起こしたとしても勝ち目はない。
しかし、カタログで228kmの走行可能距離を大きく宣伝しているくせに、保証期間内で劣化して100kmしか走行できないというのは詐欺的であるといわれても仕方ないのでは? メーカーは携帯電話等のポータブル機器の電池が劣化することは周知の事実であるから問題ないとでも考えているのであろうか?? ポータブル機器であれば数千円で電池交換できるが、交換に60万円以上必要な電気自動車は同じレベルで考えることはできない。
以上のことよりEVの走行可能距離に関する問題は2つに集約される。
① JC08
JC08の走行パターンは電気自動車の利用実態にあっていないので、専用のパターンを用意すべき。たとえば平均車速35km、最高速度100km、加減速GはJC08の2倍、外気温5度で車室内温度を25度に設定といったくらいのパターンにして欲しい。 計測の手間を省くため走行抵抗の大きい時速100kmの定速走行でもよいが、ヒーター利用を前提にするのは必須であると考える。
② 電池の劣化
電池が劣化して容量が減少するのは仕方がない。 30万円以下で交換可能な世界を構築するため、バッテリーモジュールを規格化して価格競争ができるようにして欲しい。(テスラは18650という規格化された円筒形の電池を採用している)
走行可能距離が現実と大きく乖離している問題を抱えたままで売り続けられている電気自動車ですが、詐欺だと訴えられる前に何らかの対策がとられることに期待します。 もし何も動きがないのであれば、ユーザーが結束して少額訴訟(賠償金60万円以下が対象)をおこしましょう。 裁判に必要な経費は数千円ですみます。 いち個人が大企業を訴えても勝ち目はないけど、訴訟が数百件も同時に発生したらメーカーは動かざるをえないでしょう。
日産は三菱自工の燃費データ不正問題を”他山の石とせず”と肝に銘じて行動を起こしてほしいですね。
Posted at 2016/04/29 16:37:41 | |
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