2017年12月22日
より速く、より快適に、より経済的に、、、
戦後日本経済の発展に合わせるようにクルマは進化発展してきた。自動車会社は良い製品を作ることに懸命になり、次々と新しいクルマを世に送り出し、ユーザーは喜んで買い替えた。しかしクルマの機能・性能が成熟し買い替えたいと思わせるような魅力の創出が難しくなったのが2008年頃、ときを同じくしてリーマンショックにより消費動向ががらりと変貌した。人々は手のひらの上のスマホのサービスに夢中になり、クルマは二の次に成り下がった。
自動車メーカーが頑張って開発した新車が販売開始から飛ぶように売れる時代は終わったのである。経済ルールが大きく変わり、一言で言えばモノからコトへと消費性向が変質した。自動車メーカー内でのプレゼンでも散々使いふるされたキーワードであるが、その本質を理解している人はほとんどいない。
良い製品を作ることは大切であるが、ライバルメーカーとの差別化が難しく、頑張って開発しても期待したほど売れない。これは新型リーフにも当てはまることで受注好調とメーカーは公表しているが、予約台数を見ると期待の半分以下と言っても良いだろう。
日産の勘違いはバッテリー容量を大きくしてEVの弱点である航続距離を伸ばせばガソリン車と同じように売れるだろうと考えたこと。モノにこだわりすぎて資本経済の変貌に気がついていない。サービスを良くしなければ売れない時代に、昔からのモノ優先の販売手法で売ろうとしているのは滑稽でもある。
いくつかある失敗の中で、最も気になるのが既存顧客を切り捨てたような販売手法。バッテリーがへたって困っているユーザーに新型に買い替えるしかないというようなスタンスではEVを商品として認められないし、メーカーが嫌いになるばかりだろう。新型リーフを買ってもまた切り捨てられるのでしょ?と考えてしまうようなメーカーの商品は買いたくない。不倫する人は何回でも不倫して裏切るのと同じではないかと。
中国経済が失速すると全世界の経済が混乱し自動車メーカーも大きな損失を被ることになる。そのときに生き残るのは消費者がサービスを継続してもらいたいと考えた会社になるだろう。
Posted at 2017/12/24 13:12:53 | |
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