最終検査ラインの人員配置に関する不備を国交省に指摘された日産だが、未だに会社の公式見解をだしていない。恐らく日産にとっては寝耳に水の事であり指摘に納得していないのであろう。
あまりにも不合理な指摘であり反論したいが、型式指定という許認可権を持つお上には怖くて反論できない。もし機嫌を損ねたら今後の新車開発に支障をきたすから。
メーカーが不備を認めているのなら、役員が謝罪会見を行ったり公式HPに謝罪文を掲載するはず。これを直ちに実施しないのは、抗議の意味を込めたささやかな抵抗であろう。
マスコミは国交省の報道資料を鵜呑みにして記事化しているが、検査ラインがどういったものかを全く知らない。せめて工場を見学してどんな器材で何の検査をしているか把握していれば、すべての検査員が認定されている人材である必要がないことを理解できるであろう。ほとんどの検査が自動化されているので、人間の技量が検査品質を左右することはないのである。
国交省は法令違反というが、検査にかかわる人員がすべて認定された人でなければならないとする法令があるのなら、その法令が実態に合っていないのだから改正すべきである。
”いちゃもん“という表現がぴったりするが、一度振り上げた刀を納める気配はない。日産がどう“いなす”のか興味深いが最終的には大人の対応で謝罪し、来年度からは国交省の天下りを受け入れることになるであろう。天下りポストは役員クラスなので年俸は1億を越えるであろうが年間1億円で国交省からの嫌がらせを受けることがなくなるのなら安いものかもしれない。
今回の事件で日産に非があるとすれば、重要な工程に非正規社員を配置してしまったこと(300人中の約30人)。この非正規社員の密告がことの発端になったのであろう。クルマ販売は景気に左右されるので、首を切りやすい非正規社員を活用するのは常識であるが、待遇と配置に関してはもっと慎重に検討する必要がありそうだ。
厚生労働省管轄の雇用問題と国交省管轄の検査問題が混じりあって、本質が分かりにくい事件となってしまったと感じます。また、マスコミの安易な記事化が役人天国を助長してしまうので、現場に足を運んで取材して欲しいものです。検査ラインは秘匿レベルが低いので申請すれば誰でも見学できますよ。
Posted at 2017/10/02 09:58:52 | |
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