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プリウスPHVの発売に合わせて販売会社に急速充電器を設置し定額で利用できるよう期待している人は多いと思う。

日産の場合は、販売会社に設置費用と維持費を負担させたため比較的早く展開ができた。リーフを売りたいなら急速充電器を自前で設置しろと本社からのオーダーがあれば従わざるを得ない力関係があるから。

トヨタの場合はどちらかといえば販売会社の方が上の立場にあるため、そんな強制力を働かせることは不可能に近い。その理由は販売会社の成り立ちに起因する。戦後トヨタは自動車の販売を始めるときに各地の資産家に協力してもらった。トヨタは資産家に頭を下げてクルマを売ってもらっているのである。クルマの仕様や価格にまでトヨタに口出しするのは今も変わらず。また国内の圧倒的なシェアは強力な販売網があってからこそであり、いわば恩人なのである。そんな恩人に急速充電器を設置しないとクルマを売らせないなんて言えないのだ。

日産の場合はトヨタが各地の資産家を押さえてしまったため自前で販売網を構築せざるを得なかったことと、販売力の弱さから本社主導の側面が強い。

トヨタが急速充電器を展開するには自身が費用負担をせざるを得ないが、そんな金が有るなら配当を増やせと株主に怒られてしまう。

プリウスPHVが爆発的に売れて、ユーザーからの不満の声が相当大きくならない限りトヨタは急速充電器設置に向けて身動きができないというのが実状であろう。

自宅以外で充電するとガソリンより充電代が高くつき、充電しなければ単に高くて重いハイブリッド車のPHV。アウトランダーにも言えることたが、PHVを活かすには定額で利用できる急速充電網が必須。ユーザーメリットの少ないクルマを高く売りつけ、ユーザーは誤魔化されて喜んでいるだけという間抜けな話から本当に価値のあるクルマになるにはまだまだ時間がかかりそうなPHV。

石原さとみのCMに惑わされてPHVを買ってはいけない。