2018年08月01日
テスラが開発しているAIチップが間もなくリリースされる。これにより自動運転の精度が向上しコストも下がる見込みである。ほとんどの国内各社は自動運転のための画像認識用のチップはmobile eye社のものを採用している。一方欧米のメーカーはより高性能なNVIDIAのチップを好んで使っているようだ。テスラもNVIDIAのチップを採用したが他社に勝つために独自開発に踏み切った。
国内の自動車メーカーは半導体の独自開発なんて絶対にやらない。電子部品でいいものがあれば外から買って来れば良い、あるいはチップは部品サプライヤーが選ぶべきもので自動車メーカーが指定するものではないと考えているからである。自動車メーカー内の経営層の主流は東大 機械工学部出身がほとんどであるからITで差別化ができるなんて想像もつかないのだろう。
テスラの経営層は機械系よりIT系のエンジニアが多いのでITによる革新を信じて疑わない。機械系軽視は量産技術で問題を起こした背景でもあるが、機械系の技術は枯れたもので差別化は難しいと考えているようだ。
開発費のかけ方一つとってもテスラとそれ以外の会社では根本的に着眼点が異なることがわかる。たかが数グラムの半導体に数十億円の開発費を投じることができる自動車メーカーはテスラしか存在しえない。もちろんテスラがNVIDIAのような専業メーカーに勝つことは難しいだろうが、どう使うかを一番知っているテスラだからこその開発手法はあり得るはず。IT系の人材に好まれる会社なのでシリコンバレーからのヘッドハントが比較的容易なのかもしれない。国内自動車メーカーだといくら金を積んでも採用できないようなITのトップエンジニアがテスラには存在する。
複雑なソフトウェアではなくAIチップがハードウェアで走行環境を認識することになるので処理速度は従来の100倍以上になり認識ミスも減るだろう。より人間の判断に近い自動運転が可能となる日は近いかもしれない。
IT技術でテスラは他社の数歩先を歩んでいるので、生産が安定し経営が落ち着けば大化けする企業なのかもしれない。10年後にはトヨタを越えていると考えれば、今の株価はもっと高くても良いだろう。
あのときテスラを買っておけば良かったと多くの自動車メーカーが後悔することになりそうだ。
Posted at 2018/08/03 10:15:46 | |
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